豊島ミホ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
豊島 ミホ
(としま みほ)
誕生 (1982-02-15) 1982年2月15日(42歳)
日本の旗 日本秋田県湯沢市
職業 小説家
最終学歴 早稲田大学第二文学部卒業
代表作 『檸檬のころ』(2005年)
主な受賞歴 第1回女による女のためのR-18文学賞読者賞
デビュー作 『青空チェリー』(2002年)
配偶者 既婚
公式サイト 流れるままのミホ
テンプレートを表示

豊島 ミホ(としま みほ 1982年2月15日- )は、日本の小説家、ライター。秋田県湯沢市出身。秋田県立横手高等学校[1]早稲田大学第二文学部卒。

経歴[編集]

小説家として[編集]

幼少期からの将来の夢はマンガ家だった[2]。高校2年生のとき、スクールカーストの「底辺」になったと感じたことが理由で家出し、その後保健室登校となる[3]。高校卒業後、一浪の後、2001年に早稲田大学第二文学部へ入学。

大学1年生の夏休みに執筆した「青空チェリー」が、2002年、第1回女による女のためのR-18文学賞の読者賞を受賞。同年、『青空チェリー』を刊行し小説家デビュー。ペンネームの由来は当時東京都豊島区在住だったことと、幼馴染で豊島に作家になることを薦めた幼馴染の「ミホ」ちゃんより[1]。また綿矢りさが同時期に同じ早稲田大学に在学していたため、当時は所属大学名を非公開にしていた[4]。(綿矢は1学年下の教育学部[5]。また、豊島は綿矢の大ファンであることを2005年のインタビューで明かしている[1]。)

大学3年時に就活を始めたが、4年時に断念。卒業後は専業作家として順調に単行本を刊行するが[1]、2008年、『小説新潮』上で小説家としての休業を宣言(2008年12月号「休業の理由」)[6]

休業後[編集]

2009年、秋田の実家に帰郷し、漫画家としてのデビューを目指し新人賞に投稿する生活を送る。2011年7月、東日本大震災の復興チャリティとして、「女による女のためのR-18文学賞」ゆかりの女性作家10名による同人誌文芸あねもね[7]電子書籍で出版され、同誌に中編「真智の火のゆくえ」を掲載し、2年ぶりに小説を発表する。同年12月に求職のため東京に再上京[8]

2012年5月に別冊マーガレット増刊『bianca』に文章とインタビューまんがが掲載され、ライターとして活動を開始する[9]。8月、「ブクログパブー」で、まんが『読書感想文攻略法』を連載開始。10月、『別冊マーガレット』の読者ページにて、イラストと文章のコラム「片思いスクール」を連載開始。

2015年1月、自身のブログで年下会社員との結婚を発表[10][11]。5月、6年ぶりの著作として『大きらいなやつがいる君のためのリベンジマニュアル』を刊行。上記の休業に至るまでの経緯や心境が語られている。

その後はライターとしての活動は行っていなかったが、2022年3月にYouTubeチャンネル「本とおしゃべりチャンネル ミホ」を開設。同年10月からはPodcastに移行し「聖なる欲望ラジオ」を定期的に配信している。

著書[編集]

小説[編集]

  • 『青空チェリー』(2002年9月 新潮社、2005年8月 新潮文庫
  • 『日傘のお兄さん』(2004年3月 新潮社、2007年11月 新潮文庫)
  • 『ブルースノウ・ワルツ』(2004年5月 講談社
  • 檸檬のころ』(2005年3月 幻冬舎、2007年2月 幻冬舎文庫)
  • 『陽の子雨の子』(2006年3月 講談社、2010年4月 幻冬舎文庫)
  • 『夜の朝顔』(2006年4月 集英社、2009年6月 集英社文庫
  • 『エバーグリーン』(2006年7月 双葉社、2009年3月 双葉文庫
  • 『神田川デイズ』(2007年5月 角川書店、2010年11月 角川文庫
  • 『ぽろぽろドール』(2007年6月 幻冬舎、2011年2月 幻冬舎文庫)
  • 『東京・地震・たんぽぽ』(2007年8月 集英社、2010年8月 集英社文庫)
  • 『リリイの籠』(2007年12月 光文社
  • 『花が咲く頃いた君と』(2008年3月 双葉社、2013年4月 双葉文庫)
  • 『カウントダウンノベルズ』(2008年5月 集英社)
  • 『初恋素描帖』(2008年8月 メディアファクトリー、2011年8月 MF文庫ダ・ヴィンチ)
  • 『純情エレジー』(2009年3月 新潮社)
  • 『夏が僕を抱く』(2009年7月 祥伝社、2012年7月 祥伝社文庫)
  • 『リテイク・シックスティーン』(2009年11月 幻冬舎、2013年2月 幻冬舎文庫)

エッセイ等[編集]

  • 『底辺女子高生』(2006年8月 幻冬舎文庫)
  • 『やさぐれるには、まだ早い!』(2009年12月 メディアファクトリー、2011年12月 MF文庫ダ・ヴィンチ)
  • 『大きらいなやつがいる君のためのリベンジマニュアル』(2015年5月 岩波ジュニア新書

映画化作品[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b c d 第5回 豊島ミホさんに聞く”. 東京美入野同窓会. 2023年4月3日閲覧。
  2. ^ 豊島ミホ『大きらいなやつがいる君のためのリベンジマニュアル』
  3. ^ 高校時代の経歴は、エッセイ『底辺女子高生』にて語られている。
  4. ^ 作家の読書道:第55回 豊島ミホ
  5. ^ 早稲田大学の教授堀江敏幸氏との講演で、教育学部に在籍していたことを述べている。早稲田ウィークリー(2016年11月9日)「前編 芥川賞作家 綿矢りさの12年--堀江敏幸教授と語る「私と図書館」」
  6. ^ 「もう色んなことが、嫌でしょうがありませんでした。いつも「使いやすい作家」として存在しなければならないこと。二年先まで予定が入っていること。本が売れなくても、反省を自分だけでしなければならないこと(中略)だから誰にも相談しないで、ひとりで決めました。ちょっと立て直したいから休ませて下さいとお願いしよう、と。」(『大きらいなやつがいる君のためのリベンジマニュアル』P.111)
  7. ^ 2012年3月に新潮文庫から書籍版が刊行。また井上喜久子田中敦子声優が同作を朗読するチャリティー企画「文芸あねもねR」も行われた。
  8. ^ 「やさぐれ」文庫発売&引っ越しました(12/23)
  9. ^ 別マの新増刊『bianca』のお知らせ(5/1)
  10. ^ 「結婚しました・その1」
  11. ^ 豊島ミホさん 年下会社員と結婚!映画化された「檸檬のころ」など - スポニチ Sponichi Annex 芸能”. スポニチ Sponichi Annex. 2023年4月3日閲覧。

外部リンク[編集]