GROOVE TUBE

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GROOVE TUBE pt.1 & 2
フリッパーズ・ギターシングル
初出アルバム『DOCTOR HEAD'S WORLD TOWER -ヘッド博士の世界塔-
B面 GROOVE TUBE pt.2
リリース
規格 8cmCDシングル
ジャンル インディー・ロック
時間
レーベル ポリスター
作詞・作曲 DOUBLE KNOCKOUT CORPORATION
プロデュース DOUBLE KNOCKOUT CORPORATION
吉田仁
牧村憲一
チャート最高順位
フリッパーズ・ギター シングル 年表
LOVE TRAIN
(1990年)
GROOVE TUBE
(1991年)
BLUE SHININ' QUICK STAR 星の彼方へ
(1991年)
DOCTOR HEAD'S WORLD TOWER -ヘッド博士の世界塔- 収録曲
DOLPHIN SONG
ドルフィン・ソング
(1)
GROOVE TUBE
グルーヴ・チューブ

(2)
AQUAMARINE
アクアマリン
(3)
EANコード
ASIN B000UVF176
JAN 4988023014401
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GROOVE TUBE」(グルーヴ・チューブ)は、1991年3月20日に発売されたフリッパーズ・ギター通算5作目のシングル

解説[編集]

「GROOVE TUBE」はアルバム『DOCTOR HEAD'S WORLD TOWER -ヘッド博士の世界塔-[注 1]からの先行シングルでアルバム収録曲と同内容。カップリングに“パート2”が収録されているため、ジャケットには“パート1”の併記がある。前作「LOVE TRAIN」[注 2]のカップリング曲「SLIDE」で表出したサンプリング手法をより前面に押し出した作品[1]

一般的に“ネオアコ”とカテゴライズされていた前作『CAMERA TALK[注 3]からの大幅な路線変更と解釈された今作について小山田圭吾は「べつにそんなこと言ったら『カメラ・トーク』[注 3]だってネオアコかっつったら、べつにネオアコじゃないっていう……。わかんないけど。それよりも、もっとなんか、僕らの手法とかそういうことがもっと明確になったなあっていう」「だから、あれはサンプラーを駆使して作ったっていう。今回はもうヒップ・ホップの方法論みたいなのがばっちり僕らにハマッちゃったなって気がして。すごい、いい加減なんですけどね。イメージ・サンプリングって言うか」[1]と、インタビューで答えている。また、小山田が雑誌『WHAT's IN?[2]“SELF LINER NOTES”掲載のために「『このフリッパーズ・ギター史上最もパワフルなシングルは、激しく腰をシェイクするB'zのリズム。布袋を思わせるハードエッジなギター・サウンド。時にクールで、時には熱くハートを締めつけるヴォーカルは氷室のようだ。巷で話題のマンチェスター・サウンドの取り入れ方は、日本一のマンチェスター通ゴーバンズ電気グルーヴか。どこかコミカルで裏がありそうな歌詞はユニコーンの<命果てるまで>と肩を並べ、それでいて骨太なところが往年のパンタを思わせるが、ロックという型に納まりきらないザ・ブームに通じ、大江千里のような隣のお兄さん的素顔がのぞく。BUCK-TICKゆずりの頽廃美とも相まって、KANの<愛は勝つ>に勝るとも劣らない、“頑張れよ、寂しいのはお前だけじゃないんだぞ!”と万人にアピールする優しさをよりリアルにかもし出す1曲となっており、宇都宮美穂さえバンドブームに巻き込むことでしょう。買って』(フリッパーズ・ギター)」という文章を執筆している。一方の小沢健二も、「ただね、ある日決意して悔い改めて作ったっていうんではないですよ。あくまでも自然の流れでこれが出てきたという」「だから、……僕らもともとネオアコだっていう意識ないし、もちろん“ロックは骨がなきゃあ”とか考える人たちではないし、“やっぱりオリジナリティ!”方面の人でもないでしょ? だからそういうフニャモラーな形でチンタラやってて今回みたいに“これは!”っていわれる時がくるっていう。これがフリッパーズですよ」[1]と、インタヴューで答えている。さらに「この『グルーヴ・チューブ』はまだワキ毛を出しただけって感じなんですよ。これが出て、次のアルバムが出るまでの間っていうのはフリッパーズ・ファンは一番スリリングだと思う。その間にいろいろと考えてくれればいいなあ、と思う」「今までフリッパーズにピンと来た人って6万人いるんですよ、悪いけど。でも、ピンと来てるわけないんだよね、ただ売れただけで、絶対。だから……僕らが今までやってきた事に飽きたという、それ以外ないですよ。だけど、このシングルでようやく、ホント“ようやく”って感じですよ、わかる人がバッと増幅するっていうのはね……いよいよ次のアルバムは! ってとこなの。そうなんです、ホント」[1]と、このシングルの真意について答えていた。

