公設秘書
公設秘書(こうせつひしょ)とは、個人給与を国費で負担する国会議員の秘書(身分は国家公務員特別職)のことで、政策担当秘書(1994年~)、公設第一秘書(1947年~)、公設第二秘書(1963年~)の3人を置くことが国会法で認められている。
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[編集] 各公設秘書について
[編集] 政策担当秘書
- 国会法132条2項「主として議員の政策立案及び立法活動を補佐する秘書一人を付することができる」を根拠として、1議員当たり1人置くことができる(置かなくてもよいが、その場合、国から給与は支払われない)。
- 国会議員政策担当秘書の資格試験合格者または、選考採用審査認定者のみ採用できる。
詳細は「国会議員政策担当秘書」を参照
[編集] 公設第一・第二秘書
- 国会法132条「各議員に、その職務の遂行を補佐する秘書二人を付する」を根拠として、1議員当たり2人置かれている。
- 特別な資格は不要である。
[編集] 身分関係
公設秘書の任免は各国会議員の判断で行うが、給与は議員の所属する院から支払われる。また、公設秘書は、その所属する議員の指揮命令の下に勤務し、議員の所属する院の指揮命令には服さない。公設秘書の通行記章は、その所属する議員ではなく、議員の所属する院から発行される。また、公設秘書の健康保険については、事業主は議員の所属する院となっている。このように、法的に曖昧な地位に置かれているのが公設秘書の現状である。
[編集] 職務
公設秘書の職務は、国会議員の職務の補佐である(公設秘書の給与が国庫から支出される以上、公設秘書も専ら国家のための仕事に従事すべきは当然なので)。ここでいう議員の職務とは、国会議員がその地位にあることに由来して発生する職務であり、典型的には議院における諸々の活動である。党務や政治活動は、本来は国会議員としての職務ではないが、実際には、公設秘書がこれらの業務の補佐まで行っていることが多い。
[編集] 公設秘書の給与
公設秘書の給与については国会議員の秘書の給与等に関する法律を参照。
[編集] 秘書給与詐取事件と秘書給与献金問題
過去に勤務実態のない「公設秘書」をあたかも勤務実態があるように衆議院に偽の書類を提出し、その上衆議院から支給される「秘書給与」をだまし取って事務所経営等にあてた秘書給与詐取事件が発生している。
秘書給与詐取事件に関連して問題となるのが、議員が公設秘書に献金を強制する事例である。確かに政治資金規正法上は、年間5万円以上の寄付は報告書に寄付した者の氏名を記載する、1個人が1つの政治団体に年間150万円までなら寄付できるなどの条件をクリアーできれば違法ではないが、「国会議員の秘書の給与等に関する法律」では第二十一条の三(寄附の勧誘又は要求の禁止)において「何人も、議員秘書に対して、当該国会議員がその役職員又は構成員である政党その他の政治団体又はその支部(当該国会議員に係る後援団体(公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第百九十九条の五第一項の後援団体をいう。)を含む。)に対する寄附を勧誘し、又は要求してはならない。」と規定されており、公設秘書に対する政治団体への寄付の強制や勧誘は違法である。また、公設秘書の任免という議員の職務に関して公設秘書から献金が行われた場合には、贈収賄が成立するとの指摘もある。
公設秘書給与を詐取したとして立件された例は以下の通り。特に辻元清美秘書給与流用事件は社民党党首秘書の起訴にまで発展し、注目を集めた。
| 国会議員 | 詐取額 | 余罪 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 中島洋次郎 | 約1030万円 | 受託収賄罪 公職選挙法違反 政党助成法違反 |
一二審懲役2年6ヶ月追徴金1000万円 上告中に死亡し公訴棄却 |
| 山本譲司 | 約2300万円 | 政治資金規正法違反 | 懲役1年6ヶ月 |
| 辻元清美 | 約1900万円 | 懲役2年執行猶予5年 | |
| 坂井隆憲 | 約2400万円 | 政治資金規正法違反 | 懲役2年8ヶ月 |
| 佐藤観樹 | 約1700万円 | 懲役1年4ヶ月 |
[編集] その他
- 国会議員は65歳以上の者を公設秘書に採用することができない。
- 斡旋利得罪は国会議員公設秘書も対象となっている。
- 2004年以降、公設秘書は当該国会議員の配偶者がなることを禁止している。
- 民主党では内規で3親等以内の親族を公設秘書とすることを認めない方針を取っていた。2009年に第45回衆議院議員総選挙で民主党の新人が急増したために公設秘書が足りない事態になった。そこで民主党は「1親等以内は禁止」に内規を緩和した。