プロライフ

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プロライフ: pro-life)は、生命を尊重する立場のことをいい、狭義では人工妊娠中絶の是非をめぐる議論における中絶反対派のことを示す。具体的には「胎児の生命」と「女性の選択権」を比較した場合、人工妊娠中絶を受ける事によって胎児殺害され死亡してしまう重大な犠牲を伴うため「胎児の生命」を優先する立場のこと。対語プロチョイス(チョイス=選択)あるいはプロライト(ライト=権利)である。

プロライフの立場では、女性が選択する権利は、性行為をしたときにすでに行使されたのであり、いのちは無条件で尊く、赤ちゃんを殺す権利はないと主張される[1]。なお、近親相姦強姦を理由とした中絶は1%であり、95%の中絶は近親相姦、強姦、胎児の状況ではなく、女性の都合によってなされる[2][3]

歴史[編集]

正統的なキリスト教会は初代教会から一貫して人工妊娠中絶を殺人とみなし、これに反対している[4][5]。ごく初期のころから教会は、人工妊娠中絶の罪に罰を与えた[6]

アメリカ合衆国では中絶は違法であったが、これを合法化したロー対ウェイド判決の日に、この殺人を終わらせるため、いのちの行進が行われる。

我が国においては1949年の優生保護法の改定で「経済的理由」による中絶が認められるようになってから、日本における中絶が激増した。日本人たちはアメリカ軍や映画、テレビで見たアメリカ中産階級の豊かな生活を模倣するために、胎児を出産すると生活水準が低下すると考えた子どもを、経済を理由に中絶したといわれる。[7]

1991年4月25日 - 27日に東京カトリック系の大学である上智大学国際生命尊重会議が開催され、世界で初めての「胎児の人権宣言」が宣言された。

教皇ヨハネ・パウロ二世1995年に出した回勅いのちの福音は、いのちの福音がイエス・キリストの教えの中核であり、神の永遠の律法は「殺してはならない」と命じていると教える。人工妊娠中絶は殺人であり、1917年の教会法典は、中絶の罪に対し教会の宣告を待たずに自動的に破門とされる伴事的破門制裁を定めているが、改定された教会法典でもこの規定は有効であり、中絶した者と、手助けした者が破門されることを確認している。[6]

2009年11月正教会カトリック教会福音派の指導者がマンハッタン宣言に署名。この宣言は、人間の生命の神聖、結婚の尊厳、良心と信仰の自由を宣言し、中絶、性的罪、またそれを容認する勢力を退けている。この中で、2000年にわたって神のことばを宣言し、弱者を助けてきたクリスチャンの働きがあることを表明している。[8]

プロライフ団体の一覧[編集]

五十音順

脚注[編集]

  1. ^ 辻岡健象『小さな鼓動のメッセージ』いのちのことば社
  2. ^ チャールズ・スウィンドル『性といのちの問題』いのちのことば社
  3. ^ 女性はなぜ中絶するのか? 最近の研究データの考察
  4. ^ マイケル・J・ゴーマン『初代教会と中絶』すぐ書房
  5. ^ 『現代カトリック事典』エンデルレ書店
  6. ^ a b ヨハネ・パウロ二世『いのちの福音』Evangelium Vitae「第三章:殺してはならない」
  7. ^ 山田昌弘『少子化社会日本』p.76
  8. ^ The Manhattan Declaration

関連項目[編集]

参考文献[編集]

外部リンク[編集]