808ステイト

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808ステイト808 State )は、イギリステクノバンド。名前の由来は、ローランド・TR-808。またメンバーへのインタビューによれば、アメリカハワイ州(市外局番が808)の意味も含まれるという。90年代に入ってからの商業的な成功以降は楽曲からTR-808の音色は影を潜めていき、レイヴシーンの衰退後に隆盛を極めていたブレイクビーツ主体のビートへと移行していった。808は「エイト・オー・エイト」と読むが、日本では「はち・まる・はち」あるいはTR-808を指す業界用語から「やおや」と呼ばれることもある。

歴史[編集]

Creed時代[編集]

シカゴから発生したアシッド・ハウスのブームが起きていた1988年に、マンチェスターのレコードショップ「イースタンブロック (Eastern Bloc)」で結成された。初期のメンバーは店員だったマーティン・プライスと常連客のグラハム・マッセイ、ジェラルド・シンプソン(後のア・ガイ・コールド・ジェラルド)の3人。同年に同店のレーベル"Creed"からファーストアルバム『Newbuild』をリリース。この作品はその後とは作風が全く異なり、当時シカゴで発生したアシッド・ハウスに影響を受けた曲が収録されている。

Newbuildの後にシンプソンが脱退し、アンドリュー・バーカーとダレン・パーティングトンが加入、1989年にセカンドアルバム『Quadrastate』をリリースする。これの1曲目には、後に彼らの代表曲となり、多数のリミックスが作られることになる"Pacific"のオリジナルバージョン"Pacific State"が収録されている(なお、作曲はオリジナルメンバー3人によるもの)。この曲はアシッド後に発生したアンビエント・ハウスのシーンへ大きな影響を与え、ZTTへの移籍のきっかけとなった曲である。

これら初期の2作はいずれもLPレコードのみで、更にマイナーレーベルからのリリースだったために長い間入手困難であったが、808ステイトを敬愛するエイフェックス・ツインが自ら運営するリフレックス・レコーズより1999年(Newbuild)および2008年(Quadrastate)再発、CD化を行った。その間の2004年にはNewbuildのアウトテイク集『Prebuild』を、またQuadrastateには同時期にリリースされていたシングル『Let Yourself Go』を同時に収録している。

ZTT時代[編集]

レーベルを移籍した直後にアルバム『90 (Ninety)』をリリースする。この作品の1曲目"Magical Dream"では女性ボーカルを起用しており、この時点で彼らの基本スタイル(1曲あたりの時間が比較的短い、アルバムの曲間がシームレスにつながっている、など)は完全に固まった。また、"Pacific 202"が収録されている。1990年にはNinetyの曲順の変更・追加・エディットなどを施したアメリカデビュー盤の『Utd. State 90』を、現地の大手レーベルであるTommy Boyからライセンスしリリース、世界的に名前が知られるようになる。

1991年にリリースされた『Ex:El』では、ライブでのアドリブをきっかけに当時まだソロデビュー前だったビョーク("Qmart", "Ooops")や、ニュー・オーダーバーナード・サムナー("Spanish Heart")らをゲストに迎え、In Yer Face, Lift, Olympicといった曲がシングルカットされるなど、名実ともに彼らの黄金期を代表するアルバムである。

1992年にマーティン・プライスが脱退する。翌1993年にリリースされた『Gorgeous』はUB40("One in Ten")などをゲストに迎えているが、プライスの脱退が影響したのか、前作よりも落ち着いた作風で統一されている。また、同年に来日記念盤『Forecast』が発売されている。日本ではこの後テクノブームが全盛期を迎えるが、808ステイトは逆にテクノシーンの中心から遠ざかっていく。3年のインターバルを経た1996年の『Don Solaris』はその頃盛り上がっていたドラムンベースの要素などを積極的に取り入れた意欲的な作品であるが、リリース当初の評価は時代遅れ、古臭い、などと酷評された。しかし一方で、ブライアン・イーノプロペラヘッズらによるリミックスや未発表曲が収録された『Thermo Kings』が同年に日本企画盤としてリリースされている。1998年には10周年記念のベスト盤『808:88:98』をリリースした後、ZTTを離れる。

以降の808[編集]

Bellboy RecordsやSlut Smallsといったレーベルから数枚のシングルを、2002年には久々のアルバム『Outpost Transmission』をリリースする。また2005年には来日し、WIRE05にバンド形式でライブアクトとして参加、健在振りをアピールした。以降新作はリリースされていないものの、ライブはヨーロッパ各地で多く行っている。

日本時間2008年8月8日、すなわち080808の日に、ZTT時代のアルバム4作品(90, Ex:El, Gorgeous, Don Solaris)がリマスターおよび未発表曲などが収録された追加ディスク付きの紙ジャケット盤で発売された(本来は日米英同時発売の予定であったが9月下旬に延期、日本のみ先行で本来の予定日にリリースされた)

その他の808[編集]

ZTTに移籍した直後の1990年、レーベルメイトだった白人ラッパーのMC Tunesをプロデュースし、数枚のシングルとアルバム『The North At Its Heights』を残している。1994年にはライブ音源や未発表曲を収録した企画盤『StateToState』をファンクラブ向けにリリースしている。リミックスも多数あり、ジョン・ハッセルアフリカ・バンバータ、のみならず日本のピチカート・ファイヴYMOザ・サーフコースターズといった面々にもリミックスを提供している。また、過去に808に関わった人々により結成されたジャンルレスなグループ「ホームライフ(Homelife)」が1998年から活動を開始し、自らのレーベルやニンジャチューンからアルバムを複数リリースしている。

グラハム・マッセイ[編集]

808ステイトの活動が90年代中盤から鈍化したのは、中心人物の彼がプロデュース活動を中心に行うようになったためである(808ではグラハムが主に作曲を担当し、他の二人はDJを務めている)。また、グラハムは90年代初頭からMassonix名義でソロ活動を開始している(1990年にリリースされたシングルは後とは異なる作風)。この名義はライブ主体で用いられ、深海をテーマにしたテクノを披露しており、同じようなテーマを持つドレクシアと同様にTR-808TR-909を多用している。2006年にはスカムからアルバム『Subtracks』をリリースした。前述のHomelifeにも参加している。

ディスコグラフィー[編集]

  • Newbuild (1988年、1999年)
  • Quadrastate (1989年、2008年)
  • 90 (1989年)
  • Utd. State 90 (1990年)
  • Ex:El (1991年)
  • Gorgeous1993年
  • Don Solaris1996年
  • Thermo Kings1996年
  • 808:88:98 (1998年)
  • Outpost Transmission (2003年)
  • Prebuild (2004年)
  • Blueprint (2011年)

外部リンク[編集]