おみくじ
おみくじ(お神籤・お御籤・お仏籤・御神籤・御御籤・御仏籤・おみ籤またはみくじ・神籤・御籤・仏籤(みくじ))とは神社・仏閣等で吉凶を占うために引く籤である。「みくじ」は「くじ」に尊敬の接頭辞「み」をくわえたもので、漢字で書くときは「御籤」とするか、神社のものは「神籤」、寺のものは「仏籤」とする。ただし厳密には問題があるが、区別せず「神籤」とすることもある。現在ではみくじ箋(みくじ紙)と呼ばれる紙片を用いるものが一般的である。
歴史
古代においては国の祭政に関する重要な事項や後継者を選ぶ際に神の意志を占うために籤引きをすることがあり、これが現在の神籤の起源とされている[1]。現在の神籤は参詣者が個人の吉凶を佔うために行われるもので、これは鎌倉時代初期から行われるようになった。当時は自分で籤を用意するのが一般的であった[2]
みくじ箋
奉製
現在、おみくじの7割近くは女子道社(山口県周南市)によって奉製され[3]、英語版は外国人観光客向け等に日本国内の寺社に奉製されるほかハワイなど日本国外への輸出も行われているが[4]、各神社寺院独自で奉製しているところもある。
籤引きの方式
籤引きの方式には色々あるが、代表的なものには次のようなものがある。
- みくじ棒と呼ばれる細長い棒の入った角柱あるいは円柱形の筒状の箱(みくじ筒、御神籤箱)を振り、棒を箱の短辺の小さな穴から一本取り出し、棒の端あるいは中央に記された番号と同じ籤(みくじ箋)を受付あるいは専用の整理箱から受け取るもの。みくじ筒は両手で抱えられる程度の大きさ・重さのものが多いが、神社によっては一人では抱えられないほど巨大なものもある。みくじ棒が竹製である場合にはみくじ竹ともいう。
- 予め折り畳まれた籤(みくじ箋)を専用の箱に入れるか三方などの上に置いておき、それを参詣者が直接選ぶもの。
- 自動販売機(頒布機)に発売金額分の硬貨を投入して得るもの。
- ちなみに先述の女子道社が、おみくじの自動販売機の実用新案を登録したのは、大正期のことであった[4]。
内容
みくじ箋の内容は次のような項目で構成されていることが多い。
- 番号
- 運勢の説明(概略)
- 吉凶
- 「大吉・吉・中吉・小吉・凶」など(多い所では「大吉・吉・中吉・小吉・半吉・末吉・末小吉・平・凶・小凶・半凶・末凶・大凶」など[5]。最近では書かれている運勢が「大大吉」や「大大凶」がある寺社もある)の吉凶の語で書かれる。みくじ箋の吉凶の量の比率は、神社仏閣によって様々であり、近年は凶を減らすところもある[1]。ただし、吉凶よりも運勢の説明で何が語られているかが大切であるとされる。
- 和歌・漢詩
- 運勢の説明に和歌を添えたり[4]、全体の運勢を御製で表現している神社(明治神宮[6]など)もある。また、寺のくじでは漢詩が添えられていることもあり、これは「元三大師百籤」がルーツになっているためである[1]。神籤に吉凶の語句が記されず、運勢の説明文・和歌等のみが御籤に記されている寺社もある(滋賀県の多賀大社など)。
- 個別の運勢
- 願望
- 健康
- 体調
- 仕事
- 交渉
- 恋愛
- 縁談
- 待人
- 出産
- 金運
- 商売
- 相場
- 学問
- 学業
- 受験
- 技芸
- 転居
- 旅行
- 争事 等
結び付けの風習
引いた後の神籤を、境内の木の枝などに結ぶ習慣がある。「結ぶ」が恋愛の「縁を結ぶ」に通じることから江戸時代から行われてきた[3]。その後、神様との「縁を結ぶ」として木に結びつけられるようになった[4]。二月堂のように千枚通しのようなものに神籤を刺すところもある。
また、「凶のおみくじを利き腕と反対の手で結べば、困難な行いを達成つまり修行をしたことになり、凶が吉に転じる」という説もある。だが近年、木に結ぶと生育が悪くなるため、参拝者が神籤を結ぶための専用のみくじ掛(2本の柱の間に棒や縄を渡したもの)を設置している寺社もある[7]。
出典
- ^ a b c 特集・おみくじQ&A - インターネット新聞JANJANの特集ページ
- ^ おみくじの歴史:イザ!
- ^ a b 神仏map - 鹿野町商工会のページ、その下のおみくじQ&Aも參照。
- ^ a b c d 「パズル通信ニコリ」ニコリ、65巻、81頁、1997年。
- ^ "湘南のお稲荷さん鵠沼伏見稲荷神社" (Press release).
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) (説明) - ^ "明治神宮のおみくじ「大御心」について" (Press release). 明治神宮. 2011年7月10日閲覧。
- ^ “おみくじ…その勘違いが運を逃します”. 暮らしのAll About (All About). (2006年1月3日)