ビクトリーラン

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ビクトリーラン
栄光の13,000キロ
ジャンル レースゲーム
対応機種 PCエンジン (PCE)
開発元 ハドソン
発売元 日本 ハドソン
アメリカ合衆国 NEC-HE
ディレクター 菊田昌昭
プログラマー 城近尚登
小坂恭洋
音楽 国本剛章
美術 松浦浩司
太田宏之
野中和彦
人数 1人
メディア 2メガビットHuCARD[1]
発売日 日本 198712281987年12月28日
アメリカ合衆国 1989年
対象年齢 日本 CEROA(全年齢対象)
アメリカ合衆国 ESRBE(6歳以上)
ヨーロッパ PEGI3
その他 型式:日本 HC62003
アメリカ合衆国 TGX020002
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ビクトリーラン』は、1987年12月28日に日本のハドソンから発売されたPCエンジンレースゲーム。「栄光の13,000キロ」というサブタイトルが付けられている。

ダカール・ラリーをモチーフとした、PCエンジン初のレースゲームである。単純なレースゲームではなく、走行状態によって車体のパーツが疲弊するために走行コースを見越して交換パーツを用意するなどの戦略的要素を特徴としている。

開発はハドソンが行い、ディレクターはファミリーコンピュータ用ソフト『ドラえもん』(1986年)を手掛けた菊田昌昭が担当し、音楽はファミリーコンピュータ用ソフト『チャレンジャー』(1985年)や『スターソルジャー』(1986年)を手掛けた国本剛章が担当している。

2004年携帯電話ゲームとしてiアプリ版、2005年EZアプリ版が配信され、2010年4月21日にはPCエンジンアーカイブスPSPPS3)で、2014年9月17日にはWii Uのバーチャルコンソールで配信されたほか、2010年12月20日発売の『PC Engine GameBox』(iOS)にも収録されている。また、クラウドゲームとして2013年6月3日よりひかりTVゲームで、2013年6月20日よりG-clusterでも取り扱っている。

ゲーム内容

システム

全8コースのスペシャルステージ(以下SS)を走破するとゲームクリアとなる。各SSに設定された規定タイム+許容タイム(持ち時間)以内ゴールできるとステージクリアとなり次のSSへ進む事ができる。許容タイム(持ち時間)はゲーム開始時に1分あり、各SSの規定タイムより早くゴールすると差分タイムがプラスされていくが、SS規定タイムを超えるとマイナスされていき、0秒になった時点でゲームオーバーとなる。全体的に難易度はかなり高めである。

プレイヤーカー

  • プレイヤーカーはポルシェ・959風(開発時はプレイヤーカーがパジェロ風であったが、製品版で現在の車に変更された。プレイヤーカーがパッケージの絵と異なるのは開発中の名残である)。
  • トランスミッションはノンシンクロの4速のMT。
  • 最高速度は239km/h。

パーツ

タイヤ、ギア、エンジン、サスペンション、ブレーキの5種類あり走行により消耗する。画面上に各パーツのアイコン表示があり、消耗度に応じて青→緑→黄→赤の順に変わる。ゲームスタート時に各パーツの合計が最大20個まで割り振ることが可能で、SSとSS間で消耗したパーツを任意で交換する事ができる。

  • タイヤ 
コーナーでタイヤを滑らせすぎると消耗する。グリップが低下し曲がりにくくなる。
  • ギア 
ギアチェンジを頻繁に行なうと消耗する。アイコンが緑:4速 黄:3速以上 赤:2速以上がそれぞれ入らなくなる。
  • エンジン 
高回転で走り続けると消耗する。最高速度が落ちる。
  • サスペンション 
ジャンプすると消耗する。ステアリングの反応が鈍くなる。
  • ブレーキ 
ブレーキを使いすぎると消耗する。効きが悪くなる。

ライバル車

特定のライバルは存在しないが、コース上をスポーツカー・トラック・ジープ・オフロードバイクなどが走行しており、接触すると自車がスピン又はクラッシュする。

障害物

  • 石 
コース上に点在し、乗り上げるとジャンプし、接触すると速度が落ちる。
  • 泥 
コース上に点在し、乗り上げるとスリップする。コーナリング中に乗り上げるとコントロールを失う。
  • 木・岩・標識・サイロなど
コース脇に点在し、接触すると停車又はクラッシュする。
  • 起伏
一定以上の速度で通過するとジャンプし速度が落ちる。ジャンプする速度はコースにより異なる。

その他

  • ゲーム内の時間経過に応じて朝・昼・夕方・夜の4パターンのグラフィックに変化する。
  • デモ画面でブレーキボタンを押すとブレーキランプが点灯する。また停止中にギア操作をするとギアチェンジの効果音が出る

コース

路面の違いにより3種類に分類する事が出来る。

  • 舗装路 SS_1・2・4・7
速度が最も出るコースで路面μが高いため難易度は一番低い。起伏でジャンプする速度は220km/h以上。
  • ダート(砂漠) SS_3・5・8
速度が最も出ないコースで路面μが低いため難易度が高い。特にSS_5では1速20km/h以上で走行するとスタックする。起伏でジャンプする速度は150km/h以上。
  • ブッシュ(草原) SS_6
全コース中1コースしかない。速度はダートコースより出るが路面μが低く、障害物の多さも加わり最も難易度が高いコースである。起伏でジャンプする速度は170km/h以上。

