「サイゼリヤ」の版間の差分
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2013年8月29日 (木) 13:05時点における版
本社・吉川工場 | |
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | |
略称 | サイゼ / サイゼリ |
本社所在地 |
342-0008 埼玉県吉川市旭2番5号 |
設立 | 1973年(昭和48年)5月1日 |
業種 | 小売業 |
法人番号 | 8030001065552 |
事業内容 | イタリア料理店「サイゼリヤ」をチェーン展開するフードサービス業 |
代表者 |
代表取締役会長 正垣泰彦 代表取締役社長 堀埜一成 |
資本金 | 86億1250万円 |
売上高 |
単体962億円 連結994億円 |
純資産 |
単体521億円 連結539億円 |
総資産 |
単体720億円 連結741億円 |
従業員数 |
単体1,784人 連結2,145人 |
決算期 | 8月31日 |
主要株主 |
正垣泰彦 30.51% 株式会社パペット 8.52% |
外部リンク |
www.saizeriya.co.jp(日本語) www.saizeriya.com.cn(中国語) |
特記事項:各種経営指標:2010年8月期、従業員数は2010年5月 |
株式会社サイゼリヤ(英: Saizeriya Co,. Ltd.)は、同名のイタリアン・ファミリーレストランチェーンを運営する企業。「サイゼリア」と表記されることもある[1]が、正しくは「サイゼリヤ」である。
概要
現在の会長である正垣泰彦が、東京理科大学在学中に千葉県市川市八幡にある洋食店「サイゼリヤ」で勤務をしていたところ、経営者からその腕を認められ、大学4年生のときに店を譲り受けた。しかしその7ヶ月後に火事を出して休業となる。休業期間中に正垣は、これからはイタリア料理の人気が出ると判断し、洋食店からイタリア料理専門店に転換して店を再開したが、客足はぱったりと途絶えてしまった。正垣は、その原因は価格にあると考え、メニューを全て7割引で販売するという行動に打って出る。この判断が見事的中し、「サイゼリヤ」は行列が出来るほどの大繁盛となった。「この方針ならば売れる」と確信した正垣は、サイゼリヤを低価格路線に乗せ、現在の地位を確立していくこととなる[2]。なお、この店舗はサイゼリヤ1号店教育記念館として保存されている(内部は見学不可)が、管理はサイゼリヤ自身ではなくこのビルの持ち主による任意のものである[要出典][3]。
1973年(昭和48年)5月、正垣は株式会社マリアーヌ商会を市川市八幡に設立。それまで営業していた「レストランサイゼリヤ」のチェーン展開を開始し、千葉県を中心に出店を続けた。1987年(昭和62年)、商号を株式会社マリアーノに、1992年(平成4年)には株式会社サイゼリヤに変更した。
現在では900店を超える規模に成長。出店形式はビルイン型・ロードサイド・ピロティ型のほか、商業ビル・駅ビルテナント出店など、好立地なら物件を問わず、特に首都圏への出店を積極的に続けている。また、他社の競合店などが撤退した店舗に出店する際はその建物や看板など既存設備を利用するため、店舗の設計やロゴマークが描かれたポールサイン(看板)の形状は多彩である。
また、2005年(平成17年)8月24日から、ファストフード店の「イート・ラン」を運営しており、3店舗[4]を運営している。このほか、ファストカジュアル店の運営も行っている。
2006年(平成18年)10月に発表されたサイゼリヤの既存店売上高が8年ぶりにプラスを計上した。2006年8月期の既存店売上高は前期と比べて3%増(客数が2.1%増、客単価も0.8%増)となった。既存店の業績低迷について従来は新規出店による売上げの増加でカバーしてきたが、メニューの品質向上やサービス向上などの成果が各店の固定客と売上げの増加に繋がったとされる[5]。
