M.U.G.E.N

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M.U.G.E.N
ジャンル 対戦格闘エンジン
対応機種 Windows XP/Vista/7
開発元 Elecbyte
バージョン 1.0 (2011年1月18日)
人数 1人~2人
対象年齢 全年齢
デバイス キーボード・ジョイスティック
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M.U.G.E.N(日本では一般的に「ムゲン」「MUGEN」と呼ばれる)はElecbyte(エレクバイト)によって開発された、フリーのパーソナルコンピュータ用2D格闘ゲームエンジンDOS版・Linux版・Windows版・1.0の4つがある。

概要[編集]

このゲームエンジンは非常に自由度が高く、商業2D格闘ゲームなどに見られる機能であれば、ほぼ全て実装できる。様々なキャラクターやステージを追加でき、アドオンで体力ゲージやキャラクター選択・タイトル画面などを変更できる。発表されているキャラクターの種類は自由であるため、ユーザーはゲーム、作品等といった既存の枠組みを超えた対戦が可能である。M.U.G.E.Nオリジナルのキャラクターも多数存在しており、オリジナルキャラクターの中には既存ゲームに匹敵するような完成度のキャラクターもいる。

しかし、インターネット上で公開されているキャラクターやステージ、BGMなどのデータには、著作権で保護された既存のゲーム・アニメ作品などのグラフィックデータ・音声データを違法にコピーして製作されたものが多数存在しており、多くのサイトではそれについて言及せず、多数のユーザーがそれを意識せずにプレイしている(キャラクターデータの構成および法的見地の節も参照)。

M.U.G.E.N本体には、Kung Fu Man[1]というカンフーを使うオリジナルキャラクターが付属しており、このキャラクターをベースに改変されたキャラクターも多数存在する。

2007年、異なるハック版でステージとキャラクター選択画面の高解像度表示がサポートされた。

2007年半ば、Elecbyte公式サイトは復活した。初めはGoogle AdSenseのみが表示されており正統性を疑う声もあったが、7月26日にFAQが追加された。このFAQでは、M.U.G.E.Nの次期メジャーリリースの前に、Windows版の修正版を公開するつもりだと書かれていた。

2009年9月21日に公式サイトにて新バージョン、M.U.G.E.N 1.0が公開された。実に7年ぶりの更新となる[2]。そして2011年1月18日、遂にM.U.G.E.N 1.0が完成した。

DOS版、Windows版、1.0の違い[編集]

Elecbyteから正式にWindows版『M.U.G.E.N 1.0』(以下、1.0)がリリースされる以前に、インターネット上のM.U.G.E.Nを扱うサイトなどで広く公開されていた旧版のWindows版『M.U.G.E.N』は、かつてElecbyteから公開されていた『WINMUGEN 20414』を改造し、登録可能キャラクター数の無制限化や、初期状態から全てのゲームモードを選択可能にするなどの変更を施したものであり、後述するように非公式のものであった。これについては当時のElecbyteのM.U.G.E.N利用規約に違反する点があるが後述のライセンス関係などから黙認されているようである。

  • Windows版は機能的にDOS版を遥かに上回っている。しかし機能拡張に伴う、エラーチェックの厳密化により、互換性が失われたデータも多い。またWindows版は、DOS版に比べ若干負荷が高く、快適に動作させるには一定のスペックが必要となる。
    • 1.0はいずれもWindows版を上回るが、ファイル仕様が大幅に変わったものがあるが、キャラクターだけは互換モードが搭載されているので暫定的に互換性を保っている。
  • DOS版はキャラクターの色に最大256色しか使えず、BGMに利用できる形式もMP3MIDIMODに限る。これに対しWindows版は、256色以上のカラーへの対応がなされると共に、BGMの対応形式もプラグインにより拡張可能になっている。
    • 1.0ではBGMのループが可能になった代わりに、効果音の調整はやや制約がかかっている。
  • DOS版ではフルスクリーンでしか使用できないが、Windows版以降はウィンドウでのプレイが可能となった。しかし、その為にフルスクリーン化はDirectX8.0以上が必須となり、コンフィグファイルでVideo Winモードを高画質対応に設定し、キャラデータのキャッシュ読み込みをオンにするなどの設定をしなければならず、多少手順が多くなっている。

クローンプロジェクト[編集]

公式のM.U.G.E.Nが長らく更新されなくなっていたため、クローンエンジンを作成するプロジェクトがいくつか存在する。

これらのクローンエンジンは、オンライン対戦機能やクロスプラットフォーム性の高さを期待されている。

キャラクターエディタ[編集]

MUGENのキャラクターは公式に配布されたMUGEN専用のキャラクターエディタや、Windows付属のメモ帳等のエディタ、画像編集ソフト、音声編集ソフトなどを使って作成する。しかし、公式のエディタは本体同様更新がされていなかったため、途中で終了してしまうといったバグが残っている。そのため、ユーザーが作成した非公式のキャラクターエディタがいくつか存在する。