移植版

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 備考
1 ビクトリーラン 日本 2004年6月21日[2][3][4]
505i/iSFOMA900iシリーズ
iアプリ
ハドソン ハドソン ダウンロード
(着信☆あぷり♪)
-
2 ビクトリーラン 日本 2005年12月22日[5]
BREW対応機種
EZアプリ
ハドソン ハドソン ダウンロード
(着信☆あぷり♪)
-
3 ビクトリーラン 日本 200612022006年12月2日
アメリカ合衆国 200612042006年12月4日
ヨーロッパ 200612082006年12月8日
Wii ハドソン ハドソン ダウンロード
バーチャルコンソール
日本 PAFJ
アメリカ合衆国 PAFE
ヨーロッパ PAFP
2019年1月31日配信・販売終了
4 ビクトリーラン 日本 201004212010年4月21日
アメリカ合衆国 201106032011年6月3日
PlayStation 3
PlayStation Portable
(PlayStation Network)
ハドソン ハドソン ダウンロード
PCエンジンアーカイブス
日本 NPJJ-30036
5 PC Engine GameBox INT 2010年12月20日[6]
iPhone
iPod Touch
(iOS)
ハドソン ハドソン ダウンロード 406585960
6 ビクトリーラン 日本 2014年9月17日[7]
アメリカ合衆国 201706272017年6月27日
Wii U ハドソン KDE ダウンロード
(バーチャルコンソール)
日本 PNRJ
7 VICTORY RUN 日本 202003192020年3月19日
アメリカ合衆国 202003192020年3月19日
ヨーロッパ 202003192020年3月19日
日本 PCエンジン mini
アメリカ合衆国 TurboGrafx-16 mini
ヨーロッパ PC Engine CoreGrafx mini
M2
※移植開発担当
KDE
※ 本体の販売元
プリインストール 本体にあらかじめ収録された約50作の一つ
(販売地域を問わず北米版を収録)

音楽

全5曲でゲーム中に使用されているBGMは4曲、未使用曲1曲。作曲は国本剛章サウンドトラック「LEGEND OF GAME MUSIC ~CONSUMER BOX~」に収録されており、以下は収録時の曲名と使用されている場面。

  • マップ  パーツセレクト時・エンディング
  • BGM1  SS_1・4・7
  • BGM2  デモ画面 SS_2・6・8
  • BGM3  SS_3・5
  • BGM4  未使用曲

スタッフ

  • ディレクター:菊田昌昭
  • プログラム:城近尚登、小坂恭洋
  • グラフィック:松浦浩司、太田宏之、野中和彦
  • 音楽:国本剛章

評価

評価
レビュー結果
媒体結果
エレクトロニック・ゲーミング・マンスリー29/40点 (PCE)[8]
Eurogamer1/5stars (Wii)[9]
IGN6.5/10点 (Wii)[9]
NintendoLife5/10stars (Wii)[9]
PC Engine FAN15.48/30点 (PCE)[1]
(総合482位)
PCエンジン完全ガイド肯定的[10]
  • ゲーム誌『PC Engine FAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通り15.48点(満30点)となっている[1]。また、この得点はPCエンジン全ソフトの中で482位(485本中、1993年時点)となっている。
項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 2.76 2.93 2.55 2.39 2.51 2.35 15.48
  • ゲーム本『懐かしゲーム機大百科 PCエンジン完全ガイド 1987-1999』では、走行状態によってパーツが疲弊するためスタート時にどの交換パーツを準備するべきか考察する必要がある戦略性や、アップダウンの激しい道や砂漠のようなオフロードなどコースが多彩な事、朝と夜で変化する風景などの演出面に関して「他のレースゲームとは一線を画していた」と称賛した[10]

脚注

  1. ^ a b c 「10月号特別付録 PCエンジンオールカタログ'93」『PC Engine FAN』第6巻第10号、徳間書店、1993年10月1日、111頁。 
  2. ^ iモードでパリ・ダカ挑戦!「ビクトリーラン」配信” (日本語). SOFTBANK GAMES NEWS INDEX. ITmedia (2004年6月21日). 2019年6月6日閲覧。
  3. ^ 太田亮三 (2004年6月21日). “iモード向け「PCエンジンコーナー」に「ビクトリーラン」” (日本語). ケータイ Watch. インプレス. 2019年6月6日閲覧。
  4. ^ 滝沢修 (2004年6月21日). “ハドソン、iモード「PCエンジンコーナー」第3弾 レースゲーム「ビクトリーラン」を配信” (日本語). GAME Watch. インプレス. 2019年6月6日閲覧。
  5. ^ ハドソン携帯電話用コンテンツ” (日本語). ハドソン公式サイト. ハドソン. 2005年12月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年12月29日閲覧。
  6. ^ 中野信二 (2010年12月20日). “ハドソン、iPhone/iPod touch「PC Engine GameBox」。PCエンジンの往年の名作16タイトルを収録したゲームパック” (日本語). GAME Watch. インプレス. 2019年6月6日閲覧。
  7. ^ 津久井箇人 a.k.a. そそそ (2014年9月10日). “Wii Uバーチャルコンソール9月17日配信タイトル ― 『イー・アル・カンフー』『ロードランナー』『ビクトリーラン』『スーパーマリオボール』の4本”. iNSIDE. イード. 2019年6月6日閲覧。
  8. ^ Victory Run for TurboGrafx-16 (1987)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年4月14日閲覧。
  9. ^ a b c Victory Run for Wii (2006)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年4月14日閲覧。
  10. ^ a b 「PCエンジンソフト完全カタログ 1987年」『懐かしゲーム機大百科 PCエンジン完全ガイド 1987-1999』スタンダーズ、2018年6月15日、31頁。ISBN 9784866362670 

外部リンク