「GROOVE TUBE pt.2」は“パート1”のリミックス・ヴァージョン。オリジナル・アルバムには未収録で、解散後にリリースされたベスト&レア・トラック集『colour me pop[注 4]に収録された。

収録曲[編集]

全作詞・作曲: Double Knockout Corporation。
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.GROOVE TUBE(マツダ・ファミリアCMソング)Double Knockout CorporationDouble Knockout Corporation
2.GROOVE TUBE pt.2Double Knockout CorporationDouble Knockout Corporation
合計時間:

クレジット[編集]

GROOVE TUBE
SONG & PRODUCTION BY DOUBLE KNOCKOUT CORPORATION
PERFORMED BY FLIPPER'S GUITAR :  KEIGO OYAMADA (vo,g)
KENJI OZAWA (g,vo)
ADDITIONAL MUSICIANS :  MECKEN (b)
DAISAKU KUME (p)
MISHIO OGAWA* (vo)
 
GROOVE TUBE pt.2
SONG & PRODUCTION BY DOUBLE KNOCKOUT CORPORATION
REMIXED BY DOUBLE KNOCKOUT CORPORATION AND ZIN YOSHIDA

スタッフ[編集]

PRODUCERS : DOUBLE KNOCKOUT CORPORATION, ZIN YOSHIDA AND KENICHI MAKIMURA
MIXING ENGINEER : ZIN YOSHIDA
RECORDING ENGINEER : TOHRU KATAYAMA
OPERATOR : TOYOAKI MISHIMA
DIRECTOR : ICHIRO OKA
PUBLIC RELATIONS STAFF : KEI SAKURAGI
 
FLIPPERS THANKS TO :  SCHA DARA PARR for waza,
YOSHIE-CHAN for african postcards,
DOGGY DOG DEE for migawari,
AKEMI-SAN for make-up, SHINO-SAN for clothes,
UMEYAMA for goo
AND YOU for buy this record!
 
ALSO THANKS TO : YUKARI HUSBANDSCAPE TAKABATAKE
 
ART DIRECTOR : MITSUO SHINDO for contemporary production
DESIGNER : SAWAKO NAKAJIMA for contemporary production
PHOTOGRAPHER : KAZUHIRO KITAOKA
 
ARTIST MANAGEMENT : KENICHI OKEDA AND MAMI KAWAGUCHI for T.K.O. corporation
 
* Mishio Ogawa by the courtesy of EPIC/SONY RECORDS

カヴァー[編集]

アーティスト 収録作品 発売日 規格 品番
TOKYO'S coolest combo TOKYO'S COOLEST COMBO IN TOKYO 1993年07月01日 CD COCA-10867
meg GROOVE TUBE 2003年06月11日 WPCL-70001
room girl 2003年07月09日 WPCL-10014
イズミカワソラ TRIBUTE TO FLIPPER'S GUITAR 2003年11月19日 SORA-0001
WACKY-TV The Sound Of SOFTLY! Vol.1 Bandwagonesque 〜tribute to Flipper's Guitar〜 2004年02月04日 SFTL-1003
The Sound Of SOFTLY! 〜Tribute to Flipper's Guitar〜 Analog Edition Vol.2 2004年05月12日 LP SFTL-1007
VENUS PETER Hands e.p. 2006年07月08日 CD KOGA-185
曽我部恵一と井の頭レンジャーズ GROOVE TUBE / BORN SLIPPY[3] 2017年07月26日 7" PARK-1012

リリース日一覧[編集]

地域 リリース日 レーベル 規格 カタログ番号 備考
日本 1991年3月20日 (1991-03-20) POLYSTAR SCD PSDR-1104  

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ DOCTOR HEAD'S WORLD TOWER -ヘッド博士の世界塔-1991年7月10日発売 POLYSTAR CD:PSCR-1024
  2. ^ 「LOVE TRAIN」 1990年11月21日発売 POLYSTAR SCD:PSDR-1017
  3. ^ a b CAMERA TALK』 1990年6月6日発売 POLYSTAR CD:PSCR-1008
  4. ^ colour me pop』 1991年12月21日発売 POLYSTAR CD:PSCR-1042

出典[編集]

  1. ^ a b c d ROCKIN'ON JAPAN』APR.1991 VOL.47(ロッキング・オン)1991年4月16日発行
  2. ^ WHAT's IN?』 No.36(ソニー・マガジンズ)1991年4月14日発行
  3. ^ 曽我部恵一×井の頭レンジャーズ、7inchでフリッパーズ楽曲カバー”. ナタリー. 株式会社ナターシャ (2017年5月30日). 2017年5月30日閲覧。