クリケット・ワールドカップ

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ICC男子クリケット・ワールドカップ
競技 クリケット
開始年 1975年
主催 国際クリケット評議会(ICC)
チーム数 14チーム
前回優勝  オーストラリア2023年、6)
最多優勝  オーストラリア (6回)
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ICC男子クリケット・ワールドカップ: ICC Men's Cricket World Cup)は、1975年に開始された国際クリケット評議会(ICC)が主催する、ナショナルチームによるクリケット世界選手権である。試合形式は50オーバー(300球)限定の1イニング制であるワン・デイ・インターナショナル(ODI)。

200以上の国と地域で視聴されており[1]FIFAワールドカップ夏季オリンピックに次いで世界で3番目に視聴者数の多いスポーツイベント[2]インドパキスタンの一戦は10億人以上が視聴した[3]。世界の16歳以上の競技人口が3億人を超えるスポーツの世界選手権である[4][注 1]。クリケットはサッカーに次いで世界で2番目に人気のあるスポーツとの評価を受けることがあり[5][6][7]、特に盛んなイギリス連邦諸国では絶大な盛り上がりを見せる[8]。1975年に第1回大会が行われて以来、4の倍数年の前年(卯年未年亥年)に開催されている。2019年の第12回大会には10チームが出場し、イングランドが初優勝した。最多優勝はオーストラリアの6度である。

2023年大会の決勝戦で使用される予定のナレンドラ・モディ・スタジアム。収容人数は13万2000人[9]

2007年には、さらに投球数の少ない20オーバー(120球)限定であるトゥエンティ20(T20)形式のT20ワールドカップが開始された。2022年に開催されたT20ワールドカップでは、ICCの動画配信プラットフォームにおいて65億8000万回の視聴回数を記録した[10]。2024年にアメリカなどで開催されるT20ワールドカップでは本大会の参加チーム数が20に拡大され、ODI形式のワールドカップより多い[11]

参加資格[編集]

2015年大会までは、ワン・デイ・インターナショナル公式参加資格(ODIステータス)を永久的に持つナショナルチーム10か国は、予選を免除されていた。

予選免除国は以下の通り。()内はODIステータス取得年:

このうち2015年大会まで全10大会に出場したのは、イングランド、オーストラリア、ニュージーランド、西インド諸島、インド、パキスタン、スリランカの7か国である。優勝国・準優勝国もすべてこの7か国の中から出ている。

2015年大会の予選は、前回大会とは異なる方式で予選が行われた。まず、2011年から2013年に行われたICCワールドクリケットリーグチャンピオンシップに参加した8か国のうち、上位2か国が本大会への出場権を獲得した。

さらに2014年、3位以下の6か国に、2011年に行われたICCワールドクリケットリーグ・ディビジョン2で3位と4位になった国、そして2013年に行われたICCワールドクリケットリーグ・ディビジョン3の上位2か国を加えた計10か国が予選を行い、上位2か国が本大会への出場権を獲得した。

2019年大会からは出場国を10か国に減らし、開催国のほか、ICC ODIチャンピオンシップ上位の7か国と最終予選を勝ち抜いた2か国が出場する。

出場国はいわゆるイギリス連邦の加盟国が大半を占めるが、連邦外で最も目立つのはオランダである。1996年に初出場を果たし、1次リーグ突破は未だ果たしていないものの、2003年大会ではナミビアから、2007年大会ではスコットランドから、それぞれ1勝ずつ挙げている。

歴代大会結果[編集]

