スカーレット・ピンパーネル
『スカーレット・ピンパーネル』は、ミュージカル作品。原作はバロネス・オルツィの小説『紅はこべ』(原題:The Scarlet Pimpernel)。
1997年にブロードウェイで初演された。登場人物などの設定は原作に近いが、ストーリーはかなり異なり、マルグリートが手紙を盗み見るところの他は、ほとんどの場面が原作には全くない場面で構成されている。マルグリートとショーヴランは元恋人で、アルマンはマルグリートの弟になり、アルマンの恋人はサン・シール侯爵令嬢ではない。
脚本・作詞はナン・ナイトン、作曲はフランク・ワイルドホーン。
イギリスでは映画やTVシリーズとして何度か映像化されている。
日本では、 フランク・ワイルドホーン作曲のブロードウェイ・ミュージカルを元に、小池修一郎が潤色・演出を担当し、宝塚歌劇団で上演された。2008年、第16回読売演劇大賞優秀作品賞、第34回菊田一夫演劇大賞を受賞。
なお、タイトルは英語表記(THE SCARLET PIMPERNEL)と片仮名表記を併記する。
上演記録
[編集]オリジナル公演
[編集]- ブロードウェイ初演
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- 1997年11月 - 1998年10月にミンスコフ劇場で上演。
- ブロードウェイ再演
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- 1998年10月 - 1999年5月にミンスコフ劇場で上演。
- ブロードウェイ再々演
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- 1999年9月 - 2000年1月、ニール・サイモン劇場で上演。
- アメリカナショナルツアー
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- 2000年2月 - 2001年4月で上演。
日本での上演
[編集]宝塚歌劇団での上演
[編集]- 2008年 星組(宝塚での初演)
- 2010年 月組
その他の日本での上演
[編集]- 2016年
主な登場人物
[編集]- パーシー・ブレイクニー
- イギリスの洒落者の貴族だが、実は「スカーレット・ピンパーネル」のリーダー。
- マルグリット・サン・ジュスト
- パーシーの妻。コメディ・フランセーズの花形女優だったが、パーシーとの結婚のため引退し、イギリスに渡った。
- ショーヴラン
- フランス革命政府の公安委員で、革命政府全権大使。
- ロベスピエール
- フランス革命政府のトップで、ジャコバン派の指導者。
- アルマン・サン・ジュスト
- マルグリットの弟、のちに「スカーレット・ピンパーネル」の一員になる。
- マリー・グロショルツ
- アルマンの恋人で衣装・鬘デザイナー。
- アントニー・デュハースト
- イギリス貴族。「スカーレット・ピンパーネル」の一員でパーシーの片腕的存在。
- アンドリュー・フォークス
- イギリス貴族。「スカーレット・ピンパーネル」の一員。
- シュザンヌ
- フランス亡命貴族の娘で、マルグリットの友人。フォークスと恋仲になる。
- プリンス・オブ・ウェールズ
- イギリス王太子で、パーシーの友人。ショーヴランらを歓迎する舞踏会を開催する。
- 史実での当時のプリンス・オブ・ウェールズは、ジョージ・オーガスタス・フレデリック(後のジョージ4世)である。
- ルイ・シャルル
- ルイ16世とマリー・アントワネットの第2王子で、フランス王太子。革命勃発後に家族と引き離され、「フランス共和国市民」として靴屋の夫婦に育てられている。
あらすじ
[編集]フランス革命の最中の1794年を舞台とする。ロベスピエールを指導者とするジャコバン党の革命政府と公安委員会は、無実の罪の貴族達を反革命の罪で次々に逮捕し、ギロチンによって処刑していた。このような中、無実の貴族達を見事に救い出す謎の集団「スカーレット・ピンパーネル」(紅はこべ)がパリの街中を騒がせていた。
スカーレット・ピンパーネルは、王太子ルイ・シャルルの救出を目的として動き出す一方、革命政府全権大使のショーヴランは、スカーレットピンパーネルの正体を暴き、その壊滅を目論んでいた。物語は、スカーレットピンパーネルのリーダーのパーシー・ブレークニーを中心に、パーシーの妻マルグリット、そしてショーヴランの3人の愛情と疑念、そして憎しみを描きながら、展開していく。
楽曲
[編集]この節の加筆が望まれています。 |
- 物語のように(Storybook)
- マダム・ギロチン(Madame Guillotine)
- あなたこそ我が家(You Are My Home)
- 祈り(Prayer)
- 炎の中へ(Into the Fire)
- 鷹のように(Falcon in the Dive)
- スカーレット・ピンパーネル(The Scarlet Pimpernel)
- あなたを見つめると(When I Look at You)
- 君はどこに(Where's the Girl)
- 男とお洒落(The Creation of Man)
- 忘れましょう(I Will Forget You)
- 謎解きのゲーム(The Riddle)
- ここでも、そこでも(They Seek Him Here)
- 目の前の君(She Was There)
- ひとかけらの勇気(A Peace Of Courage) ※ 2016年版より追加 [4]
宝塚版のみ
- 愛の絆
- 栄光の日々
オリジナル版のみ
- Believe
- Vivez!
