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秘書に必要な技能的能力として以下が望まれる。
秘書に必要な技能的能力として以下が望まれる。
* 書類を処理する能力に優れること。
* 書類を処理する能力に優れること。
* 組織および上司の仕事における事務を熟知していること
* 組織および上司の仕事の熟知あるいは、書類作成における組織および法的規約に精通している。
* 密が保てること。
* 密が保てること。


「秘書の資質」として以下が望まれる、
「秘書の資質」として以下が望まれる、

2010年5月21日 (金) 08:06時点における版

秘書(ひしょ)とは、組織あるいは上司の書類面における仕事を請け負う職務、職業。またそれを行う人。職務は幅広いが、共通するのは、重要書類を扱う仕事であるということである。その他にも上司の身の回りの世話、メールや電話の応対、来客の接遇、スケジュール管理、書類・原稿作成など、「総務の専門家」として機能する。

歴史

秘書の語源は欧米語とくに英語の Secretary である。これはもともとラテン語の secernere(分別する・区別する)から派生した語であり、これが分別されるもの、特別に機密扱いされるものという意味に変わり、これから中世に王侯貴族、大富豪、大僧侶の連絡文書などの機密を扱う書記を「秘書」と呼ぶようになった。このため、「秘書」という職種は近代までは権力者の側近書記という意味があり、一般の事務員(Clerk)あるいは書記(Scrivener)とは区別される存在であった。現在、政府の省庁の長が書記長(Secretary)と呼ばれるのも、元々は王国の執政府が国王の所帯の延長であり、国王の補佐官である Secretary が「大臣」と同義であったからである。またこのため、欧米語で Secretary と名のつく政府高官の職位は大統領の業務に従属する地位であることが示威される。

同様の事情は、ヨーロッパのみならず、世界各地に見られた。日本の朝廷においても蔵人、武家社会においては右筆などが、文書管理という職務に基づく特別の地位を占めた。

中世ヨーロッパにおいて、権力者の文書のやり取りは複数の言語および共通語が使われた(例:国際外交はフランス語カソリックにおいてはラテン語、など)。執政者が領地の言語を理解していない場合があるほか、法令や契約文書等においてはローマ法等の教養が求められるなど、これらの権力者の書記である秘書は相当の教養が要求された。

ところが近代において大企業が発達すると、事務処理の標準化がおこり中間管理職(Manager)が多数出現するとともに、これらの下位の管理職の書記も「秘書」と呼ばれるようになる。この段階において「機密文書」を扱う特別な書記という限定が失われる。その後、1880年代のタイプライターの発明により、書類生産の作業が単純労働化される。つまり上司が口頭で出す指示を速記で書きとめ、これをタイプライターで活字化したあとこれに上司が目を通してサインするという手順が確立する。さらにはテレックスの発明により膨大な文書が活字で瞬時に伝達される段階になると、組織の巨大化および書類の量産が相乗効果で促進され、この過程で文書処理が標準化される。これを反映してまた文章力、タイプライターの早打ちや速記などの(単純)技能的側面が強調されるようになり、以前の「権力者の書記」という意味からさらにかけ離れていくようになる。

政府や企業などの機構が組織的に肥大するとともに、増加する中間管理職をサポートする職種として専属的に女性が「秘書」として多量に雇われるようになり、第二次大戦後は一般的に「秘書」といえば管理職の(女性)アシスタントという意味で世界的に認識されるようになる。またこれらの中間管理職のアシスタントを「秘書」と名づけたのは原意の威光をかりた職種のはく付けのような意味があった一方で、管理職への出世が女性に閉ざされていた時代では「秘書」への就職は「出世」と理解されていた。

日本においては「秘書」という職種が近代企業機構と一緒に欧米から輸入されたため、元々の秘書の意味と近代の秘書の意味を翻訳において分離する必要が生じた。このため Secretary Of Defence は国防長官、Secretary-General of the United Nations は国連事務総長、General Secretary of the Communist Party of the Soviet Union はソ連共産党書記長、Secretary は秘書官、書記長、事務長官などと書き分けられている。なお、日本の官房長官の公式な英訳名は、Chief Cabinet Secretary である。一方で政治家および企業役員の秘書においてのみ原意での秘書が健在である。

