闇の仕事人 KAGE

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闇の仕事人 KAGE
ジャンル 横スクロールアクション
対応機種 ファミリーコンピュータ (FC)
開発元 ナツメ
発売元 日本 ナツメ
アメリカ合衆国 タイトー
プログラマー いしはらかずひこ
音楽 水谷郁
山西浩一
美術 谷口俊一
人数 1 - 2人(同時プレイ)
メディア 2メガビットロムカセット[1]
発売日 日本 199008101990年8月10日
アメリカ合衆国 1990121990年12月
ヨーロッパ 199107251991年7月25日
その他 型式:日本 NAT-JL
アメリカ合衆国 NES-JL-USA
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闇の仕事人 KAGE』(やみのしごとにん カゲ)は、1990年8月10日日本ナツメから発売されたファミリーコンピュータ横スクロールアクションゲーム北米では『Shadow of the Ninja』、欧州では『Blue Shadow』のタイトルで発売されている。

主人公のハヤテおよびカエデを操作し、皇帝ガルダによって支配されたアメリカ合衆国を開放する事を目的としたゲーム。忍者を主人公に据えた横スクロール型のアクションゲームだが、パッケージなどで「スーパーリアリズムアクション」と謳われている様に忍者である設定を最大限に活用した様々なアクションが盛り込まれており、類似したゲームの中では珍しい「2人同時プレイ可能」という特徴を持つ。

開発もナツメが行い、音楽はディスクシステム用ソフト『グリーンベレー』(1987年)を手掛けた水谷郁とファミリーコンピュータ用ソフト『ドラゴンファイター』を手掛けた山西浩一が担当している。欧米でのみ、2010年Wii用ソフトとして、2014年ニンテンドー3DSおよびWii U用ソフトとしてバーチャルコンソールにて配信された。

また、ナツメアタリによりリメイク第4弾として本作が選ばれ『闇の仕事人KAGE Shadow of The Ninja』として開発中である事が発表された[2]。当初2024年春販売だったが夏に延期、2024年8月29日となった。

本稿では移植作品となる『忍者龍剣伝GB 摩天楼決戦』についても、併せて記述する。

ゲーム内容[編集]

システム[編集]

画面左側に体力ゲージ、投擲武器のカウンターがあり、1プレイヤー側は左上、2プレイヤー側は左下に表示される。キャラクター共通の初期数値は体力16。体力数値16は最大値であり、ゲーム中に体力の上限を高める効果は一切存在しない。また、敵キャラクターから受ける被弾ダメージや接触ダメージなどは一律ではない。

基本的には、累積ダメージは次ステージへの持ち越しとなっており、体力の回復は道中のコンテナから入手できるでのみ可能。また、残り体力が9以上である場合に限り、攻撃ボタンを数秒押し続ける事により、体力を8ほど消費する見返りに画面上の敵全てに大ダメージを与える『雷の術』を使用できる。

残機制を採用しておらず、穴に落ちた場合は体力の消耗で処理され、画面中の特定のポイントからの即時再開となる。体力ゲージが0になるとゲームオーバーとなり、コンティニュー選択画面に移る。コンティニュー回数は5回までで、ステージのスタート地点からの再開となり、エンドを選択するとタイトル画面に戻る。

プレイヤーは忍者“HAYATE(ハヤテ)”・くノ一“KAEDE(カエデ)”の何れかを操作する。2人同時プレイの場合、操作キャラクターの決定権は1プレイヤー側にのみ存在し、同じキャラクターでの同時プレイは不可。キャラクターによる性能差は存在しない。

忍び道具[編集]

プレイヤーは道中に点在するコンテナから忍び道具を入手し、それぞれの特性を駆使してステージを進む。同種類の忍び道具の入手によって最大3段階まで強化が可能だが、何らかのダメージを受けると段階的に弱体化する。忍び道具は薬を除いて2系統に分かれ、投擲武器は使用回数がカウンターに表示される。仕様として異なる武器のストックができないため、複数武器の使い分けは不可能。

直接攻撃武器
忍刀
標準武器。攻撃範囲が小さいため、常に敵に接近する必要がある。強化によって前方に強力な衝撃波を発射するようになる。
鎖鎌
十字キーとの同時入力によって左上、上、右上への3方向いずれかへの攻撃が可能になるが、攻撃判定が先端部にしか存在しない。強化によって先端部の攻撃範囲が少しだけ大きくなり、攻撃時に前後に短距離の衝撃波を発射するようになる。
投擲武器
手裏剣
画面端まで届くが、独特の追尾性能を持つ。
手榴弾
床を弾む、または転がって進み、壁などに触れると炸裂して複数回のダメージを与える。
その他
小瓶に入った薬。赤と白2種類が存在し、赤は4メモリ分、白は最大値まで体力を回復する。

ストーリー[編集]

とある惑星に存在する大国アメリカは、強大な軍事力を背景に皇帝“ガルダ”によって独裁体制の下に支配されていた。ガルダ打倒のためにアメリカに乗り込む者も少なくなかったが、一人として帰った者はいない。しかし、ある日厳重な警備網を突破して国境を越えた2つの影があった…。

移植版[編集]

