ヴェルトライゼンデ
この記事は現役競走馬を扱っています。 |
ヴェルトライゼンデ | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2019年ホープフルステークス | |||||||||
欧字表記 | Weltreisende[1] | ||||||||
品種 | サラブレッド[1] | ||||||||
性別 | 牡[1] | ||||||||
毛色 | 黒鹿毛[1] | ||||||||
生誕 | 2017年2月8日(7歳)[1] | ||||||||
父 | ドリームジャーニー[1] | ||||||||
母 | マンデラ[1] | ||||||||
母の父 | Acatenango[1] | ||||||||
生国 | 日本(北海道安平町)[1] | ||||||||
生産者 | ノーザンファーム[1] | ||||||||
馬主 | (有)サンデーレーシング[1] | ||||||||
調教師 | 池江泰寿(栗東)[1] | ||||||||
競走成績 | |||||||||
生涯成績 | 12戦3勝[1] | ||||||||
獲得賞金 |
3億2006万7000円[1] (2022年11月27日現在) | ||||||||
|
ヴェルトライゼンデ(欧字名: Weltreisende、2017年2月8日 - )は、日本の競走馬[1]。2022年の鳴尾記念の勝ち馬である。
名前の意味は、ドイツ語で「世界旅行者」[2]。半兄にワールドエース(父・ディープインパクト、2014年マイラーズカップ勝ち)、ワールドプレミア(父・ディープインパクト、2019年菊花賞、2021年天皇賞(春)勝ち)がいる。
戦績
デビュー前
2017年2月8日、北海道安平町のノーザンファームで誕生。一口馬主法人サンデーレーシングより総額3,600万円(一口90万円×40口)で募集され、ノーザンファーム早来で育成の後、栗東の池江泰寿厩舎に入厩した。
2歳(2019年)
9月1日、小倉競馬場での新馬戦(芝1800m)にて川田将雅を背にデビューし、人気に応えて新馬勝ちを果たした。10月26日に京都競馬場にて行われたリステッド競走の萩ステークスをクリストフ・スミヨン鞍上で3番手から抜け出して、最後は他馬との追い比べを制し、コンマ1秒差をつけて連勝を飾った[3]。
続くホープフルステークス(12月28日中山芝2000m、鞍上オイシン・マーフィー)で重賞初挑戦。東スポ杯2歳S(東京芝1800m)を1分44秒5のレコード勝ちしたコントレイル、関東馬で新馬・リステッドを連勝して臨んだワーケアに次ぐ3番人気に支持され、コントレイルの横綱競馬に屈したものの2着に入った[4]。(競走に関する詳細は、第36回ホープフルステークスを参照。)
3歳(2020年)
初戦はスプリングステークス(3月22日中山・芝1800m)から始動。このレースからCOVID-19 (新型コロナウイルス感染症)の影響で無観客競馬となった。鞍上に父ドリームジャーニーやその弟オルフェーヴルで主戦を務めた池添謙一を迎え、単勝1.7倍の1番人気に支持されたが、レースでは6番人気の伏兵ガロアクリークに及ばず2着に終わった[5]。
続く皐月賞(4月19日中山・芝2000m)は先述のコントレイル、弥生賞ディープインパクト記念勝ち馬サトノフラッグ、昨年の朝日杯フューチュリティステークスを無傷の3連勝で制し、休み明け距離延長でこの舞台に臨むサリオスに次ぐ4番人気で出走、しかしレースではコントレイルの8着に終わった[6]。(競走に関する詳細は、第80回皐月賞を参照。)
5月31日にCOVID-19の影響で76年ぶりの無観客競馬として行われた東京優駿(日本ダービー、東京芝2400m)。皐月賞で3着以下を突き放したコントレイルおよびサリオスの2頭に圧倒的支持が集まり、本馬は単勝オッズ66.4倍の10番人気に甘んじた。しかしレースではコントレイルを前に見る形で競馬を進め、前述の2強に及ばなかったものの、3着に入った。しかしレース後に骨折が発覚し、そのまま休養に入る。(競走に関する詳細は、第87回東京優駿を参照。)
秋は熱発でセントライト記念を回避し、コントレイルが出走する神戸新聞杯で始動。大外枠から直線を向くと前を猛追し、メンバー中最速の上がり3F35.4秒の末脚で1勝馬ロバートソンキーを捕らえ2着に入った[7]。
10月25日に行われた菊花賞はコントレイルの7着に敗退した。
4歳(2021年)
3か月後、4歳初戦となったアメリカジョッキークラブカップは中団から直線でしぶとく脚を伸ばしたがアリストテレスに半馬身及ばず2着に敗れた[8]。その後日経賞に向けて調整を進めていたが、3月に右前脚屈腱炎を発症していることが判明、長期休養となることがわかった[9][10]。
5歳(2022年)