- Marguerite's Dilemma
- Only Love
- Lullaby
- ブロードウェイミュージカルでは、CDやダウンロード販売、サブスクリプション配信など。
- 宝塚歌劇では、主題歌CD、公演実況CD、ダウンロード販売(曲目部分)などがある。
主な配役
[編集]日本版キャスト
[編集]2008年星組 | 2010年月組 | 2017年星組 | |
---|---|---|---|
パーシー・ブレイクニー | 安蘭けい | 霧矢大夢 | 紅ゆずる |
マルグリット・サン・ジュスト | 遠野あすか | 蒼乃夕妃 | 綺咲愛里 |
ショーヴラン | 柚希礼音 | 龍真咲/明日海りお[6] | 礼真琴 |
アントニー・デュハースト | 立樹遥 | 青樹泉 | 壱城あずさ |
アンドリュー・フォークス | 涼紫央 | 星条海斗 | 天寿光希 |
アルマン・サン・ジュスト | 和涼華 | 明日海りお/龍真咲[6] | 瀬央ゆりあ |
マリー・グロショルツ | 夢咲ねね | 憧花ゆりの | 有沙瞳 |
シュザンヌ | 琴まりえ | 彩星りおん | 夢妃杏瑠 |
ロベスピエール | にしき愛 | 越乃リュウ | 七海ひろき |
プリンス・オブ・ウェールズ | 英真なおき[7] | 桐生園加 | 英真なおき |
ルイ・シャルル | 水瀬千秋 | 愛希れいか | 星蘭ひとみ |
2008年星組 | 2010年月組 | 2017年星組 | |
---|---|---|---|
パーシー・ブレイクニー | 紅ゆずる | 珠城りょう | 天華えま |
マルグリット・サン・ジュスト | 蒼乃夕妃 | 彩星りおん | 有沙瞳 |
ショーヴラン | 麻尋しゅん | 紫門ゆりや | 遥斗勇帆 |
アントニー・デュハースト | 美弥るりか | 鳳月杏 | 桃堂純 |
アンドリュー・フォークス | 天寿光希 | 貴千碧 | 夕渚りょう |
アルマン・サン・ジュスト | 真風涼帆 | 煌月爽矢 | 極美慎 |
マリー・グロショルツ | 稀鳥まりや | 花陽みら | 小桜ほのか |
シュザンヌ | 妃咲せあら | 咲希あかね | 天彩峰里 |
ロベスピエール | 碧海りま | 宇月颯 | 綾凰華 |
プリンス・オブ・ウェールズ | 壱城あずさ | 響れおな | 颯香凜 |
ルイ・シャルル | 華雅りりか | 晴音アキ | 澄華あまね |
2016年 | 2017年 | |
---|---|---|
パーシー・ブレイクニー | 石丸幹二 | |
マルグリット・サン・ジュスト | 安蘭けい | |
ショーヴラン | 石井一孝 | |
ロベスピエール | 平方元基 佐藤隆紀 |
上原理生 |
アルマン・サン・ジュスト | 矢崎広 | 松下洸平 |
デュハースト | 上口耕平 | 泉見洋平 |
ベン | 相葉裕樹 | 久保田秀敏 |
ファーレイ | 植原卓也 | 藤田玲 |
エルトン | 太田基裕 | 多和田秀弥 |
オジー | 駒木根隆介 | 久保貫太郎 |
ハル | 廣瀬智紀 | 東啓介 |
マリー・グロショルツ | 則松亜海 |
受賞
[編集]オリジナル版
[編集]年 | 賞 | 部門 | 対象 | 結果 |
---|---|---|---|---|
1998年 | トニー賞 | ミュージカル作品賞 | ノミネート | |
ミュージカル主演男優賞 | ダグラス・シルズ | ノミネート | ||
ミュージカル脚本賞 | ナン・ナイトン | ノミネート | ||
ドラマ・デスク・アワード | 主演男優賞 | ダグラス・シルズ | ノミネート | |
作曲賞 | フランク・ワイルドホーン | ノミネート |
日本版
[編集]脚注
[編集]- ^ 映画版 月組公演『THE SCARLET PIMPERNEL』 公開決定!(宝塚歌劇団、2010年9月3日)
- ^ “宝塚星組、紅ゆずると綺咲愛里の新トップコンビで「THE SCARLET PIMPERNEL」”. ステージナタリー. (2016年7月8日) 2016年7月11日閲覧。
- ^ a b “石丸幹二 大作ミュージカルで罪なき人救うヒーロー”. 日刊スポーツ (2016年1月28日). 2016年1月28日閲覧。
- ^ a b c “石丸幹二&安蘭けい「スカーレット・ピンパーネル」に太田基裕、廣瀬智紀ら”. ステージナタリー. (2016年5月10日) 2016年5月11日閲覧。
- ^ “「スカーレット・ピンパーネル」再演決定、新キャストに上原理生、泉見洋平ら”. ステージナタリー. (2017年4月29日)
- ^ a b 役替わり。
- ^ サン・シール侯爵役との1人2役。2010年月組公演の侯爵役は研ルイス。