デイノスクス

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デイノスクス
生息年代: 80.0–73.0 Ma
中生代白亜紀末期
デイノスクス
デイノスクス(生態復元想像図)
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
上綱 : 四肢動物上綱 Tetrapoda
: 爬虫綱 Reptilia
亜綱 : 双弓亜綱 Diapsida
下綱 : 主竜型下綱 Archosauromorpha
階級なし : クルロタルシ類 Crurotarsi
上目 : ワニ形上目 Crocodylomorpha
: ワニ目 Crocodilia
亜目 : 正鰐亜目 Eusuchia
: アリゲーター科 Alligatoridae
: デイノスクス属 Deinosuchus
学名
Deinosuchus Holland, 1979
シノニム

Polydectes Cope, 1869 Phobosuchus Nopsca, 1924

和名
デイノスクス
  • D. rugosus (模式種)
  • D. hatcheri
  • D. riograndensis

デイノスクス(学名:Deinosuchus)は、約8,000万- 7,300万年前(中生代白亜紀末期カンパニアン- マストリヒシアン)の北アメリカ大陸に棲息していた、既知で史上最大級のワニワニ目-正鰐亜目-アリゲーター科に分類される肉食性爬虫類。テキサス州のダラス自然科学博物館[1]に完全な頭部の化石が存在する[2]

呼称[編集]

学名は古典ギリシア語: δεινος (deinos) 「怖ろしい」 + σουχος (souchos) 「ワニ」の合成語[3]日本語では仮名綴り上の類似から「ディノスクス」などとも呼ばれることがあるが、本来的には「デノ…」ではなく「デノ…」であろう。 英語では、「ダイノスーカス」に近い発音をするのが通常。

本属のシノニムには、Polydectes(ポリデクテス)と Phobosuchus(フォボスクス)がある。

特徴[編集]

デイノスクスの体長に関する想像比較図(緑色は現生するイリエワニの最大個体)

現在のところ完全な状態で発見されたのは全長約180センチメートルの頭蓋骨のみで、他に発見されたのは脊椎肋骨などの一部であるが、その大きさから全長は15メートルほどに達するのではないかと推測され、史上最大のワニとされてきた。しかし、最近の研究によればその数値は過大なものではないかともされ、10メートル程度だったとする説もある。骨の研究から、寿命は約50年と推測されている。その頭蓋骨は現生のワニ同様に骨性二次口蓋具えていた。

巨大なワニ類の化石としてはほかにもサルコスクスやプルスサウルスなどが発見されているが、どれが最大種であるのかについては判断するに足る確実な情報が乏しく、ゆえに不明である。ただし、デイノスクスの全長がサスコスクスと同等かそれ以上であれば、質量面ではより細身のサルコスクスを上回ると考えられる。

生態[編集]

現生ワニ類と同じく、水際に潜んで獲物を狙う捕食動物であり、魚を始めとする水棲動物のほか、水辺に近づく植物食恐竜等の陸棲動物も獲物にしていたと思われる。

しかし一方で、現生ワニ類よりも胴が短く四肢が長いことから、陸棲であった可能性も指摘されている。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • ヘーゼル・リチャードソン 『ネイチャー・ハンドブック:恐竜博物図鑑』 新樹社、2005年、ISBN 4-7875-8534-7

脚注[編集]

  1. ^ Dallas Museum of Nature and Science
  2. ^ A "Super-Croc"
  3. ^ ちなみに、ギリシア語 δεινος は「恐竜」を意味する Dinosauria、英語: dinosaur の前半にも現れている。deino-/dino- の違いはギリシア語を転写する方法の違いによるもの。 → 英語版 Romanization of Greek を参照。生物種名におけるギリシア語の翻字はおおむねこの表の Classical (2列目)に相同だが、ときに Scientific (3列目)の方式が使われることもある。