澄江動物群

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澄江動物群(チェンジャン どうぶつぐん)は、約5億2,500万- 約5億2,000万年前(古生代カンブリア紀前期中盤[カエルファイアドダバニアン])に生息していた動物群の呼称であり、それらの化石の発見地である中国雲南省澄江の化石出土地域の名を冠して表したものである。澄江生物群( - せいぶつぐん)ということも多い。

発見される化石は、バージェス動物群とよく似た、あるいはそれ以上に広い内容を含む。

概説[編集]

澄江は中華人民共和国雲南省昆明南方に位置し、陽宗海en)から撫仙湖en)にかけての数か所から化石が発掘されている。古くは1911年に軟体性の動物化石が発見されていたが、1984年に帽天山(マオタンシャン、Maotianshan、cf.)で古生代カンブリア紀の豊富な化石群が発見されて以降、一躍注目を浴びることとなった。現在も中国の西北大学en)のチームなどを中心に研究が進められている。

また、ここでは先カンブリア時代最末期(エディアカラ紀)からカンブリア紀前期にかけての地層が化石を伴って連続している。そのために、他地域でのこの時代の地層の年代を決定する際の標準とされている。

いわゆる「澄江動物群」と呼ばれるのはその中でカンブリア紀前期に属するものであり、バージェス動物群より1,500万年ほど古いとされている。その特徴は、バージェス動物群によく似たものを産出していることに加えて、他の多くのものが、やはり細部に至るまで良好な保存状態で見つかっていることにある。このことは、その時代の動物相生物相)についてさらに多くの情報をもたらすと同時に、それらが当時の地球でかなり普遍的であったことをも証明する。

おそらくは、当時この地域は水深100から150メートル程度の海底であり、大陸棚斜面の下に位置していたと考えられる。そういった場所では間欠的に乱泥流による堆積が発生するのであり、斜面を滑り落ちる大量の泥と砂が海底に流入することによって堆積層が造られていく。澄江動物群は、このような自然災害に巻き込まれて急速に埋没させられた当時の生き物が、化石群となって今日見られるものであろう。

内容[編集]

この生物群は約100種ほどの生物を含み、多様な生物を含んでいる。ここで新たに発見された動物で特に重要と考えられるものには以下のようなものがある。

ミロクンミンギアハイコウイクティス英語版
原始的な脊索動物。始原的無顎類と考えられ、広義で言うところでは「既知では最古の魚類」とされる。
ユンナノゾーン
不明な部分もあるが、半索動物と考えられる。当初は脊索動物と考えられたほど現在の半索動物とは似ていない。後口動物の系統を考える上で重要である。
ウェツリコラなど
分類不明。魚類のような頭に節足動物のような尾を持つ。新たに「古虫動物門en)」を設ける説もある。

また、バージェス動物群との関連では以下のような発見がある。

カギムシ
ハルキゲニアが発見され、ここでの化石を元に、バージェス動物群の研究からの復元は上下と前後を間違えたものであることが指摘された。また、それによってこの動物がカギムシ類であると考えられるようになった。さらに、多くのカギムシ類化石も発見されている。中でも、ミクロディクティオンは、その背面に小さな骨板が並んでいるが、この骨板が微小硬骨格化石群(SSF)と呼ばれているものの1つであることが判明した。
アノマロカリス
バージェス動物群と同じものも発見されたが、近縁と思われる別種がいくつか発見されている。中でもパラペユトイア触手が指の多い状になるという風変わりなもので、しかも、胴部のの下面に節足動物のような関節肢を備えていることが確認され、この類の系統の問題上で重視されている。

代表的なもの[編集]

参考文献[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]