デーヴ (映画)
| デーヴ | |
|---|---|
| Dave | |
| 監督 | アイヴァン・ライトマン |
| 脚本 | ゲイリー・ロス |
| 製作 | アイヴァン・ライトマン ローレン・シュラー・ドナー |
| 製作総指揮 | ジョー・メジャック マイケル・C・グロス |
| 出演者 | ケヴィン・クライン シガニー・ウィーバー |
| 音楽 | ジェームズ・ニュートン・ハワード |
| 撮影 | アダム・グリーンバーグ |
| 編集 | シェルドン・カーン |
| 配給 | ワーナー・ブラザーズ |
| 公開 | |
| 上映時間 | 110分 |
| 製作国 | |
| 言語 | 英語 |
| 興行収入 | $63,270,700[1] |
『デーヴ』(原題: Dave)は、1993年公開のアメリカ映画。コメディ映画。監督はアイヴァン・ライトマン、主演ケヴィン・クライン。配給ワーナー・ブラザーズ。
脚本のゲイリー・ロス(Gary Ross)はアカデミー脚本賞(1993年)に、ケヴィン・クラインはゴールデングローブ賞 主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)(1993年)に、それぞれノミネートされた。
目次 |
概要 [編集]
ホワイトハウスを舞台に、平凡な男性(ケヴィン・クライン)が再起不能の大統領の影武者にされて国を引っ張るドタバタ振りと、孤独なファーストレディー(シガニー・ウィーバー)との大人のロマンスを絡め、名も無き男(ミスター・スミス)によりアメリカの良心は守られるという映画の定番をコメディタッチで描いている。
偽の大統領への忠誠心で揺れる護衛官のヴィング・レイムス、悪者から善人に戻っていく報道官のケヴィン・ダン、町の会計士で国家予算編成に協力させられるチャールズ・グローディン、国民への奉仕を忘れない副大統領のベン・キングズレーと脇をがっちり固めているが、大統領補佐官役のフランク・ランジェラが憎々しげな悪役を演じている。テレビ番組の司会者、政界のお偉方、映画スターも本人役で出演しているオマケもある。
ストーリー [編集]
ボルティモアでパートタイムの職業斡旋所を経営するデーヴ・コーヴィック(ケヴィン・クライン)はお気楽な男。会社の秘書アリス(フェイス・プリンス)と離婚して独り身だが、食うに困らず気ままな毎日を送っていた。唯一、人と違うことがあるとすれば、時の大統領ビル・ミッチェル(ケヴィン・クラインの一人二役)と瓜二つなことぐらい。ある日デーヴが馴染みの自動車販売店でのキャンペーンで大統領のそっくりさんとして物真似を披露していると、その様子に2人のシークレット・サービスが目を留めていた。
デーヴが糖尿病持ちの夫と3人の子供を抱えて職を失ったヒスパニックの女性に、パートタイムではあるが職を紹介し、上機嫌で自宅に戻ったある日、そこにはあの2人のシークレットサービスがいた。デーヴは脱税調査かと思い身構え、大統領の物真似はボランティアと趣味で無報酬だと慌てて伝えるが、シークレットサービスの一人デュエイン・スティーヴンソン(ヴィング・レイムス)は税務署の人間ではないとデーヴを制止すると、本題を切り出した。デュエインは、大統領が公の場に出る時に彼の安全確保のため替え玉を使うので、デーヴに替え玉役をやってほしいと依頼した。
数日後の夜、デーヴは大統領がスピーチを行うモンローホテルに大統領の替え玉として居た。大統領専属の美容師がデーヴの髪を切り揃え、髪の色も大統領にそっくりだ、と褒めていた。そこへ大統領特別補佐官のボブ・アレグザンダー(フランク・ランジェラ)が現れ、デーヴの仕事内容を確認した。デーヴの仕事はスピーチが終わった後ホテルのメイン・エントランスを通って観衆に手を振りながら車に乗り込むだけだったのだが、デーヴはもっと他に出来る、とボブに伝えると、ボブはそっけなく手を振って車に乗り込むだけだ、と言い放った。
やがてスピーチの終わった大統領が部屋に待機していたデーヴと対面すると、あまりの瓜二つぶりに驚きを隠せず、君はハンサムだなというと、デーヴは嬉しそうに笑って礼を言った。だが大統領は、笑うと間抜けに見えるから笑うな、と言って別の部屋に引っ込んだ。そしてデーブの出番だった。ホテルの地下厨房前を通り、メインエントランスに出ると多くの観衆が拍手でデーヴを迎えた。感極まったデーヴは車に乗り込む直前踵を返し、アメリカ万歳!と叫ぶとより一層強い拍手を受けた。車の中でデーヴは同乗のデュエインに、きっと替え玉を用意するぐらいなのだから今大統領は何かの極秘事項に関わっているのだろうと尋ねたが、もちろんデュエインは答えなかった。