さらに現代においては、電気・電算および通信技術の革新、特にワープロに代表される文書生産ソフトや他の業務用のソフトウェア、テレックス、ファックスインターネットメールなどの出現によって、速筆やタイピングなどの技能の重要性が著しく低下しており、下位の管理職に従属する秘書の必要性が消滅してきている反面、以前のように政治家や企業役員の書類面その他の事務の補佐を行うという意味での書記が「Executive Assistant」などと名称を変えて復活してきている。

業務

秘書の仕事は、コピー取り等の簡単な事務補助を行うものから、代議士の名代として政策立案や資金集めを行うような業務まで幅広い。業務への関わり方によって以下のタイプに分けられるが、中間的な秘書も多い。

書記長型秘書
特定の機構の(書類面)での最高責任者として活躍する役職。President(英語では大統領や社長などの)の補佐官であるとの意味があるが、組織の構造あるいは規約によっては国政(例、ソ連)あるいは組織(例、国連)の長となる。また委員会での書記長も英語ではSecretaryと記述される。
書記士型秘書
総務の専門職である。株主総会で決定された会社の規約おうび会社法などに精通して会社の書類の責任者として総務を運営する。株主総会だけでなく普通の会議の運営も受け持つ為、旅費の調整などその職務の範囲は広い。イギリスの株式会社などでは、法務部が弁護士、財務部が会計士、総務が書記士によって運営される。
直接補佐型秘書
担当する上司および組織の本来の業務を直接補佐し、企画・立案、調査、交渉などの業務を行う。議員秘書、社長室長のような存在がこれにあたる。
間接補佐型秘書
担当する上司の本来の業務には直接関わらず、文書作成やスケジュール管理等の上司でなくてもできる仕事を行う。最近では、ワープロの普及と共に、文書作成の技能の専門性が消失した。

位置付けとしては、政府の省や庁の長として特定の組織の(書記)長である場合や英国における企業書記士(Corporate Secretary)のように株主総会の運営などを受け持つ企業総務の専門職である場合などから特定の上司に専属で付く個人秘書、秘書課に属しチームで上司を補佐する秘書、ラインの中で本来業務と共に秘書業務も行う兼務秘書、チーム・プロジェクト・研究室・部課全体に付くグループ秘書といった形態がある。