1年4ヶ月に及ぶ休養・リハビリを経て、6月4日中京競馬場にて行われた鳴尾記念で復帰初戦を迎えた。新たな鞍上にダミアン・レーンを迎え、これまでの戦績内容から長期休養明けにも関わらず10頭中2番人気に支持され2番枠からスタートを切った。スタート直後は素早く最内を取り、道中は1番人気で川田将雅騎手騎乗のカイザーバローズを外に見ながら中団の位置で体力を温存した。最後の直線コースに入ると進路を確保して上がり3F33.7秒の末脚で抜け出して先頭に立ち、大外からジェラルディーナ、サンレイポケットの追撃を退け、待望の重賞初勝利を飾った[11]。
前走から中495日での重賞勝利は、JRAがグレード制を導入した1984年以降では2007年京都ハイジャンプ・テイエムドラゴン(中573日)に次ぐ長期間隔のJRA重賞V記録となった。平地重賞では中461日で88年オールカマー(当時G3)を制したスズパレードを上回る新記録となった。
競走成績
以下の内容はnetkeiba.com[12]の情報に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上がり3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2019. 9. 1 | 小倉 | 2歳新馬 | 芝1800m(重) | 12 | 5 | 6 | 2.2 (1人) | 1着 | 1:51.6(36.8) | -0.5 | 川田将雅 | 54 | (ダンシングリッチー) | 490 | |
10.26 | 京都 | 萩S | L | 芝1800m(稍) | 7 | 4 | 4 | 2.2 (1人) | 1着 | 1:50.8(34.5) | -0.1 | C.スミヨン | 55 | (シリアスフール) | 490 |
12.28 | 中山 | ホープフルS | GI | 芝2000m(良) | 13 | 4 | 5 | 6.9 (3人) | 2着 | 2:01.6(35.8) | 0.2 | O.マーフィー | 55 | コントレイル | 492 |
2020. 3.22 | 中山 | スプリングS | GII | 芝1800m(良) | 10 | 3 | 3 | 1.7 (1人) | 2着 | 1:50.0(34.2) | 0.2 | 池添謙一 | 56 | ガロアクリーク | 490 |
4.19 | 中山 | 皐月賞 | GI | 芝2000m(稍) | 18 | 8 | 17 | 13.0 (4人) | 8着 | 2:01.9(36.3) | 1.2 | 池添謙一 | 57 | コントレイル | 486 |
5.31 | 東京 | 東京優駿 | GI | 芝2400m(良) | 18 | 3 | 6 | 66.4(10人) | 3着 | 2:24.9(34.7) | 0.8 | 池添謙一 | 57 | コントレイル | 486 |
9.27 | 中京 | 神戸新聞杯 | GII | 芝2200m(良) | 18 | 8 | 18 | 20.3 (3人) | 2着 | 2:12.8(35.4) | 0.3 | 池添謙一 | 56 | コントレイル | 488 |
10.25 | 京都 | 菊花賞 | GI | 芝3000m(良) | 18 | 3 | 6 | 10.3 (2人) | 7着 | 3:06.9(36.3) | 1.4 | 池添謙一 | 57 | コントレイル | 488 |
2021. 1.24 | 中山 | AJCC | GII | 芝2200m(不) | 17 | 2 | 4 | 6.8 (3人) | 2着 | 2:18.0(37.3) | 0.1 | 池添謙一 | 55 | アリストテレス | 494 |
2022. 6. 4 | 中京 | 鳴尾記念 | GIII | 芝2000m(良) | 10 | 2 | 2 | 4.9 (2人) | 1着 | 1:57.7(33.7) | -0.1 | D.レーン | 56 | (ジェラルディーナ) | 496 |
9.25 | 中山 | オールカマー | GII | 芝2200m(良) | 13 | 4 | 5 | 5.4 (3人) | 7着 | 2:13.7(35.9) | 1.0 | 戸崎圭太 | 56 | ジェラルディーナ | 494 |
11.27 | 東京 | ジャパンC | GI | 芝2400m(良) | 18 | 2 | 3 | 9.5 (4人) | 3着 | 2:23.8(34.0) | 0.1 | D.レーン | 57 | ヴェラアズール | 494 |
- 競走成績は2022年11月27日現在
血統表
ヴェルトライゼンデの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | ヘイロー系 |