その頃当の大統領本人はといえば、モンローホテルの一室で秘書の一人ランディと情事の真っ最中。大統領がシークレットサービスに替え玉を用意させたのは密会の時間を捻出するためだったのだ。だがしかし、今日はいつもと違った。元々血圧の高かった大統領は愛人との情事の最中に脳卒中を起こし、秘密裏に救急車を呼ぶ羽目になった。この緊急事態に最も慌てたのは、次の大統領の椅子を虎視眈眈と狙っていた大統領特別補佐官のボブだった。このままでは敵対している副大統領が大統領に昇格してしまう、と危機を感じたボブは報道官のアラン・リード(ケヴィン・ダン)と結託し、一夜限りの影武者として雇っていたデーヴを大統領に祭り上げる事にした。急にホワイトハウスに呼ばれたデーヴは例の車に乗り込む前のパフォーマンスは悪かったとひたすら謝るが、ボブとアランの2人は、大統領役の延長を申し入れてきた。唐突な話にデーヴは困惑して不測の事態に備えて副大統領がいるのでは、と尋ねるとボブは、副大統領は精神的に正常でなく、とても国を任せられないと言った。2人は混乱するデーヴを丸め込み、大統領役を演じる事を承諾させた。その日の夜デーヴはホワイトハウスの居住区を案内されながら、マスコミにはおしどり夫婦で通している大統領夫妻が実は仮面夫婦だと知らされた。
翌日アランはマスコミに大統領は軽い脳卒中で、2・3日中にでも公務に復帰できると発表した。勿論その間にデーヴに政府の仕組みや閣僚の顔と名前を覚えさせ、そしてアフリカ親善に出発させた副大統領を架空のスキャンダルで陥れる計画だった。何も知らない主治医もまた大統領は完璧な健康体で脳卒中を起こしたのが信じられないとマスコミに発表した事で、世間に流布した大統領偽者説は立ち消えした。アランとボブはデーヴの職場に電話をさせ、美しい人と出会ったから旅行を楽しんでくる、と伝えさせた。元々頭の良かったデーヴは政府の仕組みや閣僚・ホワイトハウス内の職員の顔と名前をすぐに覚えた。初めて執務室に入る時、愛人の秘書ランディの人目を憚らない熱烈すぎる歓迎にデーヴは面食らったが、ボブとアランは、彼女は熱烈な大統領支持者だとごまかした。だが、ファーストレディーのエレン(シガニー・ウィーバー)と初めてホワイトハウスのバルコニーに立った時、デーヴは大統領夫妻に愛情は存在しない事実を突き付けられた。
本物の大統領には無かった暖かさなど、人間的魅力からデーヴ演じる大統領に対する世間の評判はうなぎ上りに上昇した。テレビの討論番組ではかつてのゾンビのような大統領は脳卒中のショックで消え、生まれ変わったのだと評された。ボブとアランの2人が副大統領を陥れるスキャンダルを見つけた頃、デーヴはエレンと共に、ホームレスのためのシェルター視察に出かけた。車の中でスカートのスリットから覗くエレンの足にどぎまぎし、何度もつい覗いてしまうデーヴにエレンは疑いを感じた。シェルターに着くと、そこは多くの子供達で溢れかえり、仰天するデーヴは職員にこの子達の親はどこにいるのかと尋ねると、職員は同じように路上生活をしていたり刑務所に入っていたりする、と答えた。ホームレスの現実にただ仰天するばかりのデーヴをよそに、職員は子供達がコミュニケーション能力を失わないようにゲームを通して鍛え始めた。だがその時、デーヴは他の子供達の輪から離れ一人車のおもちゃで遊ぶ少年デイヴィッドを見つけた。デーヴは盛んにカメラのフラッシュを切る記者陣を制止し、デイヴィッドに手品を披露した。手品を披露している時デーヴはエレンが暖かい微笑をデーヴに向けている事に気が付いた。
だが数日後、ホームレスの子供達を支援するための法案がボブによって拒否され、それに怒り狂ったエレンはまたマジックで子供達のための法案を消したんだ、とデーヴを責めた。呆然とするデーヴに対してボブは悪びれる様子もなく本当に国のためになる法案だったら消さなかった、と言い捨て、6億5千万ドルの予算を捻出できれば法案は通してやると挑発した。一念発起したデーヴは親友の会計士マーリー(チャールズ・グローディン)をホワイトハウスに呼び入れ正体を明かし、国家予算の中から6億5千万ドル以上削る手伝いをして欲しいと申し入れた。マーリーは最初こそ躊躇していたが、デーヴの真摯な態度に胸を打たれ、政府の予算案と資金管理の杜撰さに呆れながらも会計士の資格を遺憾なく発揮して国民の目線から見た無駄遣いを次々と指摘した。
