ウェールズ大学

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University of Wales
創立 1893年
学校種別 公立
総長 チャールズ (プリンス・オブ・ウェールズ)
副総長 メドウィン・ヒューズ
所在地 イギリス
カーディフ
スクールカラー
                       
ウェブサイト http://www.wales.ac.uk/
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ウェールズ大学英語:University of Wales)は、イギリスカーディフに本部を置く、複数の大学や高等教育機関の集合体(連合大学)。ウェールズを中心にイギリス内外の130校以上の大学や高等教育機関で学位を授与している。

2011年10月、ウェールズ大学は、ウェールズ大学トリニティ・セント・ディビッド[1]及びスウォンジーメトロポリタン大学と合併することを決定した。合併後の新大学はウェールズ大学の勅許(1893年)ではなく、トリニティ・セント・ディビッド(旧ウェールズ大学 ランピーター校)の勅許(1828年)[2]の下で運営されることになった[3][4]。合併によりウェールズ大学の勅許(1893年)は廃止されたが、既に入学している学生に対しては、ウェールズ大学の学位が授与される。

ウェールズ大学トリニティ・セント・ディビッドとスウォンジーメトロポリタンの両大学は、2012年10月1日に正式に合併したが、ウェールズ大学が海外の提携教育機関に対して行ってきた認証(Validation)業務の履行上の問題もあり、合併プロセスの終了にはなお時間を要する模様である[5]

また、ウェールズ地域外(海外を含む)で行われていた認証(Validation)業務については、新たな教育戦略を開発中とのことである[6]


概要[編集]

1893年にイギリス女王ヴィクトリアの勅許により学位授与権限を与えられた学位授与機関。ウェールズ内にある9つの大学を中心に、世界27カ国、130校以上の高等教育機関を認証している。認証している高等教育機関の学生数は約8万人で、年間約1万5000の学士号と約4000の修士号・博士号を授与している。イギリスではロンドン大学に次ぐ2番目の規模の学位授与機関である。

ウェールズ大学は、1893年に現在のアベリストウィス大学、バンガー大学、カーディフ大学を含む連合大学として設立され、1992年にグラモーガン大学が独自の学位授与権を得るまでは、ウェールズ地域内で事実上唯一の学位授与機関であった[7]

その後、2005年にカーディフ大学が独立、2007年にはアベリストウィス大学、 バンガー大学、 スウォンジー大学などの所属大学が相次いで独立し、独自学位の授与を開始したこと[7]などにより、連合大学としてのウェールズ大学の存在意義は徐々に薄れていった。そうした中、同大学の活動の中心はウェールズ地域外(及び海外)の学位授与権を持たない民間教育機関に対する認証(Validation)業務の拡大へと移行していった[8]

しかしながら、認証(Validation)業務の拡大に伴い、制度面の欠点が露呈することになり、2011年6月には英国高等教育質保証機構(QAA)から、海外の教育機関との提携関係の見直しを勧告されていた[9]。 さらに、2011年10月になると、英国内の民間教育機関がウェールズ大学の認証(Validation)制度による学位授与を悪用し、英国内で就労するためのビザの不正取得に関与していた事実が発覚し、事態は深刻化した[10]

構成(旧所属大学を含む)[11][編集]

所属大学[編集]


旧所属大学[編集]

  • Aberystwyth University アベリストウィス大学(アベリストウィス)
  • Bangor University バンガー大学(バンガー)
  • Swansea University スウォンジー大学(スウォンジー)
  • Glyndŵr University グリンドゥール大学(グリンドゥール)

   -2011年9月に提携解消 [12]

  • University of Wales, Newport ウェールズ大学ニューポート(ニューポート

   -グラモーガン大学との合併計画が進行中[13]

  • Cardiff Metropolitan University カーディフメトロポリタン大学(旧:ウェールズ大学インスティテュート・カーディフ(カーディフ

   -グラモーガン大学、ウェールズ大学ニューポートとの合併計画が難航[14]


旧提携大学[編集]

日本での学位授与[編集]

英国国立ウェールズ大学経営大学院MBA(日本語)プログラム(ヒューマンアカデミー株式会社)
英国国立ウェールズ大学大学院環境プログラム事務局(比留間環境教育研究所)

ウェールズ大学から認証され、学位の授与を受ける機関は各々独立的に運営されており、各機関への社会や企業の評価はさまざまである。日本国内では以下の2つのプログラムを認証しており、いずれも株式会社によって運営されている。ウェールズ大学から授与される学位(Master's Degree)は、英国王の勅許の下、イングランド、ウェールズおよび北アイルランドにおける高等教育学位(FHEQ)に関する規定、ウェールズにおける単位および学位に関する規定(CQFW)に準拠して授与される英国大学(院)の学位であり、日本の文部科学省令下での大学院設置基準および学位規則によるものではない。


英国大学の認証(Validation)制度は、学位授与権を持つ大学が、国内外の学位授与権を持たない機関を認証し、修了者に学位を授与する制度で、学位授与権限を持つ大学116校中(2008年現在)、約70大学が同制度の下で他機関の修了者に学位を授与しているとされる。(出典:The Council of Validating Universities[15]

