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「節句」の版間の差分

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== 概要 ==
== 概要 ==
この日には、日本の宮廷において'''[[節会]]'''(せちえ)と呼ばれる宴会が開かれた<ref name=":0">{{Cite journal|和書|author=土屋京子|year=2010|title=節句と節句料理についての一考察|url=http://id.nii.ac.jp/1653/00010311/|journal=東京家政大学博物館紀要|volume=15|page=79|publisher=東京家政大学博物館|ISSN=13433709}}</ref>。年間にわたり様々な節句が存在しており{{要出典|date=2021年1月}}、そのうちの5つを[[江戸幕府]]が公的な行事・[[祝日]]として定めた<ref name=":1">{{Cite journal|和書|author=是澤博昭|year=2017|title=節句に見る子供――近代からみる江戸の子育て|url=https://www.jstage.jst.go.jp/article/youjikyoikushi/12/0/12_59/_article/-char/ja/|journal=幼児教育史研究|volume=12|page=59|publisher=幼児教育史学会|ISSN=2432-1877}}</ref>。それが[[人日]]、[[上巳]]、[[端午]]、[[七夕]]、[[重陽]]の五節句である<ref name=":1" />。
この日には、日本の宮廷において'''[[節会]]'''(せちえ)と呼ばれる宴会が開かれた<ref name=":0">{{Cite journal|和書|author=土屋京子|year=2010|title=節句と節句料理についての一考察|url=http://id.nii.ac.jp/1653/00010311/|journal=東京家政大学博物館紀要|volume=15|page=79|publisher=東京家政大学博物館|ISSN=13433709|naid=110007535653}}</ref>。年間にわたり様々な節句が存在しており{{要出典|date=2021年1月}}、そのうちの5つを[[江戸幕府]]が公的な行事・[[祝日]]として定めた<ref name=":1">{{Cite journal|和書 |author=是澤博昭 |title=節句に見る子供――近代からみる江戸の子育て |url=https://doi.org/10.20658/youjikyoikushi.12.0_59 |journal=幼児教育史研究 |issn=1881-5049 |publisher=幼児教育史学会 |year=2017 |volume=12 |issue=0 |pages=59-62 |naid=130006565871 |doi=10.20658/youjikyoikushi.12.0_59}}</ref>。それが[[人日]]、[[上巳]]、[[端午]]、[[七夕]]、[[重陽]]の五節句である<ref name=":1" />。


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[[明治維新]]後もしばらくは実施されていた{{Refnest|1870年2月27日(明治3年1月27日)太政官第57号布告「[[s:郵船商船規則|郵船商船規則]]」には、祝日として人日以外の四節句が記載されている<ref name="手塚1995" />。|group=註}}が、[[改暦]]の年である[[1873年]]([[明治]]6年)[[1月4日]][[太政官]]第1号布告「[[:s:五節ヲ廃シ祝日ヲ定ム|五節ヲ廃シ祝日ヲ定ム]]」によって廃止となった<ref name="手塚1995">{{Cite journal|和書|author=手塚和男|date=1995-03-30|title=祝日考|url=https://mie-u.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=3844&item_no=1&page_id=13&block_id=21|journal=三重大学教育学部研究紀要. 人文・社会科学|volume=46|page=34|publisher=三重大学教育学部|accessdate=2021-01-07|ISSN=0389-9241}}</ref>。その後、[[1948年]]([[昭和]]23年)[[7月20日]]公布・施行の「[[国民の祝日に関する法律]]」によって、2021年現在においては端午の節句のみ「[[こどもの日]]」の名称で祝日となっている<ref>{{Cite web|author=|website=[[内閣府]]|date=|url=https://www8.cao.go.jp/chosei/shukujitsu/gaiyou.html|title=国民の祝日について|accessdate=2021-01-07|publisher=}}</ref>。
[[明治維新]]後もしばらくは実施されていた{{Refnest|1870年2月27日(明治3年1月27日)太政官第57号布告「[[s:郵船商船規則|郵船商船規則]]」には、祝日として人日以外の四節句が記載されている<ref name="手塚1995" />。|group=註}}が、[[改暦]]の年である[[1873年]]([[明治]]6年)[[1月4日]][[太政官]]第1号布告「[[:s:五節ヲ廃シ祝日ヲ定ム|五節ヲ廃シ祝日ヲ定ム]]」によって廃止となった<ref name="手塚1995">{{Cite journal|和書 |author=手塚和男 |year=1995 |title=祝日考 |url=https://hdl.handle.net/10076/5422 |journal=三重大学教育学部研究紀要 人文・社会科学 |issue=46 |pages=33-48 |publisher=三重大学教育学部 |issn=03899233 |naid=110000503920 |accessdate=2021-04-30}}</ref>。その後、[[1948年]]([[昭和]]23年)[[7月20日]]公布・施行の「[[国民の祝日に関する法律]]」によって、2021年現在においては端午の節句のみ「[[こどもの日]]」の名称で祝日となっている<ref>{{Cite web|author=|website=[[内閣府]]|date=|url=https://www8.cao.go.jp/chosei/shukujitsu/gaiyou.html|title=国民の祝日について|accessdate=2021-01-07|publisher=}}</ref>。