翌日、副大統領を陥れるためのスキャンダルが新聞の一面を飾り、ボブはその新聞を持って上機嫌で閣議室にやってきた。会議室は閣議100回記念のために呼んだマスコミで溢れかえっていたが、ボブはこのスキャンダルを見つけたアランを天才だと賞賛した。そしてデーヴが入ってくると閣議は始まり、デーヴは当初の予定には無かった予算案を議題に持ち出した。ボブは、それは今日の予定ではないと進言したがデーヴは一分前に変更になった、と聞き流し、マーリーとの打ち合わせに基づいてホームレスのための法案を成立させるため、予算の枠組みを変更していった。閣議の最後で削った予算はホームレスのための法案を成立させるための必要額に達し、マスコミと閣僚の全てが暖かい拍手をデーヴに送った。勿論ボブを除いて。ホームレスのための法案が今度こそ成立した事はすぐさまエレンにも伝えられた。誰もいなくなった閣議室でボブとアランは言い争いをしていた。激昂してデーヴをすぐ刑務所に送ってやる、と息巻くボブに対して、アランはそんな事をすればわれわれも同罪だ、とたしなめた。アランもまた、デーヴの人間的な魅力に心を奪われていたのだ。
デーヴはマーリーに感謝の気持ちを伝えるがマーリーは結果を見届けると「早く出てこいよ、こんなとこ」とデーヴに忠告して去っていった。その夜エレンはデーヴの私室を訪ね、閣議は素晴らしかった、州議会の頃を思い出さなかったか、とデーヴに問い掛けた。デーヴは勿論、と答えると、エレンはしてやったりの顔であなたが州議員だった事は無いといい、あなたは誰なのかと尋ねた。正体が悟られた事で言葉が出てこないデーヴにエレンは、本物の大統領は今どこで何をしているのか、と尋ねた。全てを知っているデュエインがデーヴ達を案内したのはホワイトハウスの秘密地下室で、そこには機械につながれ自分で呼吸も心臓を動かす事も出来ない大統領が横たわっていた。呆然とするエレンにデュエインは、後はもう死ぬだけだと伝えた。
このままホワイトハウスにいる意味が無いと身支度を整えるエレンの部屋にデーヴもまた荷物を整えて訪ねた。エレンの自宅まで車で送っていこう、とデーヴは言い、デーヴはジョンソン大統領が愛人との逢引に密かに使っていた地下通路を使ってホワイトハウスを抜け出し、デュエインが用意した車に乗り込んだ。車の中でデーヴはいつ私が偽物だと気付いたのか、とエレンに尋ねた。エレンはホームレスシェルターに向かう車の中だと答えた。エレンは、諦めた様な口調で本物の大統領は私の脚なんか見ない、といった。2人は左折禁止の交差点を左折した事で警官に職務質問を受け、デーブは苦しみ紛れに大統領夫妻のそっくりさん業で稼いでいるのだと弁明し、エレンと2人で芝居アニーのトゥモローを歌う事で難を切り抜けた。2人は外で食事をし、エレンはまだあなたにはやるべき事が残っているとデーブを説き、2人はホワイトハウスに戻った。
翌日、デーヴが勝手に報道陣を呼んだ事に怒り狂ったボブにデーヴは解雇を言い渡し、全国民に職業を斡旋する事を発表した。デーヴの大統領としての仕事は、これからだった。
キャスト [編集]
| 役名 | 俳優 | 日本語吹き替え | ||
|---|---|---|---|---|
| ソフト版 | テレビ朝日版 | |||
| デーヴ・コーヴィック/ビル・ミッチェル大統領 | ケヴィン・クライン | 納谷六朗 | 古川登志夫 | |
| エレン・ミッチェル | シガニー・ウィーバー | 弥永和子 | ||
| ボブ・アレグザンダー大統領特別補佐官 | フランク・ランジェラ | 大木民夫 | 坂口芳貞 | |
| アラン・リード大統領補佐官 | ケヴィン・ダン | 富山敬 | 屋良有作 | |
| デュエイン・スティーヴンソン | ヴィング・レイムス | 大友龍三郎 | 天田益男 | |
| ゲイリー・ナンス副大統領 | ベン・キングズレー | 品川徹 | 大木民夫 | |
| マーリー・ブラム | チャールズ・グローディン | 牛山茂 | 梅津秀行 | |
| アリス | フェイス・プリンス | 一柳みる | 一城みゆ希 | |
| ランディ | ローラ・リニー | 雨蘭咲木子 | 佐藤しのぶ | |
| ホワイトハウスのツアー・ガイド | ボニー・ハント | |||
| ジョン・マクラフリン | 藤本譲 | |||
| ジェイ・レノ | 星野充昭 | |||
| オリバー・ストーン | 水野龍司 | 仲野裕 | ||
| ベン・スタイン | ||||
| ラリー・キング | 古田信幸 | |||
| アーノルド・シュワルツェネッガー | 玄田哲章 | |||
- ソフト版:VHS・DVD・Blu-ray収録。
- テレビ朝日版:初放送1997年11月23日 『日曜洋画劇場』
脚注 [編集]
- ^ “Dave (1993)” (英語). Box Office Mojo. 2009年11月2日閲覧。
外部リンク [編集]
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