日本における秘書の種類

役員秘書
企業・団体等の経営者や役員を補佐する個人秘書、あるいは部や課を担当するグループ秘書。一般的に秘書というとこの役員秘書を指す。専門職採用で秘書業務以外の業務は行わない専従型と、入社後に秘書として配属される場合がある。派遣社員の場合も多い。秘書課あるいは秘書室に所属し担当の役員を受け持つ場合と、部や課に所属するライン秘書の場合がある。担当役員の身の回りの世話、来客の接遇、スケジュールやメールの管理、会議や出張の準備、文書作成、慶弔、パーティーの準備や出席といった業務を行う。高齢の経営者や重労働の経営者が多いため、健康管理も重要である。秘書課では、会社の広報や株主総会の準備も担当する。
学者秘書
大学教授や研究機関の研究者を補佐する秘書。個人秘書の場合と研究室付秘書の場合がある。通常、研究費で雇用され、研究者の身の回りの世話、事務系の雑務、研究資金公募書類の準備等を行う。職務内容は雇われる研究者・研究室によってかなりの差があり、実験の助手、実験データの整理、学会での講演資料の作成といった研究補助業務も行う場合から、書類整理、電話対応などの簡単な事務補佐である場合もあり、その業務内容は雇用主が何を求めているかに左右される。研究室付の場合、研究者や学生の相談相手や研究室の宴会の段取りをする場合もある。海外の大学からのビジターに対応したり、英語による学会発表の準備をするための英語力は、あれば重宝されるが、雇用主が秘書にどんな業務を求めているかによるところが大きい。
芸術家、建築家等の秘書
芸術家建築家等の専門的職業を補佐する秘書。このような専門的職業は個人経営であるため、事務的あるいは専門的補佐に加えて、経理やプロモーションといった経営的側面も担う。
医療秘書
病院長、医局、看護部長等を補佐する秘書。医師の診療スケジュールの管理、出張・会議・学会等の準備に加え、診療報酬明細書作成、受付、会計といった医療事務を行う場合もある。医療秘書技能検定がある。
弁護士秘書
法律事務所において弁護士の職務を補佐し、内部的または対外的な事務の処理を行う。大規模な事務所においては、法律に関する事務(判例調査、契約書作成、債権調査など)を行うパラリーガルとは完全に区別される。この区別がされない場合には、「事務員」と呼ぶのが一般的である。
プロジェクト秘書
特定のプロジェクトの秘書。プロジェクトリーダーを補佐し、事務局としての役割を果たす。
議員秘書
国会議員の補佐をするスタッフの総称。議員秘書には私設秘書、公設秘書、政策秘書の三種類ある。公設秘書2名と政策秘書1名までが公費により任用される(国会法第132条)。これ以外の、議員の私費により雇用される秘書は、私設秘書と呼ばれる。
2名の公設秘書には任用資格について制限はないが、政策秘書は国会議員の政策担当秘書資格試験等実施規程第30条により「資格試験合格者登録簿または審査認定者登録簿に登録された者の中から採用」するものとされている。政策担当秘書は、国会改革の一環として政策立案・立法調査機能を高めるために平成5年(1993年)創設されたが、十分に機能しているとは言い難く秘書給与詐欺・流用事件の温床ともなっている。
政府高官の秘書
内閣総理大臣及び国務大臣等には、秘書官といわれる特別職公務員がつく(秘書官内閣総理大臣秘書官の記事も参照のこと)。
地方公共団体の役員の秘書
地方公共団体の長や議会の議長、その他地方公共団体の機関の長には地方公務員法の規定(第3条3項の4)に基づいて、条例地方公務員特別職の秘書を設置できる。東京都においては、知事および都議会議長にそれぞれ2名まで任命可能。勿論、給与は自治体から支払われる。一般に特別秘書(特別職秘書)と呼ばれる。必置ではないため、これが置かれる自治体は少数である。
市町村長都道府県知事には、特別秘書とは別に一般職公務員の秘書かそれに準ずる役割を持つ部署を持つのが普通である。

セクレタリとしての秘書

外資系企業では秘書はセクレタリと呼ばれる。セクレタリには役員を担当するエグゼクティブセクレタリ、部課長クラスを担当するシニアセクレタリ、前記セクレタリを補佐するジュニアセクレタリがある。ただしこれは日本語の秘書をたんに英語に戻しただけで、その職務になんら違いがあるわけではない。

いっぽうで英語でセクレタリ(secretary)とは、日本語の書記を意味する。よって事務を統括するという意味で単なる仕事場の書記(秘書)のほかに、閣僚、事務局員などの書記官を指したり企業書記士(CorporateSecretary)など企業総務および株主総会運営の専門職であったりなどその意味の幅は広い。欧米の委員会においては必ず、会長(Chairperson)、会計長(Treasury)、書記長(Secretary)が選ばれるのもこのためである。さらに米国などの外国では各省の長官を指す場合に「書記長」(secretary)を用いる。これは行政における各省の長を表すからで、国務長官は the Secratary of State、国防長官はthe Secretary of Defenseである。英国では大臣としてsecretaryとministerの両方を用いる。これを行政事務の長を意味する。国際連合事務総長は Secretary-Generalである。

秘書の役割

秘書の主な役割とは、書類作業(総務)の専門家としてみる場合と特定の上司の補佐役と見る場合がある。

書記長や(企業)書記士の場合な前者で、この場合は特定組織の株主総会や委員会および組織全体の総務(および法律関連)の運営および書類作業を組織の規定沿う形で行うとともに、組織の総務の効率化および迅速化を図ることである。これは一人の上司の補佐役というより組織の補佐役であると捉えることも出来る。

一般に考えられる特定の上司の補佐役としての「秘書」の場合は担当する上司が「際だった業績」(Outstanding Achivement)を挙げることを目的とし、上司が本務に専念できるように必要なあらゆる業務・雑務を行うことである。一般的な役員秘書や学者秘書の場合、担当する上司の身の回りの世話、来客の接遇、スケジュールやメールの管理、会議や出張の準備、文書作成、パーティーの準備や出席といった業務を行う。業務は社業に関わるものから、慶弔、軽微な健康管理、食事の手配といった私的なものまでを含む。

