JR貨物V19C形コンテナ

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JR貨物V19C形コンテナ
V19C-1011
V19C-1011
基本情報
種別 通風コンテナ
所有者 日本貨物鉄道(JR貨物)
製造メーカー 東急車輛製造総合車両製作所
中国国際海運集装箱(CIMC)
製造年 2006年 - 2015年
2021年 -
製造数 9,500個
主要諸元
外面色 赤紫色(JRFレッド)
全長(内寸法) (3,647 mm)
全幅(内寸法) (2,275 mm)
全高(内寸法) (2,245 mm)
荷重t
内容積 18.6 m3
扉位置 両側側面
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JR貨物V19C形コンテナ(JRかもつV19Cがたコンテナ)は、日本貨物鉄道(JR貨物)が、通風コンテナの老朽取換用および輸送力増強用として製造・保有している12 ft通風コンテナ

構造[編集]

  • 両側開き12 ft有蓋コンテナである19D形を基本に、通風機構を加えたのが本形式で、両側に扉を持つ両側開き構造である。内法寸法は高さ2,245mm、幅2,275mm、長さ3,647mm。内容積は18.6m3、最大積載重量は5t
  • 外観はV19A形やV19B形と同じく、JRFレッドと称される、フロンティアレッド一色塗りで、側面中央にJRFのロゴマークが白抜きで大きく配されている。
  • 通風装置は、V19B形と同じく、内側から操作する開閉可能なスリットタイプのものを側面に4箇所ずつ、計8箇所に設けた。
  • 2015年(平成27年)度に増備された個体より、塗装が大きく変更されており、赤紫色を基調としている点は従来と変わらないが、JRFマークと白線が廃止され、側面の中央右側にJRマーク、その下に「JR貨物」の文字が入れられている。妻面右上にも「JR貨物」の文字がある。
  • 0番台と7000番台と11000番台と東日本大震災被災コンテナ補完用の80000番台が存在する。

製作状況[編集]

  • 老朽化したV18C形の老朽取換用として、2006年(平成18年)度に100個が製作された。その後も、2007年(平成19年)度に1,000個、2008年(平成20年)度に1,200個、2009年(平成21年)度に600個、2010年(平成22年)度に1,000個、2011年(平成23年)度に1,300個、2012年(平成24年)度に930個が製作された。
  • 2013年(平成25年)度よりV19A形の老朽取換用として、19D形と同じ屋根リブが付いた7000番台が製造され、同年度に1,000個[1]2014年(平成26年)度に500個[2]、2015年(平成27年)度に500個[3]が製作された。
  • 2021年令和3年)度からは、初期に製造された本形式や、V19B形の老朽取換用として、同年度に500個[4]が製造された。
  • 2022年(令和4年)度からは山陽本線での脱線事故を踏まえた、重量制限装置等を備え、妻面リブが20D形/20G形の11000番台と共通の構造に変更された11000番台が400個[5]2023年(令和5年)度に400個[6]が増備された。
  • 80000番台は、2012年(平成24年)度に70個が製作され、合計9,500個が製作された。

運用・現況[編集]

2024年(令和6年)1月5日現在、9,206個が保有されており、JR貨物所有の通風コンテナでは最も保有数が多い。 側面両開きの通風コンテナという特徴を生かして、毎年9月から10月にかけて運転されるジャガイモ専用列車では、本形式が使用される。 基本的には換気が必要な製品を輸送することが多いが、需要の変化などにより通風孔を閉じて使用される場合もある。 2022年令和4年)度以降、初期に製造された個体は経年による老朽化が進んでおり、近年新たに製造された本形式や20D形などでこれらの老朽化による安全上の瑕疵や、多額の補修費が掛かる固体の置き換えが進み、用途廃止・廃棄が進んでいる。

参考文献[編集]

  • 「車両のうごき 2006-2007」『鉄道ファン』第556号、交友社、2007年8月、75 - 76頁。 
  • 「JRコンテナ」『JR貨物時刻表2012』、公益社団法人鉄道貨物協会、2012年3月、p306, 311。 
  • JRコンテナ形式別一覧表” (PDF). 日本貨物鉄道. 2011年4月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月5日閲覧。
  • JRコンテナ”. 日本貨物鉄道. 2008年10月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年1月5日閲覧。
  • 「JRコンテナ」『貨物時刻表2024』鉄道貨物協会、2024年3月、199頁。全国書誌番号:23204476 
  • 編集部「JRグループ 2023年3月18日ダイヤ改正の概要」『鉄道ファン』第63巻第743号、交友社、2023年3月、63頁。 
  1. ^ 20131220.pdf”. 日本貨物鉄道株式会社 (2013年12月20日). 2022年11月3日閲覧。
  2. ^ 20141219.pdf”. 日本貨物鉄道株式会社 (2014年12月19日). 2022年11月3日閲覧。
  3. ^ 20151218.pdf”. 日本貨物鉄道株式会社 (2015年12月18日). 2022年11月3日閲覧。
  4. ^ 20211217_01.pdf”. 日本貨物鉄道株式会社 (2021年12月17日). 2023年12月20日閲覧。
  5. ^ 20221216_01.pdf”. 日本貨物鉄道株式会社 (2022年12月16日). 2023年12月20日閲覧。
  6. ^ 20231215_01.pdf”. 日本貨物鉄道株式会社 (2023年12月15日). 2023年12月20日閲覧。

関連項目[編集]