また、英国大学の認証制度については、文部科学省・高等教育局高等教育企画課高等教育政策室において2003年8月に開催された「国際的な大学の質保証に関する調査研究協力者会議(第1回)」[16]と、添付資料「(別紙1) 英国及び豪州の大学の海外における高等教育の提供」[17]および「(別紙2)英国の高等教育の国際的展開に係る質保証」[18]に詳しい。

英国国立ウェールズ大学経営大学院MBA(日本語)プログラム[編集]

2002年にウェールズ大学から認証を受け、当初はヒューマンアカデミー株式会社(東京都新宿区、岡本成正社長)が運営している(2009年にグループ会社であるヒューマンリソシア株式会社が継承したが、2010年より再継承)。東京(2002年4月開講)と大阪(2003年10月開講)での通学制プログラムと、eラーニングを利用した遠隔制プログラム(2003年10月開講)がある。すべて日本語で行われ、通学制は毎週土曜日のスクーリング、遠隔制は毎週土曜日のインターネット上での双方向ライブ講義を中心に2年間でMBA(経営学修士)の取得が可能。

同プログラムでMBAを取得してメディアに取り上げられた著名人に、日本CHRコンサルティング社長の中西史子[19]、アゴーラ・ホスピタリティーズ社長の浅生亜也[20]や名古屋工業大学産学官連携センター准教授の浜田恵美子[21]らがいる。

英国国立ウェールズ大学大学院環境プログラム[編集]

1999年にウェールズ大学から認証を受け、当初は金沢市にある経営コンサルタント会社の安全研が「ウェールズ大学通信制大学院環境マネジメント学科」などを運営。2002年に東京都渋谷区恵比寿にあった日本環境総研という会社がプログラムを継承した。2004年に教員である比留間文彦が社長を務める比留間環境教育研究所(現在、東京都立川市)が日本環境総研を傘下に収めた(日本環境総研は現在、同プログラムの学務部を担当している)。2005年から2008年まで学生の新規募集を停止した後、2009年4月から新プログラムとして再スタートした。最短2年間で理学修士の取得が可能。

外部リンク[編集]

脚注[編集]

  1. ^ ウェールズ大学 ランピーター校(1971年にウェールズ大学に加入)とトリニティカレッジ(カーマーゼン)が2010年に合併して設立
  2. ^ 元は、ランピーター校の前身のセント・デイヴィッズ大学の勅許
  3. ^ ウェールズ大学サイト (2011年10月21日). “A sense of history and a new beginning”. http://www.wales.ac.uk/en/NewsandEvents/News/Academic/Asenseofhistoryandanewbeginning.aspx 
  4. ^ “University of Wales effectively abolished in merger”. BBC News. (2011年10月21日). http://www.bbc.co.uk/news/uk-wales-15410424 
  5. ^ ウェールズ大学サイトMerger Information. “University of Wales Merger Frequently Asked Questions”. http://www.wales.ac.uk/Resources/Documents/Merger/UWMerger-FAQs-Oct2012.pdf 
  6. ^ ウェールズ大学 サイト (2011年10月6日). “University of Wales announces new academic strategy”. http://www.wales.ac.uk/en/NewsandEvents/News/General/UniversityofWalesannouncesnewacademicstrategy.aspx 
  7. ^ a b “After scandal, what happens now to University of Wales?”. BBC News. (2011年10月27日). http://www.bbc.co.uk/news/uk-wales-15463655 
  8. ^ “Boom and bust”. Times Higher Education. (2012年1月5日). http://www.timeshighereducation.co.uk/story.asp?storycode=418612 
  9. ^ “University of Wales must review link-ups, advises QAA”. BBC news. (2011年6月22日). http://www.bbc.co.uk/news/uk-wales-13867248 
  10. ^ “University of Wales degree and visa scam exposed by BBC”. BBC News. (2011年10月5日). http://www.bbc.co.uk/news/uk-wales-15171830 
  11. ^ Institutions Search(2012年9月現在:University of Wales公式サイトより)
  12. ^ “Glyndwr Uni to leave University of Wales alliance – BBC News”. BBC. (2011年9月23日). http://www.bbc.co.uk/news/uk-wales-north-east-wales-15026025 
  13. ^ “Glamorgan and Newport universities announce merger plan – BBC News”. BBC. (2012年7月4日). http://www.bbc.co.uk/news/uk-wales-south-east-wales-18696345 
  14. ^ “University mergers: Cardiff Met and Newport 'can't survive' – BBC News”. BBC. (2012年7月16日). http://www.bbc.co.uk/news/uk-wales-south-east-wales-18860834 
  15. ^ The Council of Validating Universities
  16. ^ 国際的な大学の質保証に関する調査研究協力者会議(第1回)
  17. ^ 英国及び豪州の大学の海外における高等教育の提供
  18. ^ 英国の高等教育の国際的展開に係る質保証
  19. ^ 産経新聞2008年11月17日付
  20. ^ Grazia2009年5月号
  21. ^ 一橋ビジネスレビュー2009年WIN号

関連項目[編集]