マーキュリー・グランドマーキー

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グランド マーキーGrand Marquis)は、フォードが製造、マーキュリーブランドで販売していた自動車である。

歴代モデル

初代(1979–1991年)

グランド マーキー
概要
販売期間 1979 - 1991年
ボディ
乗車定員 セダン:6人
ワゴン:8人
ボディタイプ 4ドアセダン
5ドアワゴン
2ドアクーペ
駆動方式 FR
パワートレイン
エンジン 5.0リッター5.8リッター
変速機 4AT
前:ダブルウィッシュボーン+コイルスプリング
後:4リンクリジッド+コイルスプリング
前:ダブルウィッシュボーン+コイルスプリング
後:4リンクリジッド+コイルスプリング
車両寸法
ホイールベース 2,903 mm
全長 5,340 mm
全幅 1,970 mm
その他
姉妹車 フォード・クラウンビクトリア
リンカーン・タウンカー
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「マーキー」の名は1967年から1968年まで、6代目マーキュリー・モントレーの2ドアハードトップで「グランド・マーキー・パッケージ」として使われ、1975年には「マーキー」と「マーキー・ブロアム」の1バージョンに格上げされた。

その後、1979年に「マーキュリー・マーキー」として独立した車名での販売が開始された。同じパンサー・プラットフォームを使用するフォードの最上級車種のフォード・LTD(英語版)のさらに上級版のマーキュリーバージョンとして位置づけられ、また同時にマーキュリー・ディビジョンの最高級車種となった。

グレードはベースとなるマーキーと、上級版のブロアム、そして1983年にマーキーの名が下位モデルにそのまま移された後にモデルネームとなる最上級のグランドマーキー、そしてステーションワゴンのコロニーパークの計4グレードが用意された。なお1983年以降はグランドマーキーがベースグレードとなり、その上に最上級グレードとしてLSが用意されることとなり、1987年以降はベースグレードとしてGSが用意されることとなった。

ボディバリエーションは4ドアセダン、5ドアステーションワゴンのコロニーパーク、2ドアクーペの3タイプで、乗車定員は車体形状によって異なり、セダンとクーペはフロントベンチシートの6人、ワゴンはそれに荷室の補助席を加えた8人である。メキシコではディーラーオプションとしてストレッチ・リムジンも用意された。当時の他のフルサイズのアメリカ車同様に、アメリカ国内市場及びメキシコ、カナダ市場が優先されたために、左ハンドルモデルのみが用意された。

シャシペリメーターフレーム、サスペンションは、前輪がダブルウィッシュボーン+コイルスプリングの独立懸架、後輪が4リンク+コイルスプリングの車軸懸架である。駆動方式は、当時のアメリカの多くのフルサイズ車同様FRのみとされ、エンジンは5.0リッター5.8リッターが用意され、1981年4.2リッターが追加された。なお、1982年以降は5.8リッターはパトカー専用となった。トランスミッションコラムシフトの4速ATのみである。

1988年にフェイスリフトやバンパー形式の変更などを中心としたマイナーチェンジが行われ、同時に販売が低迷していた2ドアクーペが廃止された。1990年エアバッグが標準装備された。

モデルライフを通じて年間10万台から15万台を売り上げるヒット作となったこともあり、1回のマイナーチェンジをはさんだのみで12年に渡り生産が続けられたが、1991年に生産が終了し、翌年に2代目へと進化した。なお生産は、ミズーリ州セントルイス工場とカナダのオンタリオ州のセント・トーマス工場、メキシコのエルモシージョ工場で行われ、日本サウジアラビアなどへも輸出された。

2代目(1992-1997年)