2011年(平成23年)現在、関東・関西・中京を中心に展開しており、北東北(青森県・岩手県・秋田県)・山陰2県・山口県・四国・福岡県以外の九州・沖縄には未出店、福岡県も2010年(平成22年)まで出店がなかった(筑豊地方・筑後地方には2012年現在も未出店)。北海道については1992年(平成4年)に新札幌駅ビル内に初出店以来全く出店していないため1店舗しかなかったが、約20年ぶりに2号店を2012年6月7日に札幌駅北口店をオープンし、本格的な店舗展開を開始した。
沿革
- 1968年(昭和43年)4月 - 正垣泰彦が「サイゼリヤ」の店舗を譲り受け、個人営業を開始。
- 1973年(昭和48年)5月 - 個人営業から法人化。株式会社マリアーヌ商会を設立。
- 1977年(昭和52年)12月 - 多店舗化を開始。
- 1981年(昭和56年)4月 - 初のショッピングセンター内店舗(ららぐるめ店、ららぽーと内)を出店。
- 1983年(昭和58年)5月 - 千葉県市川市市川1丁目13番32号に本社を移転。
- 1987年(昭和62年)3月 - 初の駅ビル内店舗(シャポー本八幡店)を出店。
- 1987年(昭和62年)4月 - 商号を株式会社マリアーノに変更。
- 1987年(昭和62年)10月 - オーダーエントリーシステムを導入。
- 1989年(平成元年)9月 - 初の郊外型ロードサイド型店舗(柏水戸街道店)を出店。
- 1991年(平成3年)10月 - 千葉県船橋市浜町2丁目1番1号に本社を移転。
- 1992年(平成4年)6月 - 50号店を出店(新札幌駅ビル店)。
- 1992年(平成4年)9月 - 商号を株式会社サイゼリヤに変更。
- 1994年(平成6年)7月 - 100号店を出店(江の島店)。
- 1997年(平成9年)10月 - 埼玉県吉川市旭2番5号に吉川工場を建設。本社を同地に移転。
- 1998年(平成10年)4月 - 株式を店頭登録市場(現・ジャスダック)に店頭公開。
- 1999年(平成11年)7月 - 東京証券取引所2部に上場。
- 2000年(平成12年)8月 - 東京証券取引所1部に指定替え。
- 2001年(平成13年)10月 - 500号店を出店(峡南店)。
- 2003年(平成15年)12月 - 中国1号店を上海にオープン(初の日本国外進出)。
- 2005年(平成17年)8月 - 新業態のファストフード店(ハンバーガー)「イート・ラン」を出店(1号店・十条店)。
- 2005年(平成17年)11月 - 新業態のファストカジュアル店「スパQ&TacoQ」を出店(1号店・ビバモール埼玉大井店)。
- 2007年(平成19年)4月 - 新業態のファストカジュアル店(低価格スパゲッティ)「サイゼリヤEXPRESS」を出店(1号店・ぐりーんうぉーく多摩店)。
- 2007年(平成19年)12月 - 中国・広州市に出店。
- 2009年(平成21年)2月 - デリバティブ取引の損失により会社設立以来初の税引き後赤字に転落する見通しとなったため、社長の正垣が退任を発表。
- 2010年(平成22年)3月 - 九州1号店のトリアス久山店(福岡県糟屋郡久山町)を出店、九州地区の店舗展開を開始。
- 2012年(平成24年)6月 - 北海道2号店の札幌駅北口店をオープンし、道内の多店舗展開を開始。
- 2012年(平成24年)6月 - 1000号店を出店(フォレオ大阪ドームシティ店)。
特徴
徹底したコストダウンを通じて低価格メニューを充実させており、近年の不況により苦戦が続いている外食産業の中でも注目を集めている[6][7]。
主要な客層は若年層[8]で、「サイゼ」の愛称で親しまれている[9]。
また、全店でのドリンクバー導入に加え、イタリア料理に限らずファミリー向けのグラタンやハンバーグステーキなどのテイクアウト可能な料理を「お持ち帰りメニュー」として提供している。アルコール類では、十数種のワインを備えて他のチェーン店との差別化を図っている。
店舗内装の側面にはイタリアを連想させる絵画が飾られるほか、天井などにイタリア風の絵が描かれている。低価格メニューを主力にしているが、内装・調度品などを工夫し、利用客が食事を楽しむ空間を提供している。
