ヤマハ吹奏楽団浜松
ヤマハ吹奏楽団浜松(ヤマハすいそうがくだんはままつ、Yamaha Symphonic Band)は、日本のアマチュア吹奏楽団。ヤマハの従業員が参加する職場バンドである。
概要
1961年創部。全日本吹奏楽コンクールには、1966年の初出場を皮切りに2011年現在で36回出場している。成績は1位1回、2位3回、金賞30回、銀賞2回と好成績を残している。招待演奏も3回行っている。また、1970年のグループ表彰制になってから、2002年に行われた第50回全日本吹奏楽コンクールで銀賞を受賞するまで、「出れば金賞」の記録を24と記録している。
1970年から毎年委嘱している。過去には委嘱作品を吹奏楽コンクールの自由曲に使わなかった事もあったが、近年は使っている。これまでに保科洋や田中賢など様々な作曲家がヤマハ浜松のために作品を書いた。
世界的にも名前が知られており、これまでにアメリカや韓国、台湾などで演奏を行っている。「21世紀の吹奏楽 響宴」にも数回参加している他、様々なイベントで演奏を行い、国内外で活躍するバンドである。
ヤマハ硬式野球部が全国大会に出場すればヤマハ吹奏楽団浜松が応援団として応援に行く。
2015年度より、吹奏楽コンクールへの参加と、大都市圏でのコンサート開催を1年おきに計画し、活動を2年周期で展開していく方針であることが発表された[1]。発表文書より、西暦奇数年度には大都市圏でのコンサートを開催し、西暦偶数年度には吹奏楽コンクールへ参加することが読み取ることができる。
歴史
- 1961年 創部。
- 1966年 全日本吹奏楽コンクールに初出場(結果は1位)。
- 1980年 5出5金による招待演奏を行った。
- 1987年 2度目の5出5金による招待演奏を行った。
- 1993年 3度目の5出5金による招待演奏を行った。
- 2003年 「第6回 響宴」に参加。
- 2007年 「第10回 響宴」に参加。
- 2009年 「第12回 響宴」に参加。
常任指揮者
- 初代:原田元吉
- 第二代:森田利明
- 第三代:渡部謙一
- 第四代:河原哲也
- 第五代:須川展也
全国大会での成績
1973年、74年、81年:不出場 1980年、87年、93年:5出5金による招待演奏 1997年、2001年、05年、09年、13年:3出による不出場
年度 | 指揮者 | 課題曲 | 自由曲 | 賞 |
---|---|---|---|---|
1966年 | 原田元吉 | 吹奏楽のための小狂詩曲 大栗裕 |
コラールとカプリチオ シーザー・ジョヴァンニーニ |
1位 |
1967年 | 原田元吉 | 吹奏楽のための「ディヴェルティメント」 兼田敏 |
第3組曲 より マーチ、ロンド ロバート・ジェイガー |
2位 |
1968年 | 原田元吉 | 吹奏楽のための幻想曲「移り気な五度のムード」 塚原晢夫 |
プレリュードとフーガ ヴァーツラフ・ネリベル |
2位 |
1969年 | 高倉正巳 | 吹奏楽のための音詩「南極点への序曲」 岩河三郎 |
フェスティーヴォ ヴァーツラフ・ネリベル |
2位 |
1970年 | 原田元吉 | 音楽祭のプレリュード アルフレッド・リード |
ヤマハ・コンチェルト ヴァーツラフ・ネリベル |
金賞 |
1971年 | 原田元吉 | 行進曲「太陽の下に」 奥村一 |
シンフォニックバンドのための「序曲」 兼田敏 |
金賞 |
1972年 | 原田元吉 | シンフォニック・ファンファーレ 三沢栄一 |
交響的断章 保科洋 |
金賞 |
1975年 | 原田元吉 | 吹奏楽のための練習曲 小林徹 |
吹奏楽のためのカプリス 保科洋 |
金賞 |
1976年 | 原田元吉 | カンティレーナ 保科洋 |
シンフォニックバンドのための「パッサカリア」 兼田敏 |
金賞 |
1977年 | 原田元吉 | 吹奏楽のためのバーレスク 大栗裕 |
吹奏楽のためのカタストロフィ 保科洋 |
金賞 |
1978年 | 原田元吉 | ジュビラーテ ロバート・ジェイガー |
天使ミカエルの嘆き 藤田玄播 |
金賞 |
1979年 | 原田元吉 | フェリスタス 青木進 |