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 備考
1 アメリカ合衆国 Shadow of the Ninja
ヨーロッパ Blue Shadow
アメリカ合衆国 201006142010年6月14日
ヨーロッパ 201007092010年7月9日
Wii ナツメ ナツメ ダウンロード
バーチャルコンソール
-
2 ヨーロッパ Blue Shadow
アメリカ合衆国 Shadow of the Ninja
ヨーロッパ 201412042014年12月4日
アメリカ合衆国 201501292015年1月29日
ニンテンドー3DS
Wii U
ナツメ ナツメ ダウンロード
(バーチャルコンソール)
-
3 Nintendo Entertainment System
Nintendo Switch Online
アメリカ合衆国 202002192020年2月19日
Nintendo Switch 任天堂 任天堂 ダウンロード -

スタッフ[編集]

  • プログラム:いしはらかずひこ
  • グラフィック:谷口俊一
  • サウンド:水谷郁、山西浩一
  • スペシャル・サンクス:宮部寿保、たなかあつし、新保孝、NITURU、S.K、ふじもととみひさ、たかおかしゅうや、もりもとゆきお、かなやもりゆき
  • スーパーバイザー:KASARI

評価[編集]

評価
レビュー結果
媒体結果
エレクトロニック・ゲーミング・マンスリー32/40点 (FC)[3]
ファミ通23/40点 (FC)[4]
NintendoLife6/10stars (Wii)[5]
Nintendo Power3.3/5点 (FC)[3]
ファミリーコンピュータMagazine17.90/30点 (FC)[1]
  • ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、5・6・7・5の合計23点(満40点)となっている[6][4]。レビュアーからは、スプライト性能の影響によりキャラクターが小さい事を指摘され、当時の他機種のゲームと比較して「見劣りがする」とグラフィック面に関して否定的に評価された[6]
項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 3.03 3.04 3.06 3.03 2.94 2.80 17.90

忍者龍剣伝GB 摩天楼決戦[編集]

忍者龍剣伝GB 摩天楼決戦
ジャンル 横スクロールアクション
対応機種 ゲームボーイ
開発元 ナツメ
発売元 テクモ
プログラマー DFS.KOTOBUKI
音楽 岩月博之
シリーズ 忍者龍剣伝シリーズ
人数 1人
メディア 1メガビットロムカセット
発売日 日本 199112131991年12月13日
アメリカ合衆国 1991121991年12月
ヨーロッパ 1992年
その他 型式:日本 DMG-NGJ
アメリカ合衆国 DMG-NG-USA
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概要[編集]

1991年にテクモから発売されたゲームボーイ用アクションゲーム。同社の看板作品の一つ『忍者龍剣伝』(1988年)の名を冠しているが、開発はナツメが担当しており音楽やアクション体系の流用など、内容は『KAGE』の大部分をベースにした移植作品である。

テクモシアター作品として開発されたものではないため、ステージ間のシネマディスプレイはない。ストーリーはファミコン版第1作の3年前となる1985年、突如としてあらわれ、アメリカを制圧した皇帝ガルフの軍団に若きリュウ・ハヤブサが挑むというもの。リュウ・ハヤブサの修行時代のエピソードとされ、後年の『NINJA GAIDEN』(2004年)よりも更に過去の出来事となっている。

プレイヤーキャラクターは同シリーズの主人公であるリュウ・ハヤブサとなっている。また、敵キャラクターもボスキャラクターが皇帝ガルダから邪鬼王の配下であるガルフ=ソドーム皇帝に置き換えられている。他にはスパイダー、ジャック、グレゴリー、アレン大佐、風鬼斎といった敵キャラクターが登場。

スタッフ[編集]

  • プログラム:DFS.KOTOBUKI
  • グラフィック:PCT、BBB、KICK.NATSUJIU、M-SIGI SIGI
  • サウンド:DON(岩月博之)
  • スペシャル・サンクス:いしはらかずひこ、SHUN(谷口俊一)、TAM TAM、TARU、TOM(にしやまともゆき)、FU-TAROU、OTAKE-SAN

評価[編集]

評価
レビュー結果
媒体結果
ファミ通25/40点[7]
GamePro3/5点[8]
ファミリーコンピュータMagazine20.3/30点[9]
  • ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計25点(満40点)となっている[7]
項目 キャラクタ 音楽 お買得度 操作性 熱中度 オリジナリティ 総合
得点 3.4 3.4 3.3 3.2 3.6 3.4 20.3

脚注[編集]

  1. ^ a b c 「5月10日号特別付録 ファミコンロムカセット オールカタログ」『ファミリーコンピュータMagazine』第7巻第9号、徳間書店、1991年5月10日、98頁。 
  2. ^ https://www.4gamer.net/games/729/G072960/
  3. ^ a b Shadow of the Ninja for NES (1990)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2017年2月21日閲覧。
  4. ^ a b 闇の仕事人 KAGE まとめ [ファミコン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2017年2月21日閲覧。
  5. ^ Shadow of the Ninja for Wii (2010)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年4月29日閲覧。
  6. ^ a b ファミコン通信』、アスキー、1990年8月17日。 
  7. ^ a b 忍者龍剣伝 摩天楼決戦 まとめ [ゲームボーイ]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2017年2月21日閲覧。
  8. ^ Ninja Gaiden Shadow for Game Boy (1991)” (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年4月29日閲覧。
  9. ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、505頁、ASIN B00J16900U 

外部リンク[編集]