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バッドボーイズ (1995年の映画)

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バッドボーイズ
Bad Boys
監督 マイケル・ベイ
脚本 マイケル・バリー
ジム・マルホランド
ダグ・リチャードソン
製作 ドン・シンプソン
ジェリー・ブラッカイマー
製作総指揮 ルーカス・フォスター
ブルース・S・パスティン
出演者 ウィル・スミス
マーティン・ローレンス
音楽 マイク・マンシーナ
撮影 ハワード・アサートン
編集 クリスチャン・ワグナー
配給 コロンビア映画
公開 1995年4月7日 アメリカ合衆国の旗
1995年11月18日 日本の旗
上映時間 118分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $23,000,000
興行収入 $141,407,024[1]
次作 バッドボーイズ2バッド
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バッドボーイズ』(Bad Boys)は 1995年アメリカ映画で、アクション・コメディ。

それまでCMディレクターとして活躍していたマイケル・ベイ映画監督デビュー作である。ウィル・スミスマーティン・ローレンスが主役を演じた。この作品は2003年に『バッドボーイズ2バッド』という題名(邦題)で続編が作られている。

マイアミ市警で働く二人の黒人刑事の活躍を描く、いわゆる「バディもの」である。

ストーリー自体はありがちだが、この監督の独特の撮影手法が映像にキレを持たせている秀作で、ウィルとマーティンの2ショットを螺旋状に旋回しながら映す映像と本編終盤の空港での銃撃戦からカーチェイスまでのシーンは作中で一躍有名になっている。

ストーリー

マイアミ署で押収されていた1億ドル相当のヘロインが何者かによって盗まれる。麻薬特捜班のハワード警部は外部に事態が漏れる72時間以内に盗まれたヘロインを再び押収するよう部下のマーカスとマイクに捜査を命じた。一方でマイアミ署からヘロインを盗み出したフーシェ率いる組織を目撃した事で追われる身となったジュリーは友人を通して知ったマイクの自宅に逃げ込み、そこにたまたまマーカスがやって来たために彼をマイクと誤って認識して助けを求めてしまう。翌日、ジュリーの事情を知ったハワードは彼女を最重要人物としてマーカスとマイクを互いの振りをさせながら彼女を保護し、同時に事件の収拾にあたらせるというとんでもない発想を思いついてしまった。
その後、互いが互いの振りをしながら捜査する事になってしまったマーカスとマイクだが、事件から3日目、遂にジュリーの居場所がフーシェにばれてしまい銃撃戦の末に彼女は拉致されてしまう。