[§ 2] | ||
父 ドリームジャーニー 2004 鹿毛 |
父の父 ステイゴールド1994 黒鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo | |
Wishing Well | ||||
ゴールデンサッシュ | *ディクタス | |||
ダイナサッシュ | ||||
父の母 オリエンタルアート1997 栗毛 |
メジロマックイーン | メジロティターン | ||
メジロオーロラ | ||||
エレクトロアート | *ノーザンテースト | |||
*グランマスティーヴンス | ||||
母 *マンデラ Mandela 2000 栗毛 |
Acatenango 1982 |
Surumu | Literat | |
Surama | ||||
Aggravate | Aggressor | |||
Raven Locks | ||||
母の母 Mandellicht1994 |
Be My Guest | Northern Dancer | ||
What a Treat | ||||
Mandelauge | Elektrant | |||
Mandriale | ||||
母系(F-No.) | 3号族(FN:F3-d) | |||
5代内の近親交配 | Northern Dancer 5×4、ノーザンテースト 5×4 | |||
出典 |
- 半兄にきさらぎ賞・マイラーズカップ勝ち馬のワールドエース、菊花賞・天皇賞(春)勝ち馬のワールドプレミア(父は共にディープインパクト)がいる。
- 母マンデラはディアナ賞(独オークス)3着、母の半弟にジャックルマロワ賞、イスパーン賞、プリンスオブウェールズステークスを勝ったマンデュロがいる。
出典
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “ヴェルトライゼンデ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年11月27日閲覧。
- ^ “【東西現場記者走る】ヴェルトライゼンデ成長一途” (日本語). サンスポZBAT!競馬 2021年1月29日閲覧。
- ^ “【萩S】ヴェルトライゼンデが追い比べを制しデビュー2連勝/JRAレース結果 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2020年9月17日閲覧。
- ^ “【ホープフルS】コントレイルここも完勝! 無傷3連勝でGI制覇!/JRAレース結果 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2020年9月17日閲覧。
- ^ “【スプリングS】ヴェルトライゼンデ猛追届かず2着 池添、皐月賞で「巻き返したい」 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2020年9月17日閲覧。
- ^ “【皐月賞】1番人気コントレイルが無敗でクラシック制覇 | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2020年9月17日閲覧。
- ^ 2着ヴェルトライゼンデ上がり3F35秒4 メンバー最速に池添「いい伸び、次が楽しみ」 中日スポーツ、2020年9月27日、2020年9月28日閲覧
- ^ “【AJCC】ヴェルトライゼンデがしぶとく脚を伸ばし2着 池添謙「改めて底力を感じました」”. サンスポZBAT!競馬 (2021年1月24日). 2021年11月28日閲覧。
- ^ “日本ダービー3着のヴェルトライゼンデが屈腱炎で長期休養に | 競馬ニュース”. netkeiba.com. 2021年11月28日閲覧。
- ^ “ヴェルトライゼンデが右前屈腱炎発症で長期離脱 | 競馬ニュース” (2021年3月4日). 2022年6月9日閲覧。
- ^ “【鳴尾記念結果】ヴェルトライゼンデが1年4か月ぶりの休養明けを重賞初Vで飾る”. netkeiba (2022年6月4日). 2022年6月9日閲覧。
- ^ “ヴェルトライゼンデの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2022年11月27日閲覧。
- ^ “血統情報:5代血統表|ヴェルトライゼンデ|JBISサーチ(JBIS-Search)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月2日閲覧。
- ^ “ヴェルトライゼンデの血統表”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2020年6月2日閲覧。