「御節供」と呼ばれた'''節句料理'''はもともと五節句の祝儀料理すべてをいっていたが、のちに最も重要とされる人日の節句の正月料理を指すようになった<ref name=":0" /><ref name="nipponnoshikitari_p58">武光誠編著『日本のしきたり-開運の手引き』 [[講談社]] p.58 [[1994年]]</ref>。そして、今日では「[[御節料理|おせち]]」として、[[正月三が日]]もしくは七日にかけての松の内の期間において食べるものを指すようになっている<ref name="kankonsousainosahou_p342">グラフ社著『冠婚葬祭の作法―規律としてのルールとマナー 改訂版』 グラフ社 p.342 [[2003年]]</ref>。ただ、今日{{いつ|date=2021年1月}}でも人日の節句の[[七草粥]]など「節句料理」として残っているものがある<ref name="syokuryounohyakkajiten_p317">『食料の百科事典』 丸善 p.317 [[2001年]]</ref>。
「御節供」と呼ばれた'''節句料理'''はもともと五節句の祝儀料理すべてをいっていたが、のちに最も重要とされる人日の節句の正月料理を指すようになった<ref name=":0" /><ref name="nipponnoshikitari_p58">武光誠編著『日本のしきたり-開運の手引き』 [[講談社]] p.58 [[1994年]]</ref>。そして、今日では「[[御節料理|おせち]]」として、[[正月三が日]]もしくは七日にかけての松の内の期間において食べるものを指すようになっている<ref name="kankonsousainosahou_p342">グラフ社著『冠婚葬祭の作法―規律としてのルールとマナー 改訂版』 グラフ社 p.342 [[2003年]]</ref>。ただ、今日{{いつ|date=2021年1月}}でも人日の節句の[[七草粥]]など「節句料理」として残っているものがある<ref name="syokuryounohyakkajiten_p317">『食料の百科事典』 丸善 p.317 [[2001年]]</ref>。
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節句に飾られる[[人形]]([[雛人形]]、[[五月人形]]など)は、'''節句人形'''(せっくにんぎょう)とも称される<ref>{{Cite web|author=|website=一般社団法人[[日本人形協会]]|date=|url=https://ningyo-kyokai.or.jp/sekku/index.html|title=節句人形とは|accessdate=2021-01-07|publisher=}}</ref>。
節句に飾られる[[人形]]([[雛人形]]、[[五月人形]]など)は、'''節句人形'''(せっくにんぎょう)とも称される<ref>{{Cite web|author=|website=一般社団法人[[日本人形協会]]|date=|url=https://ningyo-kyokai.or.jp/sekku/index.html|title=節句人形とは|accessdate=2021-01-07|publisher=}}</ref>。


なお、新暦では3月3日・5月5日・7月7日は同じ曜日となる<ref>{{Cite web|author=NEWS ONLINE 編集部|website=[[ニッポン放送]] NEWS ONLINE|date=2018-06-29|url=https://news.1242.com/article/148082#:~:text=%E5%90%8C%E3%81%98%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AB%E2%80%9C%E5%A5%87%E6%95%B0%E3%81%8C,%E3%81%A7%E5%89%B2%E3%82%8A%E5%88%87%E3%82%8C%E3%82%8B%E6%95%B0%E5%AD%97%E3%81%A0%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82|title=曜日の雑学 偶数でゾロ目になる日はだいたい同じ曜日になる|accessdate=2021-01-07|publisher=}}</ref>。
なお、新暦では3月3日・5月5日・7月7日は同じ曜日となる<ref>{{Cite web|author=NEWS ONLINE 編集部|website=[[ニッポン放送]] NEWS ONLINE|date=2018-06-29|url=https://news.1242.com/article/148082#:~:text=%E5%90%8C%E3%81%98%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AB%E2%80%9C%E5%A5%87%E6%95%B0%E3%81%8C,%E3%81%A7%E5%89%B2%E3%82%8A%E5%88%87%E3%82%8C%E3%82%8B%E6%95%B0%E5%AD%97%E3%81%A0%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82|title=曜日の雑学 偶数でゾロ目になる日はだいたい同じ曜日になる|accessdate=2021-01-07|publisher=}}</ref>。