OA機器の発達により、従来は秘書の役割であったスケジュール管理や連絡業務がパソコンや携帯電話に置き換えられつつある。秘書の役割は変わりつつあり、機械にはない機転を利かせたり、情報機器により希薄になる人間関係を取り持つ役割のような人間にしかできないことの重要性が増している。また、OA機器の操作から上司を解放し、本来の業務に専念できるようにすることも必要である。

個人秘書は「黒子」として舞台裏で活躍する。舞台の表に立つのは上司であり、秘書は裏方(黒子)である。上司あっての秘書であり、秘書あっての上司ではない。しかし、秘書の働きが悪いと上司が能力を発揮できない。議員秘書の場合は議員が落選し公約を全うできない。一方、秘書は電話の応対や来客の接遇を介して、上司や会社を代表する表の顔も勤める。秘書の印象が悪いと上司や会社の印象も悪くなってしまう。そのため、感じの良さが必須である。

秘書は「コミュニケーション・リンク」でもある。秘書は上司と、上司の部下、上司の上司、他の部課、社外の取引先、上司の家族・知人等のコミュニケーションの中心に位置し、連絡事項を取り次いだり、面会を手配したりといったリンクの役割を果たしている。どんなことでも秘密を守り他言しないことが信頼を得るために必要である。

秘書業務

総務(基本業務)

秘書業務の基礎的原則としては補佐としての役割を果たすことである。秘書の基本的な職務として上司の職権を侵害しない範囲内で職務に専念できるように細部に渡って配慮し、また秘密の保全、周囲との連携の強化、職場環境の改善などが含まれる。秘書業務はその処理の際に必要となる判断から定型業務と非定型業務に大別される。定型業務には複写、清書、清掃などの業務があり、非定型業務には企画業務や管理業務などが含まれる。実際の秘書業務においてはこれら仕事の重要性から弾力的に処理順序を組み替える判断力が必要である。また上司の行動予定を把握してその行動に必要な調整や確認などを行い、突発的な予定の変更にも対処する。

文章業務

組織の情報は一般に文章を媒体としており、秘書業務だけでなく幅広い業務で使用されている。文章はメモ、報告書、回覧、通達などを含む概念であるが、ここでは組織内部または組織間において使用される形式化された文章を指している。文章は通常、文章作成基準にしたがって作成されるものであり、情報伝達、意思決定などの明確な目的を持っており、しかもその書き方が標準化されており、その控えが残されているものである。内容の正確性や表現の適切性、作成の所要時間が短時間であり、様式や用紙が統一化されていれば便利である。

近年のIT技術の進歩によって単純な文書業務は低下する傾向にある一方で、株主総会の運営および企業統治の明確化、適正化が重要性を増しているために、会社運営に関わる法律や組織の内規や事務作業を熟知し、その運営の効率化、適格化を図るというより高度の管理能力が求められるようになってきている。

情報業務

組織体において所要の情報を適時に取得できるように平時から情報を整理してその所在を明確化するための業務は情報管理などと呼ばれるが、秘書業務においては秘書本来の業務に必要な情報管理、上司に代行して実施する情報管理、部門管理のための情報管理に大別される。秘書が行う情報業務は各種情報の調査、取得、分類、整理、蓄積、保存、廃棄などの一連の処理を含むものであり、情報業務用の機器や備品の管理まで含まれる。また機密保持は秘書の業務における絶対要項である。

接遇業務

接遇業務は来客の用件を把握した上でその目的を達成するための環境を準備することである。しかし、これが学会や会議や会合などの運営や大企業における重役の旅行の手続きなど、組織運営における総務の重要業務のひとつである。秘書業務では上司への問い合わせや来訪に適当な対処をすることも求められる。接遇の原則としては客に対しては友好的、親善的な態度で応答し、また作法やマナーを遵守した諸動作を心がけ、なおかつ迅速かつ正確な判断によって客の用件を達成することを支援すことにある。接遇業務においては礼式の要領や敬語の使用が不可欠であり、簡潔かつ明快な言葉で応答する。この接遇業務は電話対応と来客対応が含まれている。

