日本レースプロモーション

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株式会社日本レースプロモーション
Japan Race Promotion Inc.[1]
種類 株式会社
市場情報 非上場
略称 JRP
本社所在地 日本の旗 日本
102-0074
東京都千代田区九段南2-3-25[1]
設立 1995年[1]
法人番号 8010001102209 ウィキデータを編集
事業内容 自動車競技会の運営
代表者 上野禎久(代表取締役社長)[2]
資本金 6000万円[1]
純利益 1800万1000円
(2023年01月31日時点)[3]
総資産 4億8812万円
(2023年01月31日時点)[3]
外部リンク SuperFormula
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株式会社日本レースプロモーション(にほんレースプロモーション)は、日本国内でフォーミュラ・ニッポンスーパーフォーミュラフォーミュラチャレンジ・ジャパン等のレース興行を主催する企業。略称はJRP

概要[編集]

日本のトップフォーミュラであった全日本F3000選手権は、1990年代初頭のバブル景気崩壊以降 徐々に参加台数や観客動員数が減り続けた。それを新たなシリーズに転換し、プロスポーツとしての確立やビジネスとして構築するために日本レースプロモーション(JRP)が発足。JRPは、フジテレビを中心にチーム及びサーキットの関係者により組織され、設立以来 社長を派遣し「フォーミュラ・ニッポン事業本部」を置くフジテレビ主導でシリーズ運営を行ってきた[4]。1987年以来F1全戦を放送してきたフジテレビを中心に新たなプロモーションが展開され、当初は参加台数や観客動員数が増加(参加台数:約18→26台、観客動員数:41,000→51,000人 それぞれ1995年と1996年の開幕戦での比較)したが、それも長続きはしなかった[5]

2004年7月31日に組織改革が発表され、NAKAJIMA RACING代表の中嶋悟が会長に、ツインリンクもてぎ取締役(当時)の野口幸生が社長にそれぞれ就任した。以後フジテレビは運営から徐々に退き、替わりに本田技研工業が運営に関与した。しかし、2008年の平均観客動員数は27,000人にまで減少しており[6]、観客数の長期低落傾向には依然歯止めがかけられなかった。 さらに、2008年後半の金融危機以降スポンサー減少の影響もあり、2009年は参加台数が13台まで減少した。合わせて、ホンダの関与も変化[7]したが、その後、国内の自動車メーカー3社(ホンダ・トヨタ日産)が間接的に出資し[8]、JRPの活動を支援した。2010年4月には、ホンダF1(第2期)のV10エンジンやSUPER GT用のホンダ・NSXなどの開発を手がけた白井裕が社長に就任した[9]

同社では「世界に通用する若手ドライバー育成」の目的で、2006年からはトヨタ・日産・ホンダの3社の協力を得て新たなジュニア・フォーミュラとしてフォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)を立ちあげたが、同カテゴリーは2013年で運営を終了した。

2016年4月に白井が社長を退任して技術顧問に退き、フジテレビのプロデューサーである倉下明が社長に就任する人事が発表された[10]。フジテレビの影響力を強めることでプロモーションの強化を図ることが目的[11]

2018年8月には、TCR規格のツーリングカーによるレース開催を目的とした関連会社として、童夢らと共同で「日本TCRマネジメント株式会社」を設立した[12]。社長は倉下が兼任し、2019年よりスーパーフォーミュラのサポートレースの形でスプリントレースを開催する[13]

2023年3月5日、鈴鹿サーキット内で記者会見を開き新役員人事を発表。現会長の中嶋悟に代わり、KONDO RACING近藤真彦監督が4月からJRP会長への就任が内定したことを明らかにした[14][15]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 会社概要”. 株式会社日本レースプロモーション. 2021年11月12日閲覧。
  2. ^ スーパーフォーミュラを運営するJRPの新社長に「NEXT50」を担当する上野禎久取締役が就任 倉下氏は取締役として支えるポジションに - Car Watch・2021年10月30日
  3. ^ a b 株式会社日本レースプロモーション 第28期決算公告
  4. ^ Racing On』(ニューズ出版)1995年9月29日号「いよいよ動き出したフォーミュラ・ニッポン」
  5. ^ 『Racing On』(ニューズ出版)2004年10月号「フォーミュラ・ニッポン構造改革への大いなる期待」及び11月号「フジテレビとFニッポンのこれから」
  6. ^ 『Racing On』(ニューズ出版)2008年12月号 p.97
  7. ^ JRPは2008年10月時点 ホンダの関連会社であった。「環境への取り組み」サイトの連携した環境負荷共通管理の推進の中で、国内連結グループ会社の1社として「(株)日本レースプロモーション」の名前が挙げられていた。しかし、2009年時点 関連会社のリストから名前が削除された。
  8. ^ 2009年に、GAZOO Racingの第1の提言:第2回 モータースポーツ組織の課題とあるべき姿において、NISMOスーパーバイザー 柿元邦彦が発言
  9. ^ フォーミュラ・ニッポン JRP 新社長…生粋の理系に期待 - response.jp・2010年4月17日
  10. ^ 日本レースプロモーション新社長に倉下氏、中嶋悟会長は留任 - サンケイスポーツ・2016年4月24日
  11. ^ スーパーフォーミュラ開幕戦鈴鹿、サタデーミーティング - Car Watch・2016年4月24日
  12. ^ 日本TCRマネジメント株式会社設立について - 日本レースプロモーション・2018年8月18日
  13. ^ 新レースシリーズ「TCRジャパン」が2019年の開催概要を発表…特徴は「土曜と日曜は別シリーズ」 - Response・2018年10月27日
  14. ^ 近藤真彦が次期取締役会長に就任へ。日本レースプロモーションが新役員人事を発表autosport web(2023年3月5日)
  15. ^ JRP新会長内定の近藤真彦「JRPとチーム、メディア、ファンとの距離を縮めたい」WBCダルビッシュ選手のファン対応を例にautosport web(2023年3月5日)