バーチャファイター
ジャンル | 対戦型格闘ゲーム |
---|---|
対応機種 |
アーケードゲーム[AC] セガサターン[SS] スーパー32X[32X] |
開発元 | セガ・AM2研(後のセガ・インタラクティブ第二研究開発本部) |
発売元 |
[AC]:セガ(後のセガ・インタラクティブ) [SS][32X]:セガ(後のセガゲームス) |
シリーズ | バーチャファイターシリーズ |
人数 | 1人~2人(対戦) |
メディア |
[SS]:CD-ROM [32X]:ロムカセット |
発売日 |
[AC]:1993年12月 [SS]:1994年11月22日 [32X]:1995年10月20日 |
システム基板 | [AC]:MODEL1 |
『バーチャファイター』(Virtua Fighter)は、セガ(後のセガ・インタラクティブ)が1993年に稼動した対戦型格闘ゲーム。バーチャファイターシリーズの第1作である。開発はAM2研。
リメイク版にあたる『バーチャファイターリミックス』についても後述する。
概要
1993年12月、当時としては最先端であった3DCGアーケード基板「MODEL1」により世界初の3D格闘ゲーム、『バーチャファイター』がリリースされる。3DCGにおいてはまだ人型のスムーズなアクションさえ珍しかった状況で、2体の人型が格闘をくり広げる映像は、人々の度肝を抜いた。開発トップの鈴木裕も「(グラフィックに関しては)当時は『ストリートファイターII』とよく比較された。ノンテクスチャーで、どうやって対抗するの?といろいろな人から言われた覚えがあります」と語る[1]。そして「位置関係やパースの正確さ」、モーションの動きで魅力を引き出すという方法で既存の2D対戦格闘ゲームとの差別化を計ることにしたという[1]。
それまでの格闘ゲームではボタンがパンチとキックを弱・中・強(またはそれに近い形に)に振り分けられていたが、1レバーとパンチ、キック、ガードというシンプルなボタンレイアウトを採用したことが特長だった[2]。これにより打撃・投げ・ガードのシンプルな三すくみの攻防を確立しつつ、駆け引きの奥深さも両立し評価を得ることができた[2]。
リリース当初は、当時の流行の2D対戦格闘ゲームたちの中に埋もれる形で人気が出るまで時間がかかった[2]。パブリシティ戦略によりゲームの情報がメーカー側から明かされることはなく、メディア展開もあまりなく情報が皆無という状況であったが、ニフティサーブなどのパソコン通信や、ファミコン通信(後の「週刊ファミ通」)などのゲーム雑誌を介して攻略やその他情報交換が行われるようになり、それらふたつのコミュニティがある日「新宿ジャッキー」(パソコン通信上の架空の強者の存在と現実でのファミ通編集者による対戦での98人抜きの記事)という存在をきっかけにひとつに交わり知名度を上げて行く[2]。1994年4月29日、国立代々木競技場周辺で行われていた「ライブ UFO」にてセガによる公式全国大会「バーチャファイター トーナメント大会」も催され[3]、1994年11月22日にはセガサターンへの移植版がローンチタイトルとして発売された[3] 。
セガサターン版は、ファミ通クロスレビューで36点(プラチナ殿堂入り)を取るなど高く評価され、また1995年度サタマガグランプリ最優秀作品賞を受賞するなどセガファンの絶大な支持を受け、セガサターン初期のキラーソフトとしての役割を果たした。販売本数はセガサターンマガジンの推計で71万1806本。
スーパー32X版は、日本市場におけるスーパー32X最後のソフトとなった。サターン版とは比較にならないもののスーパー32Xのスペックを考えると驚異的な移植度と、サターン版のようなロード時間が存在しないことから、ファミ通クロスレビューで30点を取るなど評価はそれほど悪くない。なお、当初スーパー32X版スペースハリアーなどを開発したゲームのるつぼに移植の依頼が持ち込まれたが、移植の難しさから断り、後でその出来を見て驚いたという逸話がある。
- アーケード版:1993年12月稼働開始[3]
- セガサターン版:1994年11月22日発売[3]
- スーパー32X版:1995年10月20日発売[3]
- Microsoft Windows版:1996年6月26日
ゲームシステム
レバーと、P(パンチ)・K(キック)・G(ガード)の3ボタンを組み合わせて技のコマンドを入力する。
登場キャラクター
使用可能キャラクターは以下の8人。
- 結城晶(ゆうき あきら)
- パイ・チェン
- ラウ・チェン
- ウルフ・ホークフィールド
- ジェフリー・マクワイルド
- 影丸(かげまる)
- サラ・ブライアント
- ジャッキー・ブライアント
これに加え、最終ボスキャラクター・デュラルが登場する。
ストーリー
昭和の時代、軍は清朝最後の皇帝を利用しようと彼に近づくも八極拳を使う彼の親衛隊の前に敗れた。軍は、最強の歩兵部隊を造り出すため、この八極拳の極意を基に究極の武術を完成したと伝えられている。
それからおよそ半世紀、八極拳を使う1人の若者が、自分の腕を試すべく武者修行の旅へと出る。彼の名は結城晶。これより、世紀末格闘伝説が始まる。
「世界格闘トーナメント」。それは、世界中から集まったあらゆる格闘家が、己の肉体だけで死闘を繰り広げ、世界一の格闘王を決める究極の武闘大会である。果たして最強は誰なのか。
バーチャファイターリミックス
ジャンル | 対戦型格闘ゲーム |
---|---|
対応機種 |
アーケードゲーム[AC] セガサターン[SS] |
開発元 | セガ・第1AM研究開発部(後のセガワウ[3]) |
発売元 |
[AC]:セガ(後のセガ・インタラクティブ) [SS]:セガ(後のセガゲームス) |
シリーズ | バーチャファイターシリーズ |
人数 | 1人~2人(対戦) |
メディア | [SS]:CD-ROM |
発売日 |
[AC]:1995年6月 [SS同梱版]:1995年6月16日 [SS単体版]1995年7月14日 |
システム基板 | [AC]:ST-V |
『バーチャファイターリミックス』(Virtua Fighter Remix)は、VF1のグラフィックをリニューアルしたリメイク版。セガサターン互換アーケード基板「ST-V」で1995年6月にリリースされた[3]。その後セガサターン版も製作され、同年6月16日に「セガサターン百万台キャンペーンボックス」という名称で本体と同梱で発売された。同年7月14日には単体版も発売された[3]。
この作品は主にST-Vのシェアを拡大すべく開発されたもので、初代のゲーム内容そのままに、キャラクターにテクスチャマッピングを施しグラフィックを強化したものとなっている。セガサターン版VF1を元に開発されたが、カメラアングルの調整やリングにBG面を使用するなどし、ポリゴン欠けが解消されている。1996年7月にセガサターン用通信モデムが発売され、この作品の通信対応版が同梱された。XBANDのシステムを使用し、当時としては非常に画期的だった通信対戦を楽しむことができた。なお、パッケージとキャラクター選択画面のイラストは、寺田克也による物である。
脚注
- ^ a b VIRTUA FIGHTER 10th ANNIVERSARY 〜Memory of Decade〜 P02 「『バーチャファイター』10周年に寄せて」 (2003年、エンターブレイン ISBN 4-7577-1660-5 )
- ^ a b c d VIRTUA FIGHTER 10th ANNIVERSARY 〜Memory of Decade〜 P04 - P13「VIRTUA FIGHTER」
- ^ a b c d e f g h i j VIRTUA FIGHTER 10th ANNIVERSARY 〜Memory of Decade〜 P46 - 47 「VIRTUA FIGHTER CHORONICLE」