森万里子

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もり まりこ
森 万里子
2010年3月
生誕 1967年 (46–47歳)
日本の旗 日本
出身校 文化服装学院
職業 美術家
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森 万里子(もり まりこ、1967年 - )は、日本美術家森ビル創業者・森泰吉郎の孫としても知られる。

概要[編集]

1990年代の作品は、作者自身が登場する写真ビデオ映像によるものが主で、アニメの登場人物やサイボーグに扮した森自身が奇抜なファッションで街中や地下鉄の車内に登場している。そのほか、縄文時代のストーン・サークルをモチーフにしたインスタレーションや映像体験型の大型インスタレーションなどがある。1996年頃からは仏教曼荼羅など日本人としてのアイデンティティを強く意識した映像体験型の大型インスタレーションなどを手掛けている。1990年代半ばからニューヨークを拠点に作品を発表している。

両親は、経済学者の森敬と美術史家の森洋子。父方の祖父は森ビル創業者である森泰吉郎

経歴[編集]

1988年文化服装学院スタイリスト科卒業後、渡英。ロンドンのバイアム・ショウ美術学校(Byam Shaw School of Drawing and Painting)、1989年から1992年にはチェルシー美術大学(Chelsea college of art and design,ロンドン芸術大学)で学ぶ。

1992年ニューヨークホイットニー美術館が運営するインディペンデント・スタディ・プログラムで学び、1993年から作品を発表する。

1995年3月 - 4月にはニューヨークのアメリカン・ファイン・アート(American Fine Arts, Co.)で初の個展を開催。同年9月に日本で初の個展 "MADE IN JAPAN"を東京の資生堂ギャラリーで開催した。

1996年グルノーブル現代美術館(フランス)、アメリカ、ヨーロッパの各地で個展を開催する。1997年の第47回ヴェネツィア・ビエンナーレで優秀賞(Menzioni d'onore)を受賞。1999年ミラノ(イタリア)のプラダ財団法隆寺夢殿をモチーフにした映像体験型インスタレーション「ドリーム・テンプル」を展示した。

2002年には母国日本で初の大規模な個展「森万里子 ピュアランド」(東京都現代美術館)が開催され、「ドリーム・テンプル」も設置される。

2005年の第51回ヴェネツィア・ビエンナーレに参加して"Wave UFO"を展示。2007年にはグローニンガー美術館(オランダ)で回顧展が開かれる。

主要作品[編集]

  • 『プレイ・ウィズ・ミー』(1994年)
  • 『ティー・セレモニー』(1994年)
  • 『サブウェイ』(1994年)
  • 『スター誕生』(1995年)
以上はいずれも奇抜な服装に身を包んだ作者自身が被写体となっており、アニメコスプレオタク文化といった日本のポップ・カルチャーを強く意識した作品。「プレイ・ウィズ・ミー」では日本のアニメに登場する女性戦士のような服装をした作者が東京の秋葉原と思しきゲームソフト店の店頭に立っている。
  • 『エソテリック・コスモス』(宇宙の秘儀)(1996 - 1998年)
「エントロピー・オブ・ラブ」(Entropy of Love)、「バーニング・デザイアー」(Burning Desire)、「ミラー・オブ・ウォーター」(Mirror of Water)、「ピュア・ランド」(Pure Land)の4点からなる写真作品。それぞれアリゾナの砂漠、ゴビ砂漠火焔山フランスミラージュ洞窟死海の風景を背景に、菩薩に扮した作者が二重写しになっている。それぞれ、受胎修行悟り涅槃を表したものという。
  • 『リンク・オブ・ザ・ムーン(巫女の祈り)』(1996年)
作者自身が登場する映像作品。白ずくめの服装で、髪を白く染め、白いコンタクトレンズをした作者が巫女に扮し、ガラスの球体をまさぐる。
  • 『ニルヴァーナ』(1997年)
1997年、ヴェネツィア・ビエンナーレで優秀賞を得た3Dビデオ作品。タイトルは「涅槃」の意である。飛天に扮した作者自身と平等院雲中供養菩薩アニメ化したようなCG菩薩たちが空間を飛翔する。
  • 『ドリーム・テンプル』(1999年) 
夢殿(奈良県法隆寺にある平面八角形の仏堂。奈良時代の建物)を模したガラス製の小建築である。屋根から階段まで特殊ガラスで造られたこの「ドリーム・テンプル」の中には球体が設置され、鑑賞者は1人ずつこの球体の中に入って、CG、バーチャルリアリティ、3D音響などを駆使した4分44秒間の「バーチャル瞑想」を体験する(一度に一人しか球体内部に入ることはできない)。

主な展覧会[編集]

  • "Mariko Mori"、アメリカン・ファイン・アート(ニューヨーク)、1995年3月18日~4月15日
  • "MADE IN JAPAN"、資生堂ギャラリー(東京)、1995年9月12日~9月30日
  • "Mariko Mori"、グルノーブル現代美術館(フランス)、1996年6月23日~9月8日
  • "Mirage"、ギャラリー小柳(東京)、1997年5月7日~5月27日
  • "Dream Temple"、プラダ財団(イタリア、ミラノ)1999年5月22日~6月15日
  • "MIRACLE"、ギャラリー小柳、2001年5月30日 - 6月30日 
  • 「森万里子 ピュアランド」展、東京都現代美術館、2002年1月19日~3月24日
  • 「森万里子Tom Na H-iu(トムナフーリ)」、SCAI THE BATHHOUSE(東京)、2006年4月21日~6月3日
  • 「縄文 光の化石 トランスサークル」展、京都造形芸術大学附属康耀堂美術館、2006年7月7日~9月18日
  • "Oneness"、グローニンガー美術館、2007年4月29日~9月2日、アロス美術館(デンマーク)2007年10月12日~2008年1月27日

脚注[編集]

参考文献[編集]

  • 「特集 森万里子」『美術手帖』775号(美術出版社、1999年9月)
  • 特集「森万里子 偏在する不在の存在」 森万里子インタビュー 執筆/清水敏男・飯田高誉・生駒芳子  美術誌『Bien(美庵)』13号(藝術出版社、2002年2月25日) http://web-bien.art.coocan.jp/bien-backnumber.html