上記のような理由からキャラクター制作の際は、複数のツールを用いるのが一般的とされる。また後述のcnsファイルなどを編集する際もWindows標準のNOTEPAD.EXEでは非常に見やすさを欠くため、フリーのスクリプティングエディタにラッパーモジュールを適用し制作する場合がある。

キャラクターデータの構成[編集]

M.U.G.E.Nのキャラクターやステージのデータは、主に以下のようなファイル群で構成されている。

defファイル
キャラクターやステージの基本設定を示すファイル。キャラクターの基本情報や、どのファイルが使われるかを記す目次のようなファイル。キャラクターを登録する場合、このファイルを指定する。
cmdファイル
キャラクターの技のコマンドや発動条件を制御するファイル。
cnsファイル
キャラクターの心臓部とも言える、動作を制御するファイル。定数やステート定義によって細かく挙動を指定でき、格闘ゲームの枠に囚われないキャラクターを作ることも可能。M.U.G.E.Nにおける「キャラクター製作」とは、主にこのファイルの製作を意味する。
sffファイル
キャラクターの画像を複数まとめて格納したファイル。ゲーム中のグラフィックだけでなく、選択画面や体力ゲージで表示されるポートレイト、攻撃のエフェクトなども含まれる。
airファイル
sffに格納された画像を実際にアニメーションさせたり、攻撃判定、当たり判定などを指定・制御するためのファイル。
sndファイル
キャラクターの音声や効果音を格納したファイル。

ただし、sff・sndを除いて、拡張子の制限はなく、テキストファイルで開けるファイルなら良い。cmdにcnsファイル、cnsにstファイルを使用するものが代表的。

なお現状のM.U.G.E.Nでは、sff(グラフィックファイル)やsnd(音声ファイル)に、ゲーム・アニメ作品など(企業・同人問わず)一般的に著作権保護の対象である他者の著作物を無断で流用や改変、または描き起こしなどを行ったキャラクターが多く存在しており、問題視されている。中には、画像や音声を製作者自身やその知人、ネット声優などに拠って独自に製作された著作権的に問題のないキャラクターも存在するが、現状の多くは権利物の流用・改変であることが多い。グラフィック自体は作成者オリジナルの描き下ろしだが、エフェクトやボイスなどは既存作品からの流用というケースも見られる。

cns(定数とステート定義によるキャラクターのメインファイル)や、cmd(コマンドファイル)、air(アニメーションファイル)などは、作成者に著作権のあるプログラムソースに類する物であるが、これらの独自プログラムに、既存作品から流用したグラフィックや音声を組み合わせ、既存作品のキャラクターの動作を真似た「再現」や、既存作品では使用できない技を付け加えた「アレンジ」として作られているケースが多く見られる。もちろん、M.U.G.E.N本体には「M.U.G.E.Nに対応して製作されたキャラクターデータ」を動作させる機能しか無いため、原作のプログラムデータをそのまま流用する事は当然ながら不可能であり、M.U.G.E.N上におけるこれらの「再現」キャラクターの実態は単に「グラフィックを流用して原作風の動作や性能に似せただけのエディットキャラクター」である。そのため、cnsなどのプログラム本体の記述は独自に作られた物であり、記述形式は作成者によりバラバラである。なお、一部では著作物の使用を避けるため、既存の技などの動作や性能のみをモチーフとして、Elecbyteから改変が自由に許可されているKung Fu Manのグラフィックや音声、または独自のグラフィックを使用した別キャラクターとして作られているものもある。

法的見地[編集]

本体
ElecbyteによるM.U.G.E.Nの使用に関するライセンスは失効しており、新しいライセンスの交付はなされないとする向きが多い。そのため、現在Elecbyte公式サイト以外で配布されているM.U.G.E.NはElecbyteによって許可された物ではない。また、この点についてElecbyteはこれまで何ら法的手段も講じていない。
キャラクタやステージのデータ
配布されているキャラクターやステージのほとんどは、スプライト・音声・音楽は著作権で保護されたゲームやアニメなどからのコピーが多く使われている[3]。このため、最近のゲームを元に作られたキャラクターへのハイパーリンク[4]を控える「タイムリリース」ルールを主張するグループもある。

このような状況を踏まえ、現在エンジン、その他の創作物の利用は個人のモラルに委ねられている。

脚注[編集]

  1. ^ KFM」と略される事もある。日本では一般的にそのままカタカナ表記した「カンフーマン」と呼ばれている。
  2. ^ 公式サイトM.U.G.E.N Update Historyより
  3. ^ 実在の芸能人有名人犯罪者などをキャラクター化したものも存在し、この場合は肖像権パブリシティ権等が問題になると思われる。
  4. ^ 製作ではない。

関連項目[編集]

  • クローンゲーム - 法的に『M.U.G.E.N』と同様の問題点を抱えているケースが多い。

外部リンク[編集]

http://mugenworks.ucoz.com/