スッポンモドキ

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?スッポンモドキ
スッポンモドキ
スッポンモドキ Carettochelys insculpta
保全状態評価
VULNERABLE
(IUCN Red List Ver.2.3 (1994))
ファイル:Status iucn2.3 VU.svgワシントン条約附属書II類
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: カメ目 Testudines
亜目 : 潜頸亜目 Cryptodira
上科 : スッポン上科 Trionychoidea
: スッポンモドキ科
Carettochelyidae
Boulenger, 1887
: スッポンモドキ属
Carettochelys
Ramsay, 1886
: スッポンモドキ C. insculpta
学名
Carettochelys insculpta
Ramsay, 1886
和名
スッポンモドキ
英名
Fly river turtle
Pig-nose turtle
Pitted-shelled turtle

スッポンモドキ(鼈擬、Carettochelys insculpta)は、動物界脊索動物門爬虫綱カメ目スッポンモドキ科スッポンモドキ属に分類されるカメ。本種のみでスッポンモドキ科スッポンモドキ属を形成する。別名ブタハナガメブタバナガメ

目次

[編集] 分布

潜頸亜目では本種のみがオーストラリアに自然分布する。模式標本の産地(模式産地)はフライ川パプアニューギニア)で、英名の由来にもなっている。

インドネシアパプア州南部)、オーストラリア(ノーザンテリトリー北部)、パプアニューギニア(ニューギニア島領南西部)

[編集] 形態

最大甲長56.3cm(さらに大型化し80cmに達するとされる)。最大体重22.5kg。背甲腹甲共に甲板がない。背甲はドーム状に盛り上がり、上から見ると楕円形。背甲の表面は無数の細かい皺や小さい穴で覆われ、英名(pitted-shelled=穴のある甲羅の)の由来になっている。背甲の色彩は灰色や緑褐色一色で、外縁は白や淡黄色。腹甲は大型。背甲と腹甲の継ぎ目(橋)は発達する。腹甲の色彩は白や淡黄色一色。

頭部は大型。吻端が長く突出し、鼻腔は大型。吻端及び鼻腔がブタのように見えることが英名(pig-nose=ブタの鼻)や別名の由来になっている。前肢の第1-2指には爪があり、第3-5指は長くオールや鰭状になる。後肢の趾の間には水掻きが発達する。泳ぐ際はこの鰭状の前肢を左右同時に、鳥が羽ばたく様に動かす。ウミガメと同じ泳ぎ方であるが両者が近縁という訳ではなく、収斂進化の結果である。頭部や四肢、尾の色彩は背面が灰色や緑褐色、腹面が白や淡黄色。

卵は球形で、白く固い殻で覆われる。幼体の背甲は扁平で、上から見ると円形。背甲の正中線上に瘤状の盛りあがり(キール)があり(甲板の名残とされる)、背甲の外縁に白い斑点がある。背甲は成長に伴いドーム状に盛り上がると共に細長くなり、キールは消失する。白い斑点は成体では消失する個体もいる。

メスはオスに比べ、相対的に背甲が幅広く甲高が高い。またオスは尾が太いうえに長く、総排出口が尾の先端寄りにある。

[編集] 分類

スッポンモドキ科は内部形態や分子系統学の研究からスッポン科と最も近縁とされ、単系統群を形成する説が有力である。

スッポンモドキ科唯一の現生種である本種はオセアニアにのみ分布しているが、スッポンモドキ科は白亜紀中期の約一億年前にアジアウズベキスタン、日本、モンゴル)に現れている。日本では熊本県の9,000万年前の地層(御船層群)からスッポンモドキ科の構成種とされる化石が発見されている。そして約5,500万年前の暁新世において北アメリカ大陸ヨーロッパに分布をひろげている。アフリカ大陸においては、ザイールの1,100万年前の地層から化石が発見さた。しかし、現在の生息域においては約500万年にニューギニアで発見されたものが最古である。1,000万年ほど前に現在の生息域に漂着、繁栄したものの、他の地域のものは何らかの理由で絶滅してしまったのであろう。

オーストラリアの個体群を亜種として分ける説もあるが、根拠が不明なため亜種として認めない説が有力。

[編集] 生態

底質が泥や砂礫で水深が浅く水の澄んだ流れの緩やかな河川湿地等に生息する。ニューギニア島では汽水域で見られることもある。完全水棲種で、産卵を除いて上陸することはない。

食性は植物食傾向の強い雑食で、果実(主にイチジク属)、水草藻類昆虫類甲殻類貝類魚類等を食べる。乾季は主に植物質を、雨季には植物質と動物質を食べる。

繁殖形態は卵生。夜間に土手や河原に穴を掘り、オーストラリアでは7-11月に1回に4-39個の卵を産む。性染色体を持たないため、発生時の温度が一定の温度より高いとメス、低いとオスになる(温度性決定)。卵は自然下では31.6℃で86-102日、人工孵化では30℃で64-74日で孵化した例がある。

[編集] 人間との関係

生息地では卵も含めて食用とされる。

開発による生息地の破壊、水質汚染、食用やペット用の乱獲等により生息数は激減している。オーストラリアやパプアニューギニアでは販売や輸出が禁止されている。またオーストラリアでは原住民が自家消費する分を除いて卵の採集を禁止している。2005年にワシントン条約附属書II類に掲載された。

ペットとして飼育されることもあり、日本にも輸入されている。主に野生個体の卵を採取し、人工的に孵化させた幼体が流通する。以前は高価だったが、流通量の増加に伴い価格が急落した。しかしワシントン条約付属書II類に掲載されたため流通量は以前より減少し、価格も高騰している。大型種のうえに遊泳性が強いため、大型のケージが用意できない限り一般家庭での飼育には向かない。アクアリウムで飼育される。協調性が悪く複数の個体を同じケージで飼育するとお互いに噛み合うため、単独で飼育する。

日本国内では2008年名古屋港水族館が初めて本種の飼育下繁殖に成功した。

[編集] 画像

[編集] 関連項目

ウィキメディア・コモンズ

[編集] 参考文献

  • 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ7 オーストラリア、ニューギニア』、講談社2000年、107、217頁。
  • 千石正一監修 長坂拓也編 『爬虫類・両生類800種図鑑 第3版』、ピーシーズ、2002年、211頁。
  • 『小学館の図鑑NEO 両生・はちゅう類』、小学館2004年、73頁。
  • 安川雄一郎 「スッポンモドキの分類と自然史」『クリーパー』第24号、クリーパー社、2004年、8-23頁。
  • 海老沼剛 『水棲ガメ2 ユーラシア・オセアニア・アフリカのミズガメ』、誠文堂新光社2005年、65頁。
  • 安川雄一郎 「水棲ガメの世界」『ハ・ペト・ロジー』Vol.3、誠文堂新光社、2005年、20、26頁。
  • 「NEWS & INFORMATION」『クリーパー』第43号、クリーパー社、2008年、116頁。
  • 平山廉 『カメのきた道 : 甲羅に秘められた2億年の生命進化』 NHKブックスISBN 978-4-14-091095-5。50-52頁。

[編集] 外部リンク