「伊達稙宗」の版間の差分
『茶話記異説改選集』による訂正 |
Kangoshiyouichi (会話 | 投稿記録) 典拠一つ。 |
||
| 1行目: | 1行目: | ||
{{出典の明記| date=2011年2月}} |
|||
{{基礎情報 武士 |
{{基礎情報 武士 |
||
| 氏名 = 伊達稙宗 |
| 氏名 = 伊達稙宗 |
||
| 18行目: | 19行目: | ||
| 主君 = |
| 主君 = |
||
| 藩 = |
| 藩 = |
||
| 氏族 = 父：[[伊達尚宗]]、母：[[積翠院]]（[[上杉房実]]の娘） |
| 氏族 = 父：[[伊達尚宗]]、母：[[積翠院]]（[[上杉房実]]<ref>系図類では「[[上杉定実]]」とされている。</ref>の娘） |
||
| 父母 = |
| 父母 = |
||
| 兄弟 = |
| 兄弟 = |
||
| 30行目: | 31行目: | ||
[[長享]]2年（[[1488年]]）、第13代当主・[[伊達尚宗]]の嫡男として生まれる。当初は'''高宗'''と名乗った。 |
[[長享]]2年（[[1488年]]）、第13代当主・[[伊達尚宗]]の嫡男として生まれる。当初は'''高宗'''と名乗った。 |
||
[[永正]]11年（[[1514年]]）、父の死去にともない家督を相続して第14代当主となると、[[最上氏]]・[[葛西氏]]・[[岩城氏]]などと抗争を繰り返し |
[[永正]]11年（[[1514年]]）、父の死去にともない家督を相続して第14代当主となると、[[最上氏]]・[[葛西氏]]・[[岩城氏]]などと抗争を繰り返したが、軍事力と婚姻外交を取り混ぜ、伊達氏の勢力を急激に拡大した。 |
||
| ⚫ | <ref>左京大夫は、元来[[奥州探題]][[大崎氏]]が世襲する官位であった。この官位を伊達氏が獲得したことは、大崎氏に名実共に取って代わったと認めさせたことを示している。稙宗はこのようにして中央との結びつきを家格上昇に利用した（小林宏『伊達家塵芥集の研究』創文社、1970）</ref>と一字拝領とを願い出て許され、偏諱を受けて名を'''稙宗'''に改 |
||
永正14年（[[1517年]]）、第11代将軍・[[足利義稙]]の上洛祝賀の為として多額の進物を送り、[[管領]]・[[細川高国]]を通じて[[左京大夫]]任官 |
|||
| ⚫ | |||
| ⚫ | |||
永正17年（[[1520年]]）には出羽の[[最上義定]]と長谷堂で戦って勝利し、急死した義定の後継に幼少の[[最上義守]]を擁立し、妹である義定未亡人を通して実質的に最上家を支配下においた。[[大永]]2年（[[1522年]]）には陸奥守護に補任された。 |
|||
[[天文 (日本)|天文]]元年（[[1532年]]）には居城を[[梁川城]]から[[西山城]]に移した。 |
|||
天文5年（[[1536年]]）には169条に及ぶ[[分国法]]・『[[塵芥集]]』を制定するなど、体制の強化に努めた。 |
|||
| ⚫ | |||
この争いは当初稙宗方が優勢だったが、天文16年（[[1547年]]）に味方であった[[蘆名盛氏]]が晴宗に寝返ったことで、一転して戦況が不利に傾き、天文17年（[[1548年]]）9月、晴宗に降伏する形で和睦し、家督を晴宗に譲って[[丸森城]]に[[隠居]]することを余儀なくされた。 |
|||
永禄8年（[[1565年]]）6月19日、丸森城にて死去。享年78。遺骸は自らが開基となった[[陽林寺]]に葬られた。小梁川宗朝が墓前で殉死している。 |
永禄8年（[[1565年]]）6月19日、丸森城にて死去。享年78。遺骸は自らが開基となった[[陽林寺]]に葬られた。小梁川宗朝が墓前で殉死している。 |
||
| 70行目: | 81行目: | ||
== 脚注 == |
== 脚注 == |
||
<references/> |
<references/> |
||
== 出典 == |
|||
