亀割バイパス (山形県)

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国道47号標識
国道47号標識

亀割バイパス(かめわりバイパス)は、山形県新庄市舟形町を結ぶ、国道47号のバイパスである。

山形県新庄市鳥越付近

概要[編集]

長尾トンネル

歴史[編集]

亀割の名前は、新庄市と最上町の境に位置する亀割山に由来し、この山を越える亀割峠は、源義経の東下りの故地である。この峠を越える途中で、義経の奥方、北の方が急に産気づき、男の子を出産した[1]武蔵坊弁慶は、赤ん坊の産湯を探して小国川まで下り、長刀を突いた所お湯が噴出したという。これが瀬見温泉の由来であり[1]、峠には「弁慶清水」がある。また、生まれた子供は、亀割から「亀若丸」と名付けられたという。

ただし、亀割峠がメインルートであったということではなく、宮城県大崎市から新庄市へ向かう北羽前街道(最上街道)は、現在の山形県道56号新庄舟形線を通って、舟形宿で羽州街道(現国道13号)に合流していた。亀割峠越えの道は、瀬見街道と呼ばれていた。

国道47号自体も、長らく舟形を通り、舟形交差点から鳥越交差点までを国道13号との重複区間としていたが、重複区間の交通渋滞が常態化し[2]、特に舟形交差点の前後区間が動かない状態になっていたため、亀割バイパスを建設することになり、19年にわたる難工事を経て1992年(平成4年)に開通した[2]。バイパス供用により通行の所要時間は21分から11分に短縮された[2]

由緒ある亀割の名がついているものの、厳密に言えば亀割峠越えの道路ではなく、ほぼ新庄峠越えの新道である。新庄峠は、現在の最上東部広域農道の休場地区内の区間および山形県道318号新庄長沢尾花沢線に相当する。

脚注[編集]

  1. ^ a b 風流 源義経「亀割峠の場」 : 平成17年 16番運行 物語部門”. 新庄まつり公式ホームページ. 新庄まつり実行委員会 (2005年). 2024年2月20日閲覧。
  2. ^ a b c 管内の歩み : 平成4年(1992年)9月24日 国道47号亀割バイパス(舟形町長沢~新庄市鳥越)供用”. 新庄国道維持出張所. 国土交通省東北地方整備局. 2024年2月20日閲覧。 “不安定な真砂土のため切土法面が崩落するなど工事は難行したが、昭和62年1月26日に長尾トンネルが貫通し、平成4年9月24日に19年の歳月を経て完成供用された。”

関連項目[編集]