交響的断章 保科洋 |
金賞 |
1982年 | 原田元吉 | 序奏とアレグロ 木下牧子 |
吹奏楽のためのファンタジー 夏田鐘甲 |
金賞 |
1983年 | 原田元吉 | 白鳳狂詩曲 藤掛廣幸 |
フェスティヴァル・ヴァリエーション クロード・トーマス・スミス |
金賞 |
1984年 | 原田元吉 | 変容–断章 池上敏 |
古祀 保科洋 |
金賞 |
1985年 | 森田利明 | ポップ ステップ マーチ 森田一浩 |
シンフォニックバンドのための「Ode」 浦田健次郎 |
金賞 |
1986年 | 森田利明 | 嗚呼! 兼田敏 |
南の空のトーテムポール 田中賢 |
金賞 |
1988年 | 森田利明 | 吹奏楽のための「深層の祭」 三善晃 |
メトセラII 打楽器群と吹奏楽のために 田中賢 |
金賞 |
1989年 | 森田利明 | WISH for wind orchestra 田嶋勉 |
始原I–大地の踊り– 田中賢 |
金賞 |
1990年 | 森田利明 | 吹奏楽のための「風の黙示録」 名取吾朗 |
エオリア–吹奏楽のために 田中賢 |
金賞 |
1991年 | 森田利明 | 吹奏楽のための「斜影の遺跡」 河出智希 |
南の空のトーテムポールII"リラ" 田中賢 |
金賞 |
1992年 | 森田利明 | ゆかいな仲間の行進曲 坂本智 |
紅炎の鳥 田中賢 |
金賞 |
1994年 | 森田利明 | 饗応夫人 太宰治作「饗応夫人」のための音楽 田村文生 |
組曲「スペイン」より VI.アラゴン イサーク・アルベニス(塩崎美幸) |
金賞 |
1995年 | 森田利明 | 第1行進曲「ジャンダルム」 高島豊 |
かわいい女 田村文生 |
金賞 |
1996年 | 森田利明 | 交響的譚詩〜吹奏楽のための 露木正登 |
色彩交響曲より II. アーサー・ブリス(塩崎美幸) |
金賞 |
1998年 | 渡部謙一 | 稲穂の波 福島弘和 |
環状列石より (環状列石II) 菅野由弘 |
金賞 |
1999年 | 渡部謙一 | 行進曲「K点を越えて」 高橋伸哉 |
アルプスの少女より 抜粋 田村文生 |
金賞 |
2000年 | 河原哲也 | 胎動の時代–吹奏楽のために 池辺晋一郎 |
波の穂 長生淳 |
金賞 |
2002年 | 河原哲也 | 吹奏楽のためのラメント 高昌帥 |
翠風の光より II、IV 長生淳 |
銀賞 |
2003年 | 河原哲也 | ウィナーズ–吹奏楽のための行進曲 諏訪雅彦 |
楓葉の舞 長生淳 |
金賞 |
2004年 | 河原哲也 | 祈りの旅 北爪道夫 |
蒼天の滴 長生淳 |
金賞 |
2006年 | 堺武弥 | パルセイション 木下牧子 |
すべての答え 清水大輔 |
銀賞 |
2007年 | 須川展也 | 憧れの街 南俊明 |
幸いの龍 長生淳 |
金賞 |
2008年 | 須川展也 | ブライアンの休日 内藤淳一 |
シング・ウィズ・シンセリティー 長生淳 |
金賞 |
2010年 | 須川展也 | 吹奏楽のためのスケルツォ 第2番 ≪夏≫ 鹿野草平 |
復興 保科洋 |
金賞 |
2011年 | 須川展也 | 「薔薇戦争」より 戦場にて 山口哲人 |
氷結の花 —吹奏楽のための 中橋愛生 |
金賞 |
2012年 | 須川展也 | 香り立つ刹那 長生淳 |
エッセイ 高昌帥 |
金賞 |
2014年 | 須川展也 | きみは林檎の樹を植える 谷地村博人 |
アイ・ガット・リズム変奏曲 ジョージ・ガーシュウィン(中橋愛生) |
金賞 |
CD
過去の全日本吹奏楽コンクールでのヤマハ浜松の演奏を集めたCD『レジェンダリーV「ヤマハ吹奏楽団浜松」』がブレーンから出されている。また、その他にも多数の録音に参加し、CDが出ている。
備考
「ヤマハ吹奏楽団浜松」に対して同じ職場バンドの「ヤマハ吹奏楽団東京」というのがあったが、1995年に行われた第43回全日本吹奏楽コンクールを最後に全日本吹奏楽コンクールから姿を消している。また、その他にも一般バンドでヤマハの名前が使われているバンドが存在する。
脚注
- ^ ヤマハ吹奏楽団の今後の活動についてのお知らせ - ヤマハ吹奏楽団