運営会社
株式会社サイゼリヤは、イタリア料理「サイゼリヤ」(国内836店舗[10])、ファストフード・ハンバーガー専門店「イートラン」(6店舗[11])を展開している。2003年(平成15年)6月、中国の上海市にて100%子会社の上海薩莉亜餐飲有限公司を設立し、同国で「サイゼリヤ・レストラン」(上海・南京・蘇州に37店舗[12])を展開している。その後、広州に10店舗・北京に6店舗・台湾に3店舗・香港に6店舗・シンガポールに2店舗と順調に店舗数を増やしている。
企業方針
「日本を真に豊かな国にするお手伝いをする」を企業理念とし「スパゲッティをラーメンと同じ価格で提供」することを念頭に、ポピュラープライスと呼ばれる価格相応かつ期待外れに終わらない価格帯とメニュー構成で「安くて美味しいもの」を提供することをポリシーとしている。
なお、このポリシーは海外進出した中国でも受け継がれた。進出の際には「中国の人たちにイタリアンを安くておいしく食べてもらいたい」という設立主旨を徹底して訴え、合弁ではなく独立資本(100%出資)として認可された、国外資本では数少ない進出例となっている。ちなみに、スパゲッティが9元(約144円)で提供されている。
生産・流通システムの構築を目指し、福島県白河市に100万坪のサイゼリヤ農場を持つ。またカミッサリー(食品加工・流通工場)を福島県・埼玉県・神奈川県(店舗も併設)・兵庫県に持つ。このほか日本国外の拠点として、オーストラリアのメルボルン郊外に40万坪の工場(サイゼリヤ オーストラリア Saizeriya Australia Pty. Ltd.)を設立し、2002年より生産を行っている。
関連子会社
- サイゼリヤ オーストラリア(Saizeriya Australia Pty. Ltd.) - 食材製造。連結子会社
- 上海薩莉亜餐飲有限公司 - 上海市内での店舗展開。連結子会社
- 北京薩莉亜餐飲管理有限公司(2006年12月、上海薩莉亜餐飲有限公司に吸収され清算)
- 広州薩莉亜餐飲有限公司 - 上海市内での店舗展開。連結子会社
- 台湾薩莉亜餐飲股有限公司
- 北京瑪利亜諾餐飲有限公司
MARIANO CO.,LIMITED(香港) SINGAPORE SAIZERIYA PTE.LTD.(シンガポール)
- 株式会社アダツアーズ・ジャパン - 旅行業。非連結子会社
その他
- ドリンクバーのコーヒー豆はドトールコーヒーから仕入れた豆を使用している。
- ドリンクバーは、2005年(平成17年)8月頃まではコカコーラを採用していたが、それ以降はペプシコーラを採用している。緑茶やジャスミン茶に関しては以前はリプトンのお茶を採用していたが、現在は変更されている。
- 飲食代金の支払い方法は、大半の店舗で現金のみである[13]。
- 株主優待として、100株以上保有株主に対してお食事券が提供され、1,000円分の金券として利用できるがおつりはでない。以前は、株主優待券(4名まで3割引)であった。
- 一部の店舗においてはサイゼリヤ社が製造している「唐辛子フレーク」を用意している。
- 2012年に店舗で利用する粉チーズが変更された。
不祥事
メラミン検出問題
2008年(平成20年)10月19日、サイゼリヤは自主検査により、中国のメーカーに生産委託していた冷凍ピザ生地の一部から微量(一日摂取許容量の60分の1、健康への影響なし)のメラミンを検出したため、厚生労働省に報告したと発表した[14]。同年9月下旬に自主検査を始めたものの、他社でメラミン混入が相次いだこともあり、同年10月3日より使用するピザ生地を切り替え、同月16日に混入が発覚した[15]。
同月21日、「対象のピザを食べた可能性のある客すべてに代金を返還する」と発表(返還期限は同月28日まで)したほか、東日本の542店舗でピザの販売を中止した。返還はレシートを持参しない場合も申し出があれば原則として返金に応じるとしたが、最終的な返還総額は予想の8千万円を大きく下回る1千万円程度であった[16]。また、代金返還の過程で一部の客が飲食したことを偽り金を騙し取るという事件も発生した[17]。なお、返還期限を過ぎた後も、レシートを持参した場合は返金に応じるとしている[18]。