== ことわざ ==
== ことわざ ==
;六日の菖蒲、十日の菊(むいかのあやめ/しょうぶ、とおかのきく)
; 六日の菖蒲、十日の菊(むいかのあやめ/しょうぶ、とおかのきく)
:5月5日(菖蒲の節句)までの菖蒲、9月9日(菊の節句)までの菊は価値があるが、その日を過ぎると一気に価値がなくなる意味<ref name=":2">{{CRD|1000217326|「六日の菖蒲、十日の菊」の意味を知りたい。}}</ref>。転じて、時機を逸して価値のなくなった状態を指す<ref name=":2" />。例えば、[[2月14日]]を過ぎた[[バレンタインデー|バレンタイン]][[チョコレート|チョコ]]、[[12月25日]]を過ぎた[[クリスマス]][[ケーキ]]が投げ売りされることと同様の意味合いである{{要出典|date=2021年1月}}。
:5月5日(菖蒲の節句)までの菖蒲、9月9日(菊の節句)までの菊は価値があるが、その日を過ぎると一気に価値がなくなる意味<ref name=":2">{{CRD|1000217326|「六日の菖蒲、十日の菊」の意味を知りたい。}}</ref>。転じて、時機を逸して価値のなくなった状態を指す<ref name=":2" />。例えば、[[2月14日]]を過ぎた[[バレンタインデー|バレンタイン]][[チョコレート|チョコ]]、[[12月25日]]を過ぎた[[クリスマス]][[ケーキ]]が投げ売りされることと同様の意味合いである{{要出典|date=2021年1月}}。
;怠け者の節句働き(なまけもののせっくばたらき)
; 怠け者の節句働き(なまけもののせっくばたらき)
:普段働かないで怠けている者が、みんなが休む節句に働くこと<ref>{{Cite web|author=|website=[[Weblio]]辞書|date=|url=https://www.weblio.jp/content/%E6%80%A0%E3%81%91%E8%80%85%E3%81%AE%E7%AF%80%E5%8F%A5%E5%83%8D%E3%81%8D#:~:text=%E6%99%AE%E6%AE%B5%E6%80%A0%E3%81%91%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E8%80%85,%E3%81%84%E3%82%8B%E8%80%85%E3%82%92%E5%98%B2%E3%82%8B%E8%A1%A8%E7%8F%BE%E3%80%82|title=「怠け者の節句働き(なまけもののせっくばたらき)」の意味や使い方|accessdate=2021-01-07|publisher=}}</ref>。
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=== 出典 ===
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== 関連項目 ==
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*[[日本の暦]]
* [[日本の暦]]


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
{{Commons|Category:Sekku}}
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*[https://www.jinjahoncho.or.jp/omairi/gyouji/sekku/ 節句] - [[神社本庁]]
* [https://www.jinjahoncho.or.jp/omairi/gyouji/sekku/ 節句] - [[神社本庁]]


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2021年4月30日 (金) 21:17時点における版

絹本着色五節句図 蠣崎波響筆 (市立函館博物館蔵)

節句(せっく)は、代古中国陰陽五行説を由来として日本に定着した[要出典]。伝統的な年中行事を行う季節の節目(ふしめ)となる節供(せっく)、古くは節日(せちにち)とも[1]

概要

この日には、日本の宮廷において節会(せちえ)と呼ばれる宴会が開かれた[2]。年間にわたり様々な節句が存在しており[要出典]、そのうちの5つを江戸幕府が公的な行事・祝日として定めた[3]。それが人日上巳端午七夕重陽の五節句である[3]