登場人物

マーカス・バーネット
本作の主人公でマイアミ警察の腕利き警察でマイクとは「BADBOYS」としてタッグを組んでいる。家族主義で争いを人一倍嫌っている為、直情的なマイクとは度々衝突する事があるが、パートナーシップは抜群である。事件初日の夜、マイクの自宅を訪れた為にジュリーにマイクと誤解されてしまい、上司のハワード警部の命令でマイクの振りをする羽目になる。今作では基本的に車の運転を任されているが少々下手。事件3日目に妻のテレサに事情を説明していなかったことからジュリーを浮気相手と誤解され、離婚を迫られた(直後にホテルのロビーで銃撃戦になった事で疑惑が晴れる)。
マイク・ラーリー
本作の主人公でマイアミ警察の腕利き刑事でマーカスとは「BADBOYS」としてタッグを組んでいる。マーカスとは正反対にプレイボーイで直情的かつ好戦的な性格で、基本的に彼の暴走が原因で事態が悪化してしまう。また、マーカスとの正反対な性格から度々衝突するがパートナーシップは抜群である。事件初日の夜にマーカスがジュリーにマイクと間違われた事がきっかけで、マーカスの振りをする事になる。マーカスの一家とも仲が良いが、自身の家族は幼いころに自分を残して全員他界している(その為、父親の財産を引き継いでいる為、マーカスと違い金持ち)。銃の腕も自他共に認めるほどで、100m以上離れたところから逃げるフーシェの足を撃ち抜いている。
ジュリー・モット
本作のメインヒロイン。事件に巻き込まれる前はどこにでもいた民間人だったが、ヘロイン盗難が起きた翌日の夜に、マイアミ署から盗んだヘロインの1袋を失敬したフーシェの協力者(元マイアミ市警)と、もう一人の女性の友人がフーシェに殺害されたのを目撃したことでフーシェ一味に追われる身となってしまい、殺害された協力者から知ったマイクの自宅に逃げ込んだ。そして、たまたまマイクの自宅にやって来たマーカスをマイクと誤認し、そのままマイクと思い込んで助けを求めてしまう。非常に思いこみが激しい性格で、自身がいるだけで必ず銃撃戦やハプニングが起こるとマーカスに言われてしまう程、あたりかまわず場をひっかきまわす困った人である。事件から3日目、マイクとマーカスが互いの振りをしている事を知り、信用できなくなったと言ってマイクの自宅のあるホテルから飛び出そうとして、自身の居場所を知ったフーシェら一味に拉致されてしまう。ペットとしてネコを1匹飼っている。
フーシェ
マイアミを拠点にしている麻薬シンジゲートの密売人。取引相手にヘロインを売りさばいているが、アメリカから亡命する為に自身が取引相手に売るはずだった1億ドル相当のヘロインをマイアミ署に押収された為に署内の構造に詳しかった元マイアミ市警(ジュリーの友人)の協力を得て強奪計画を実行した。しかし、強奪したヘロインを1袋失敬しようとした協力者の元マイアミ市警(同時に居合わせていたジュリーの女性友人)を殺害したところをジュリーに目撃され、証拠隠滅の為にジュリーを殺害しようと彼女を追いまわす。マイアミ港に停泊している偽装タンカーで麻薬の製法に詳しい大学生を使ってヘロインを製造していた。用済みになったり、役に立たなくなった仲間は躊躇することなく殺害するほど冷酷な性格の持ち主。護身銃として4連銃口のデリンジャーを隠し持っている。
ハワード警部
マーカスとマイクの上司でマイアミ市警麻薬取締班班長。事件発生以前から内部調査班や幹部会にマイアミ警察署の規模縮小の圧力をかけられていることに頭を抱えていた。また、今回の事件で事情が外部に漏れた場合、麻薬取締班を解体すると迫られた為、1億ドル相当のヘロイン押収を成功して見せたマーカスとマイクにヘロインの奪還及び犯人グループ全員逮捕の名を降した。ジュリーがフーシェ一味を目撃した事を知り、ジュリーを重要参考人としてマーカスとマイクに互いを互いがなりすまして保護し、捜査させるという妙案を打ち立てた。ジュリーが拉致された直後に強行手段を持ってジュリーを奪還するというマーカスとマイクを制止しようとする。しかし一方で、救助に向かった2人を支援する為に自身の警察としての全てを賭けてマイアミの特殊警察部隊を派遣させるなど、2人に対して献身的な行動をとった。
ジョジョ
作中以前にマーカスとマイクに逮捕された過去を持つ元麻薬ブローカー。作中ではあらゆる犯罪から足を洗い、自ら開業したタイヤホイールショップで働いているが、未だにマイアミ州内の全ての麻薬密売ルート及び麻薬製造者・ブローカーの最新情報を持っている(その為、未だに犯罪に手を染めているとマーカスとマイクから疑われている)。その為、度々密告屋としての役割を持っているが、何故か知らないと言いふらし続けている。作中序盤と中盤に登場し、フーシェにヘロイン製造の協力をしている大学生の情報を2人に提供し、フーシェのアジトとなっている偽装タンカーの場所も教えた(その際、マイクに眉間に銃を突きつけられ、マーカスの口車に乗せられていた)。
フレッチャー
作中以前にマイアミ警察署のネットワークをハッキングした為にマイアミの拘置所に入れられていた身長200cm代の黒人。視力が悪く、分厚いレンズの眼鏡をしている。ジュリーが拉致された後、署内に内通者がいると推測したマイクたちに協力の要請を受け、模範囚としての釈放と引き換えに協力しフーシェの内通者のあぶり出しに成功した。
因みに続編ではこの功績が称えられ、マイアミ市警の科学分析班の所員となり2人に協力している。