開催年 開催国 決勝 参加
会場 優勝 準優勝 結果
1975年 イングランドの旗 イングランド ロンドン 西インド諸島の旗 西インド諸島
291/8 (60 overs)
オーストラリアの旗 オーストラリア
274 all out (58.4 overs)
17ラン差
Scorecard
8
1979年 イングランドの旗 イングランド ロンドン 西インド諸島の旗 西インド諸島
286/9 (60 overs)
イングランドの旗 イングランド
194 all out (51 overs)
92ラン差
Scorecard
8
1983年 イングランドの旗 イングランド ロンドン インドの旗 インド
183 all out (54.4 overs)
西インド諸島の旗 西インド諸島
140 all out (52 overs)
43ラン差
Scorecard
8
1987年 インドの旗 インド
パキスタンの旗 パキスタン
カルカッタ オーストラリアの旗 オーストラリア
253/5 (50 overs)
イングランドの旗 イングランド
246/8 (50 overs)
7ラン差
Scorecard
9
1992年 オーストラリアの旗 オーストラリア
ニュージーランドの旗 ニュージーランド
メルボルン パキスタンの旗 パキスタン
249/6 (50 overs)
イングランドの旗 イングランド
227 all out (49.2 overs)
22ラン差
Scorecard
12
1996年 インドの旗 インド
パキスタンの旗 パキスタン
スリランカの旗 スリランカ
ラホール スリランカの旗 スリランカ
245/3 (46.2 overs)
オーストラリアの旗 オーストラリア
241/7 (50 overs)
7ウィケット差
Scorecard
12
1999年 イングランドの旗 イングランド
スコットランドの旗 スコットランド
アイルランドの旗 アイルランド
オランダの旗 オランダ
ロンドン オーストラリアの旗 オーストラリア
133/2 (20.1 overs)
パキスタンの旗 パキスタン
132 all out (39 overs)
8ウィケット差
Scorecard
12
2003年 南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国
ジンバブエの旗 ジンバブエ
 ケニア
ヨハネスブルグ オーストラリアの旗 オーストラリア
359/2 (50 overs)
インドの旗 インド
234 all out (39.2 overs)
125ラン差
Scorecard
14
2007年 西インド諸島の旗 西インド諸島 ブリッジタウン オーストラリアの旗 オーストラリア
281/4 (38 overs)
スリランカの旗 スリランカ
215/8 (36 overs)
53ラン差(D/L
Scorecard
16
2011年 インドの旗 インド
スリランカの旗 スリランカ
バングラデシュの旗 バングラデシュ
ムンバイ インドの旗 インド
277/4 (48.2 overs)
スリランカの旗 スリランカ
274/6 (50 overs)
6ウィケット差
Scorecard
14
2015年 オーストラリアの旗 オーストラリア
ニュージーランドの旗 ニュージーランド
メルボルン  オーストラリア
186/3 (33.1 overs)
 ニュージーランド
183 all out (45 overs)
7ウィケット差
Scorecard
14
2019年 イングランドの旗 イングランド
ウェールズの旗 ウェールズ
ロンドン  イングランド
241 (50 overs)
 ニュージーランド
241/8 (50 overs)
スーパーオーバー
Scorecard
10
2023年 インドの旗 インド アフマダーバード  オーストラリア
241/4 (43 overs)
 インド
240 (50 overs)
6ウィケット差 10
2027年 南アフリカ共和国の旗 南アフリカ
ジンバブエの旗 ジンバブエ
ナミビアの旗 ナミビア
TBD 14
2031年 インドの旗 インド
バングラデシュの旗 バングラデシュ
TBD 14

大会記録[編集]

World Cup records[12]
バッティング
最多ラン インドの旗 サチン・テンドルカール 2,278 (1992年2011年)
最高アドバンテージ (min. 20 inns.) 西インド諸島の旗 ヴィヴ・リチャーズ 63.31 (1975年1987年)
最高スコア オーストラリアの旗 マーティン・ガプティル v 西インド諸島 237* (2015年)
最高パートナーシップ 西インド諸島の旗 クリス・ガイル & マーロン・サミュエルズ
(2nd wicket) v ジンバブエ
372 (2015年)
1大会最多ラン インドの旗 サチン・テンドルカール 673 (2003年)
ボーリング
最多ウィケット オーストラリアの旗 グレン・マクグラス 71 (1996年2007年)
最低平均 (min. 1000 balls bowled) 19.21 (1996年2007年)
Best bowling figures 7/15 (2003年) v ナミビア
1大会最多ウィケット 26 (2007年)
フィールディング
Most dismissals (ウィケットキーパー) スリランカの旗 クマール・サンガッカラ 54 (2003年2015年)
最多キャッチ (フィールダー) オーストラリアの旗 リッキー・ポンティング 28 (1996年2011年)
チーム
最多スコア  オーストラリア v アフガニスタン 417/6 (2015年)
最小スコア  カナダ v スリランカ 36 (2003年)
最多勝率 %  オーストラリア 74% (試合数76, 勝利55)
最多連勝 25 (1999年2011年)
最多連覇数 3 (1999年2007年)[13]

関連項目[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 国際クリケット評議会は、16歳未満の競技人口を含めた場合は、その数字が大きく増加する可能性が高いと記述している。
出典
  • Browning, Mark (1999). A complete history of World Cup Cricket. Simon & Schuster. ISBN 0-7318-0833-9 

外部リンク[編集]