五節句
漢名 日付 和名 節句料理
人日(じんじつ) 1月7日 七草の節句 七草粥[4]
上巳(じょうし) 3月3日 桃の節句・雛祭 菱餅白酒など[4]
端午(たんご) 5月5日 菖蒲の節句 菖蒲酒。菖蒲湯の習俗あり。関東では柏餅、中国や関西ではちまき[4]
七夕(しちせき) 7月7日 七夕(たなばた) 裁縫の上達を願い素麺[4]が食される(織姫も参照)。
重陽(ちょうよう) 9月9日 菊の節句 を浮かべた酒など[4]菊酒も参照)。

明治維新後もしばらくは実施されていた[註 1]が、改暦の年である1873年明治6年)1月4日太政官第1号布告「五節ヲ廃シ祝日ヲ定ム」によって廃止となった[5]。その後、1948年昭和23年)7月20日公布・施行の「国民の祝日に関する法律」によって、2021年現在においては端午の節句のみ「こどもの日」の名称で祝日となっている[6]

「御節供」と呼ばれた節句料理はもともと五節句の祝儀料理すべてをいっていたが、のちに最も重要とされる人日の節句の正月料理を指すようになった[2][7]。そして、今日では「おせち」として、正月三が日もしくは七日にかけての松の内の期間において食べるものを指すようになっている[8]。ただ、今日[いつ?]でも人日の節句の七草粥など「節句料理」として残っているものがある[4]

節句に飾られる人形雛人形五月人形など)は、節句人形(せっくにんぎょう)とも称される[9]

なお、新暦では3月3日・5月5日・7月7日は同じ曜日となる[10]

ことわざ

六日の菖蒲、十日の菊(むいかのあやめ/しょうぶ、とおかのきく)
5月5日(菖蒲の節句)までの菖蒲、9月9日(菊の節句)までの菊は価値があるが、その日を過ぎると一気に価値がなくなる意味[11]。転じて、時機を逸して価値のなくなった状態を指す[11]。例えば、2月14日を過ぎたバレンタインチョコ12月25日を過ぎたクリスマスケーキが投げ売りされることと同様の意味合いである[要出典]
怠け者の節句働き(なまけもののせっくばたらき)
普段働かないで怠けている者が、みんなが休む節句に働くこと[12]

脚註

  1. ^ 1870年2月27日(明治3年1月27日)太政官第57号布告「郵船商船規則」には、祝日として人日以外の四節句が記載されている[5]

出典

  1. ^ 神永曉 (2017年1月30日). “「節句」と「節供」”. ジャパンナレッジ. 日本語、どうでしょう?. ネットアドバンス. 2021年1月7日閲覧。
  2. ^ a b 土屋京子「節句と節句料理についての一考察」『東京家政大学博物館紀要』第15巻、東京家政大学博物館、2010年、79頁、ISSN 13433709NAID 110007535653 
  3. ^ a b 是澤博昭「節句に見る子供――近代からみる江戸の子育て」『幼児教育史研究』第12巻第0号、幼児教育史学会、2017年、59-62頁、doi:10.20658/youjikyoikushi.12.0_59ISSN 1881-5049NAID 130006565871 
  4. ^ a b c d e f 『食料の百科事典』 丸善 p.317 2001年
  5. ^ a b 手塚和男「祝日考」『三重大学教育学部研究紀要 人文・社会科学』第46号、三重大学教育学部、1995年、33-48頁、ISSN 03899233NAID 1100005039202021年4月30日閲覧 
  6. ^ 国民の祝日について”. 内閣府. 2021年1月7日閲覧。
  7. ^ 武光誠編著『日本のしきたり-開運の手引き』 講談社 p.58 1994年
  8. ^ グラフ社著『冠婚葬祭の作法―規律としてのルールとマナー 改訂版』 グラフ社 p.342 2003年
  9. ^ 節句人形とは”. 一般社団法人日本人形協会. 2021年1月7日閲覧。
  10. ^ NEWS ONLINE 編集部 (2018年6月29日). “曜日の雑学 偶数でゾロ目になる日はだいたい同じ曜日になる”. ニッポン放送 NEWS ONLINE. 2021年1月7日閲覧。
  11. ^ a b 「「六日の菖蒲、十日の菊」の意味を知りたい。」 - レファレンス協同データベース
  12. ^ 「怠け者の節句働き(なまけもののせっくばたらき)」の意味や使い方”. Weblio辞書. 2021年1月7日閲覧。

関連項目

外部リンク