孤独なハート

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孤独なハート
長渕剛シングル
初出アルバム『HOLD YOUR LAST CHANCE
B面 「Welcome To My House」
リリース
規格 7インチレコード
ジャンル
時間
レーベル 東芝EMI/エキスプレス
作詞 秋元康
作曲 長渕剛
プロデュース 長渕剛
チャート最高順位
長渕剛 シングル 年表
GOOD-BYE青春
1983年
孤独なハート
1984年
久しぶりに俺は泣いたんだ
1985年
HOLD YOUR LAST CHANCE 収録曲
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孤独なハート」(こどくなハート)は、日本のシンガーソングライターである長渕剛の楽曲。

1984年3月21日東芝EMIのエキスプレスレーベルから12枚目のシングルとしてリリースされた。前作「GOOD-BYE青春」(1983年)からおよそ半年ぶりにリリースされ、前作に引き続き作詞は秋元康、作曲は長渕、編曲は瀬尾一三が担当している。

男女の別れをテーマにした曲であり、自分の元を離れていく女性に対して男性が強がりを言う内容の軽快なロックチューンとなっている。オリコンチャートでは最高位21位となった。

長渕主演のTBS系テレビドラマ『家族ゲームII』(1984年)の主題歌として使用された。

オリジナル・アルバムHOLD YOUR LAST CHANCE』(1984年)からの先行シングルとなっている。それ以降では、ベスト・アルバムSINGLES Vol.2 (1983〜1988)』(1997年)にのみ収録されている。

背景[編集]

この作品から長渕の声質や歌唱法が変化しており、長渕は「自分の声が、嫌で嫌でしょうがなかった」との理由から声を潰すためにルゴールの原液や奄美の50度もある焼酎をとりよせては毎日うがいなどを行っていた[1][2]。声は一度は枯れるが、また元に戻ってしまう事を繰り返し、結局は年間120ヶ所におよぶライブで歌う事によって、喉にポリープが発生し声質に変化をもたらす事となった[1][2]

音楽性[編集]

男女の別れを歌った曲。これまでの曲とは打って変わり、ロック調の曲となっている。また、この曲から長渕の声はしゃがれており、声質が変化する転換点となっている。

前作に続き作詞は秋元康が担当、また西本明や滝本季延など、尾崎豊の作品に多く関わっているミュージシャンが参加している。

音楽情報サイト『CDジャーナル』では、「軽快なポップ・ロック・チューン。自分を振った女性に対し、優しさの裏返しとして強がりを言う男の歌」と表記されている[3]

リリース[編集]

1984年3月21日東芝EMIのエキスプレスレーベルよりリリースされた。

シングル曲としては、「二人歩記」(1981年)以来となるオリジナルアルバム収録曲となった。アルバム収録バージョンはリミックスされており、一部コーラスなどが変更されている。

B面曲「Welcome To My House」は、オリジナルアルバム未収録となった。

批評[編集]

専門評論家によるレビュー
レビュー・スコア
出典評価
CDジャーナル肯定的[3]

音楽情報サイト『CDジャーナル』では、「長渕剛らしい男っぽさが味わいどころ」と評されている[3]

チャート成績[編集]

前作に次ぐテレビドラマタイアップ曲だが、オリコンチャートでの最高位21位、登場回数は15回、売り上げ枚数は10.7万枚となった。

ライブ・パフォーマンス[編集]

本作が収録されたアルバム『HOLD YOUR LAST CHANCE』(1984年)を引っ提げてのライブツアー「LIVE'84 - '85 HOLD YOUR LAST CHANCE」にて演奏されたが、後のライブでは演奏されることは全くなかった。しかし、2004年8月21日に桜島特設会場で開催された「桜島オールナイトコンサート」にておよそ20年ぶりに演奏された[4]

メディアでの使用[編集]

長渕が主演として出演したTBS系テレビドラマ家族ゲームII』(1984年)の主題歌として使用された[5]。本来であれば同ドラマは2クール放送される予定であったが、視聴率が低迷したため打ち切りとなり、急遽『うちの子にかぎって…』(1984年 - 1985年)が企画、放送される事になった[5]

カバー[編集]

シングル収録曲[編集]

全作曲: 長渕剛、全編曲: 瀬尾一三
#タイトル作詞作曲・編曲時間
1.孤独なハート(KODOKU NA HEART)秋元康長渕剛
2.Welcome To My House長渕剛長渕剛
合計時間:

スタッフ・クレジット[編集]

参加ミュージシャン[編集]

スタッフ[編集]

  • 長渕剛 - プロデューサー
  • グレッグ・ラダニー - ミックス・エンジニア
  • 陣山俊一(ユイ音楽工房) - ディレクター
  • 山里剛(ヤマハ音楽振興会) - ディレクター
  • 木村嘉男(ファンハウス) - ディレクター
  • 石塚良一 - レコーディング・エンジニア
  • 川上源一 - エグゼクティブ・プロデューサー
  • 後藤由多加 - エグゼクティブ・プロデューサー

収録作品[編集]

スタジオ音源
ライブ音源
ライブ映像
  • 『HUNGRY TOUR 1986.1.22 THE 4DAYS LIVE』(1986年)
  • 『SAKURAJIMA』(2004年)

脚注[編集]

  1. ^ a b 高山文彦 「ライナーノーツ」 『いつかの少年』、東芝EMI、1994年。
  2. ^ a b 杉田俊介 2016, pp. 67–68- 「第二章 日本人にとって男らしさとは何か」より
  3. ^ a b c 長渕剛 / シングルスVol.2(1983~1988) [2CD]”. CDジャーナル. 音楽出版社. 2019年1月26日閲覧。
  4. ^ 長渕剛 @ 桜島 野外特設会場 (鹿児島県)(2004.08.21)”. LiveFans. SKIYAKI APPS. 2019年1月26日閲覧。
  5. ^ a b 家族ゲームII - ドラマ詳細データ”. テレビドラマデータベース. キューズ・クリエイティブ. 2018年12月13日閲覧。

参考文献[編集]

  • 杉田俊介『長渕剛論 歌え、歌い殺される明日まで』毎日新聞出版、2016年4月30日、67 - 68頁。ISBN 9784620323770 

外部リンク[編集]