ランチア・デルタS4

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ランチア・デルタS4
S4 Gr.B #209(フロント)
Lancia Delta S4 005.JPG
(リア)
Lancia Delta S4 006.JPG
乗車定員 2 人
エンジン 1,759cc 縦置き 直列4気筒 DOHC ツインチャージャー
最高出力 456 ps-600 ps
駆動方式 ミッドシップ4WD
サスペンション ダブルウィッシュボーン
全長 4,500mm
全幅 1,800mm
全高 1,500mm
ホイールベース 2,440mm
車両重量 890 kg
後継 ランチア・ECV1
-自動車のスペック表-

ランチア・デルタS4 (Lancia Delta S4)は、イタリアの自動車会社ランチア世界ラリー選手権(WRC)に参戦するために製造された車である。

概要[編集]

型式名はZLA038ARO。 デルタの名を持つが、シャーシは量販車のデルタと異なる専用設計である[1]。また型式名にランチアの800番台、フィアットの100番台でもないアバルトの開発コードSE038をそのまま使っていることも、ラリー専用車両であることを表している[2]

エンジンは、フィアット製1,759ccの直列4気筒DOHCツインチャージドエンジン。これをリアミッドシップに縦置きした。過給機はターボチャージャーに加え低回転域ではスーパーチャージャーを使うツインチャージャーを採用している。このエンジンは最高出力456ps/8,000rpm、最大トルク46kgf·m/5,000rpmを発生し、1986年最終戦アクロポリスラリーでは600psを超えていた。パワーウエイトレシオは2kg/psを切り、そのパワーで890kgの軽量な車体を加速させた。ただしこの過剰なパワーがピーキーな挙動を生み、乗り手を選ぶ車ともなった。

駆動方式は、1985年当時では最新と言える、ビスカスカップリングによるフルタイム4WDを採用している。また初期のエボリューションモデルには、デフロックのためのレバーがある。しかし、グループB車両に対しての出力規制が甘かったため生まれたこのハイパワーモデルは、結果的に扱いの難しさからドライバーやコドライバーだけでなく、観客をも巻き込んだ死亡事故を誘発させた側面も持つ。

主な戦歴・エピソード[編集]

ランチア・ECV1
  • グループB終了のため撤回された上位カテゴリ・グループS用のマシンとして、S4の発展型である『ランチア・ECV(en:Lancia_ECV)(Experimental Composite Vehicle)』及び『ECV2』(アバルト開発コード041)とグルッポS(アバルト開発コード042)がある。『ランチア・ECV』は1986年のボローニャ・モーター・ショウで発表された後一旦は行方不明となるが、後に発見され、かつてのセミワークスチームであったヴォルタ・レーシングの手により修復されサンマリノで行われた2010年10月のイベント「ラリー・レジェンド」で走行している。『ECV2』は1988年にハイテク素材と空力改善のテストベッドとして発表されたのみ。ただし、これもイタリアに現存している。

関連項目[編集]

脚註[編集]

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  1. ^ ちなみに1985年までグループBに参戦した037ラリーは、コクピット周りのモノコックを量販車から流用し、前後にスペースフレームのシャーシを追加したもの。
  2. ^ ただし「12ヶ月間で200台生産。ただし競技用の車両20台も含めていい。」なるグループBの出場資格のため市販車両(ストラダーレ)が製作された。

外部リンク[編集]