秘書の資質

秘書に必要な技能的能力として以下が望まれる。

  • 書類を処理する能力に優れること。
  • 組織および上司の仕事の熟知あるいは、書類作成における組織および法的規約に精通している。
  • 機密が保てること。

「秘書の資質」として以下が望まれる、

  • 状況に応じて必要なことを行う的確な判断力、大事なスケジュールや人の名前を覚える記憶力、多くの仕事を要領よくこなす行動力、次の仕事を先回りして行う洞察力。
  • 上司の人間関係をよりよいものに保つ対人関係能力。
  • 上司のよき理解者であること。上司に信頼されること。
  • 自分の考えに固執せず、上司の考えに従うこと。
  • 人の世話やサポートが好きなこと。
  • 明るく清潔感があり、印象がよいこと。

秘書教育

秘書教育は全国の短大や専門学校の秘書科及び医療秘書科、大学等で行われているほか、秘書検定という能力証明のための資格があり、そのための書籍を利用した独学も一般的である。秘書検定で学ぶ内容は秘書志望者だけではなく一般事務職にも共通して役に立つ内容であるため、秘書検定2級、3級では学生の受験者の方が多い。

日本秘書教育学会では研究大会を開催しているほか、秘書教育研究誌を発行している。

秘書職の魅力、資格

大変なこと

秘書職は、雑多な仕事を手際よく片付けなければならない。また何でも屋になりがちで、何か特定の技術が身に付くということがない。相手のやり方に合わせなければならないので、ストレスが溜まることもある。

魅力

自分個人ではできないような大きな仕事を上司を介して遂行するやりがいがある。上司と一緒に物事を達成してゆく充実感や、相手に感謝され必要とされている実感を持つことができる。高価な食事のお相伴をする、仕事でなければ行けない外国に行くような機会もあるかもしれない。

資格

秘書として仕事を行う際に、資格や免許は不要である。経験不問の求人も多い。 ただしイギリスなどでは株主総会の運営に関わるものは企業秘書士(CorporateSecretary)あるいはそれに順ずる資格を有するものでなければならないという規定がある。

秘書の能力向上と専門性確立のため、以下が行われている。

  • 財団法人実務技能検定協会 秘書技能検定(秘書検定、3級~準1級、1級。試験は年3回、全国都道府県で実施。3級、2級はペーパーテスト、準1級と1級はペーパーテストと実技試験。合格ラインは理論領域と実技領域の両方が60%以上。)
  • 財団法人全国経理教育協会 秘書能力検定(3~1級)
  • 社団法人日本秘書協会 CBS(国際秘書)検定 (準CBS認定、CBS認定。ペーパーテストと日英語による面接)
  • 米国IAAP公認 米国秘書検定 (CPS)
  • 医療秘書教育全国協議会 医療秘書技能検定

秘書の能力開発とツール

秘書検定は3級から1級まであり、継続的な秘書能力の開発に役立っている。日本秘書協会では秘書同士の交流や技術力向上のためのセミナーを定期的に開催している。

英語力を身につけ、米国秘書検定 (CPS)国際秘書検定に挑戦する人も多い。

ぐるなびこちら秘書室では、接待で使用可能なレストラン等の情報を提供しているほか、掲示板を設け秘書同士の情報交換の場を設けている。不定期に開催される下見会では、高級料亭等で試食ができる。

著名な秘書

内閣総理大臣の秘書

内閣総理大臣秘書官(首席秘書官)を務めた者は除く。

その他政治家秘書

その他秘書

その他

  • アメリカでは1952年にアメリカの秘書協会(IAAP)が2000年まで4月の第4週を秘書週間と定め、その週の水曜日を「Secretaries Day」秘書の日とした。しかしそれ以降は「Administrative Professionals Day」・「総務専門家の日」に改名されている。また日本語では秘書協会と訳されているが、実際は総務専門家協会となっている。本記事でのべた秘書の役割の時代による移行を反映しての改名である。
  • イギリスでは総務の運営に携わる「企業秘書」「CorporateSecretary」という専門家が存在する。会社法および総務業務の専門職である。上場会社の株主総会の運営などは弁護士・会計士と企業秘書士でなくてはならないと制定されている。

参考文献

  • 全国短期大学秘書教育協会編『秘書実務』紀伊国屋書店、昭和63年

外部リンク