*歴史群像編集部編『戦国時代人物事典』（学習研究社、2009年） ISBN 4054042902 |
|||
**「伊達稙宗」、「伊達晴宗」の項目（伊達宗弘執筆） |
|||
{{伊達氏宗家歴代当主}} |
{{伊達氏宗家歴代当主}} |
||
2011年2月7日 (月) 14:53時点における版
 |
 伊達稙宗像（仙台市博物館蔵） | |
| 時代 | 戦国時代 |
| 生誕 | 長享2年（1488年） |
| 死没 | 永禄8年6月19日（1565年7月16日） |
| 改名 | 高宗→稙宗 |
| 別名 |
仮名：次郎 号：受天 |
| 戒名 | 智松院殿直山円入大居士 |
| 墓所 | 陽林寺（福島県福島市） |
| 官位 | 従四位下 左京大夫 |
| 幕府 | 室町幕府：陸奥守護 |
| 氏族 | 父：伊達尚宗、母：積翠院（上杉房実[1]の娘） |
| 妻 |
正室：泰心院（蘆名盛高の娘） 側室：中条定資の娘、亘理宗隆の娘、ほか |
| 子 | 晴宗、大崎義宣、実元、玄蕃丸、宗澄、桑折宗貞、葛西晴清、梁川宗清、村田宗殖、極楽院宗栄、亘理綱宗、亘理元宗、大有康甫、七郎 |
伊達 稙宗（だて たねむね）は、陸奥国の戦国大名。伊達氏の第14代当主。
生涯
長享2年（1488年）、第13代当主・伊達尚宗の嫡男として生まれる。当初は高宗と名乗った。
永正11年（1514年）、父の死去にともない家督を相続して第14代当主となると、最上氏・葛西氏・岩城氏などと抗争を繰り返したが、軍事力と婚姻外交を取り混ぜ、伊達氏の勢力を急激に拡大した。
永正14年（1517年）、第11代将軍・足利義稙の上洛祝賀の為として多額の進物を送り、管領・細川高国を通じて左京大夫任官 [2]と一字拝領とを願い出て許され、偏諱を受けて名を稙宗に改めた。
永正17年（1520年）には出羽の最上義定と長谷堂で戦って勝利し、急死した義定の後継に幼少の最上義守を擁立し、妹である義定未亡人を通して実質的に最上家を支配下においた。大永2年（1522年）には陸奥守護に補任された。
天文5年（1536年）には169条に及ぶ分国法・『塵芥集』を制定するなど、体制の強化に努めた。
稙宗は三男・伊達実元を越後守護・上杉定実へ入嗣させようとし、また、娘婿の相馬顕胤との関係を深めるため、伊達領の一部を割譲しようとした。これらの問題をめぐって長男・晴宗や桑折景長・中野宗時ら家臣団と対立し、天文11年（1542年）には晴宗に捕縛されて西山城に幽閉されたという。しかし、稙宗は小梁川宗朝によって救出されると奥州諸侯を糾合して晴宗と争う構えを見せたため、奥州全体を巻き込む形で天文の乱が勃発した。
この争いは当初稙宗方が優勢だったが、天文16年（1547年）に味方であった蘆名盛氏が晴宗に寝返ったことで、一転して戦況が不利に傾き、天文17年（1548年）9月、晴宗に降伏する形で和睦し、家督を晴宗に譲って丸森城に隠居することを余儀なくされた。
永禄8年（1565年）6月19日、丸森城にて死去。享年78。遺骸は自らが開基となった陽林寺に葬られた。小梁川宗朝が墓前で殉死している。
系譜
脚注
- ^ 系図類では「上杉定実」とされている。
- ^ 左京大夫は、元来奥州探題大崎氏が世襲する官位であった。この官位を伊達氏が獲得したことは、大崎氏に名実共に取って代わったと認めさせたことを示している。稙宗はこのようにして中央との結びつきを家格上昇に利用した（小林宏『伊達家塵芥集の研究』創文社、1970）
- ^ 寛文7年（1667年）に相馬藩士・中津幸政が編纂した『奥相茶話記』は、相馬顕胤室の母は先妻の上杉氏、晴宗の母は継室・蘆名盛舜の娘で両者は異母姉弟であるとしているが、『茶話記異説改選集』にて共に泰心院の子であると訂正されている。
- ^ 泰心院の子とも
- ^ 牛猿丸は盛岡藩系の系譜では葛西晴清、仙台藩系の系譜では葛西晴胤を指すとしている。
- ^ 葛西稙清養子との説もある。
出典
- 歴史群像編集部編『戦国時代人物事典』（学習研究社、2009年） ISBN 4054042902
- 「伊達稙宗」、「伊達晴宗」の項目（伊達宗弘執筆）