グランド マーキー
概要
販売期間 1992-1997年
ボディ
乗車定員 セダン6人
ボディタイプ 4ドアセダン
駆動方式 FR
パワートレイン
エンジン 4.6L V8
変速機 4AT
車両寸法
ホイールベース 2,905mm
全長 5,395mm(1992-1994)
5,380mm(1995-1997)
全幅 1,975mm(1992-1994)
1,980mm(1995-1997)
全高 1,445mm
その他
姉妹車 フォード・クラウンビクトリア
リンカーン・タウンカー
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1992年に2代目が登場。パンサー・プラットフォームは初代を踏襲したものの、サスペンションセッティングの変更を行った上に、新たにV8のモジュール・エンジンを搭載し燃費効率を向上したほか、セーブルやクーガー、トパーズなどの当時の他のマーキュリー・ディビジョンのモデルと同様に、空力を意識したデザインとなった。

初代と同じく、フォードの最上級車種であるクラウンビクトリアのマーキュリーバージョンとして、引き続きマーキュリー・ディビジョンの最高級車種に位置付けられた。

バリエーションは初代の販売台数のほとんどを占めた4ドアセダンのみとなり、初代に設定された5ドアステーションワゴンのコロニーパークと2ドアクーペは用意されなかった。乗車定員は6人である。グレードはベースとなるグランド・マーキーと上級版のLSが用意され、メキシコでは初代に続いてディーラーオプションとしてストレッチ・リムジンも用意された。

エンジンは新たに燃費効率を向上させたV8OHVの4,600ccが用意された。トランスミッションはコラムシフトの4速ATのみ。初代モデルと同じく左ハンドルモデルのみが用意された。

1995年にフェイスリフトを中心としたマイナーチェンジが行われ、ダッシュボードを中心とした内装デザインが更新されたほか、新たに電子制御トランスミッションが搭載された。生産はカナダのオンタリオ州のセント・トーマス工場のみで行われた。1997年に販売終了し3代目へと進化した。

3代目(1997-2003年)

グランド マーキー
概要
販売期間 1997-2003年
ボディ
乗車定員 セダン6人
ボディタイプ セダン
駆動方式 FR
パワートレイン
エンジン 4.6L V8
変速機 4AT
車両寸法
ホイールベース 2,915 mm
全長 5,380 mm
全幅 1,985 mm
全高 1,445 mm
その他
姉妹車 フォード・クラウンビクトリア
リンカーン・タウンカー
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1997年にモデルチェンジが行われた。パワートレインドライブトレインは先代を踏襲し、外装と内装をマイナーチェンジしたのが主な変更点。内装のデザイン変更が行われたほか、外装ではフロントマスクの変更が行われた。

最大のライバル車種であったシボレー・カプリス1996年に生産中止となり、リンカーン・タウンカーキャデラック・フリートウッドのような最高級車種を除くと、本車種と姉妹車フォード・クラウンビクトリアが事実上最後のアメリカ製フルサイズFR車となった。

4代目(2003-2010年)

グランド マーキー
概要
販売期間 2003-2010年
ボディ
乗車定員 セダン6人
ボディタイプ 4ドアセダン
駆動方式 FR
パワートレイン
エンジン 4.6L V8
変速機 4速AT
車両寸法
ホイールベース 2,915mm
全長 5,380mm
全幅 1,985mm
全高 1,445mm
その他
姉妹車 フォード・クラウンビクトリア
リンカーン・タウンカー
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2003年にモデルチェンジ。先代と同様、事実上のマイナーチェンジである。内装の一部変更が行われたほか、外装ではフロントマスクやテールエンドのデザイン変更が行われた。

2005年に装備の一部変更および追加が行われたほか、2007年には、内装トリムの変更と装備の追加を行ったパームビーチパッケージが販売された。

2011年にカナダ・オンタリオ州のセント・トーマス工場が閉鎖されることが発表された。さらに、2010年をもってマーキュリーブランドの廃止が決定したため、2011年1月4日午前7時46分にレンタカー会社向けのグランドマーキー・アルティメート・エディション(ホワイト)がマーキュリー・ブランドの最終生産車として、セント・トーマス工場を後にし生産を終了した。[1]

脚注

関連項目

外部リンク