放映後の影響

マイケル・ベイ
監督のマイケル・ベイはこの作品で一躍有名になり、ハリウッドの有名監督として名を連ねることになり、「トランスフォーマー」でスティーブン・スピルバーグとタッグを組むまでの数年間、自身の全ての監督作をジェリー・ブラッカイマードン・シンプソン(ドンとは「ザ・ロック」製作中に死別)のトリオで「ザ・ロック」や「アルマゲドン」などを手掛けていくことになる。
ウィル・スミスとマーティン・ローレンス
バッドボーイズで主演するまでの2人は共にコメディ色の強い役を演じてばかりだった為、この作品をきっかけに俳優としてのファンからのイメージが一変したという。特に放映後のウィルの場合はお茶らけキャラのイメージからこの作品を皮きりにファンからはクールガイとしてのキャラのイメージに一変しその後の主演作品でも終始クールな役を演じるようになったという。

エピソード

バッドボーイズのエピソードは続編の「2バッド」のメイキングで話されていた。

  • マイケル自身がバッドボーイズの全シナリオを手掛け、最初に完成した原稿案をジェリーとドンに提出したところ、恐ろしい形相で原稿を机にたたき落とされ「こんな内容はB級映画にもならない駄作だ!」と怒鳴られ、マイケルは悔し涙を流しながら完成案のシナリオを完成させた。このエピソードはマイケルにとって現在に至るまでの監督活動で最も忘れられない場面だったと話していた。
  • コメディ映画で出演していたマーティンは、マイケルから「君をタフガイにしてやる」とオファーを貰った際、半分冗談で言っていると思い込んで承諾した事を打ち明かしている。
  • 空港で燃えたドル紙幣が空中を舞うシーンは撮影陣が製作費用(低予算の映画な為)の関係上、実現が不可能だったがマイケルが小切手を切って燃やして空中に飛ばすドル紙幣(本物)を自腹で用意した。この行動は撮影陣を驚かせ、燃えたドル紙幣が爆発と一緒に舞うシーンの撮影開始直前にカチンコをした直後にカメラにでかでかと実際にマイケルの直筆の名前が書いていた小切手を映すといういたずらをした。
  • 空港の格納庫の大爆発の映像は、そのシーンの撮影を行う直前の段階で中止になりかけるという事態が起きた。撮影直前はスコールの雲が近づきつつあった晴天で、当時ジェリーとドンは別の映画の撮影に出払っていた為に、撮影をするしないの判断がマイケルと撮影スタッフのディレクターに委ねられていた。また、撮影スケジュールが押していた為に爆発のシーンを撮る事が出来る日が撮影日の1日だけだった。ディレクターは即座に撮影中止を支持し、機材の片づけを命じたがマイケルはこれに対し「映画を成功させる為に絶対必要なシーンなんだ」と猛烈に抗議し「もしこのシーンの撮影を終了するのなら僕は監督をしない」と荷物を纏めて帰ろうとする行動をとった。さすがにディレクターらもマイケルの行動に完敗し、撮影が実現したという。
  • 映画の監督の間では「監督刑務所」という単語が存在し、デビュー作で興行状等の視点でコケてしまった監督にはその後一切の映画のオファーが来ないという過酷な法則が確立している事をマイケルはコメントしている。まさにマイケルにとっては一生で最初で最後の賭けであった事を打ち明かしている。

キャスト

役名 俳優 日本語吹き替え
ソフト版 TV版
マーカス・バーネット マーティン・ローレンス 山寺宏一 神谷明
マイク・ラーリー ウィル・スミス 菅原正志 大塚明夫
ジュリー・モット ティア・レオーニ 田中敦子 小山茉美
フーシェ チェッキー・カリョ 銀河万丈 玄田哲章
ハワード警部 ジョー・パントリアーノ 江原正士 羽佐間道夫
アリソン・シンクレア マージ・ヘルゲンバーガー

スタッフ

脚注

  1. ^ Bad Boys (1995)”. Box Office Mojo. 2009年10月10日閲覧。