同年11月5日、中止していたピザの販売を一部店舗で再開した[19]が、生地は国産のものに切り替えている。
デリバティブ巨額損失事件
2008年(平成20年)、BNPパリバ銀行と行った豪ドルの通貨スワップ取引で140億円の評価損を抱えた。11月21日にこの事実を発表、この取引がオーストラリア産食材の輸入に関する為替リスクを回避する目的だったものと釈明した。2009年(平成21年)2月10日にはこれを理由として創業者の正垣泰彦が社長退任を発表した。
結果、2009年(平成21年)8月期の通期連結決算は、売上高が前年同期比4.0%増、営業利益が同22.2%増にも関わらず、経常損益は69億円の赤字、最終損益は48億円の赤字を記録した[20]。
脚注
- ^ ネットメディアや店舗情報をまとめたサイトなど、様々な事例がある。参考:サイゼリアなど外食の挑戦 農家+経営力、低価格の源 - iza! (産経デジタル、2009年1月27日付、同年5月29日閲覧)、デリバティブ契約を解除、社長は減俸 サイゼリア[リンク切れ] - J-CASTニュース(2008年12月11日付、2009年5月29日閲覧)、サイゼリア埼大前店 - 埼大通り商店会[リンク切れ]
- ^ よもやの不祥事で断行した「顧客の信頼」回復策 -サイゼリヤ(プレジデント、2011年5月30日号)2013年8月9日閲覧
- ^ 2012年10月1日、会社に問い合わせての回答。[出典無効]
- ^ 2008年現在。内訳は、十条店・川口店・青戸店。
- ^ 「サイゼリヤ、1000店へ足場固め‐既存店、前期8年ぶり増収」(2006年10月25日、日本流通新聞朝刊)
- ^ サイゼリヤ: 低価格路線の強み、創業来36期連続で売上高最高…08年8月期 - フジサンケイ ビジネスアイ2008年10月8日付
- ^ ファミレス苦戦でもサイゼリヤ一人勝ち 圧倒的コスト競争力の秘密SankeiBiz 2012年8月11日
- ^ 中村正人上海のサイゼリヤに見る、ファミレスが「ハレ」の場だったあの日 - 日経ビジネスオンライン 2008年8月5日付
- ^ なぜか中国産…サイゼリヤのピザからメラミン スポニチ 2008年10月21日付
- ^ 2009年8月現在。
- ^ 2008年8月現在。
- ^ 2009年8月現在。
- ^ したがって、クレジットカード・電子マネー・ジェフグルメカードなどは基本的に使用出来ない。但し、アトレ新浦安、熊谷駅ビル・アズ、本八幡、郡山エキナカ、武蔵小金井、アトレヴィ秋葉原の各店ではSuica(及び相互利用可能な交通系電子マネー)が使用可能。大阪南港ATC店では電子マネーiD、PiTaPaが使用可能。また、イオン系のSCにテナントとして入居している店舗ではWAON・JR系IC乗車券(及び相互利用可能なIC乗車券)等が使用可能。イオンモール甲府昭和、武蔵小金井など、上述の電子マネーに加えてクレジットカードも使える店舗もある。なお、イトーヨーカドー船橋店の場合は電子マネーは使えないがクレジットカードは使える。
- ^ お知らせとお詫び (PDF) - サイゼリヤ(2008年10月19日)
- ^ 「冷凍ピザから微量メラミン サイゼリヤ」(2008年10月21日、朝日新聞朝刊33頁)
- ^ 「サイゼリヤ返金、予想の8分の1 ピザからメラミン」(2008年11月3日、朝日新聞朝刊30頁)
- ^ 「「ピザ食べた、代金返せ」 サイゼリヤからウソつき3600円 千葉の高3、すぐ謝罪」(2008年10月26日、朝日新聞朝刊35頁)
- ^ ピザ代返金終了のお知らせ (PDF) - サイゼリヤ(2008年10月29日)
- ^ 「サイゼリヤ、ピザ販売再開 メラミン検出問題」(2008年11月5日、朝日新聞朝刊37頁)
- ^ サイゼリヤ:最終損益48億円の赤字に転落
関連項目
外部リンク
- イタリアンワイン & カフェレストラン サイゼリヤ(公式サイト)