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[[熱湯]]を注ぐだけで調理が可能で鍋が要らずお湯さえあればどこでも食べられるのが特徴。規約上の正式名は「即席カップめん」である<ref name="kiyaku">{{PDFlink|[http://www.jfftc.org/cgi-bin/data/bunsyo/A-31.pdf 即席めん類等の表示に関する公正競争規約]}}</ref>。内容物が[[インスタントラーメン]]のものを'''カップラーメン'''、[[そば]]、[[うどん]]のものを'''カップそば'''、'''カップうどん'''、[[焼き肉]]のものを'''[[カップ焼き肉]]'''とも言う。
[[熱湯]]を注ぐだけで調理が可能で鍋が要らずお湯さえあればどこでも食べられるのが特徴。規約上の正式名は「即席カップめん」である<ref name="kiyaku">{{PDFlink|[http://www.jfftc.org/cgi-bin/data/bunsyo/A-31.pdf 即席めん類等の表示に関する公正競争規約]}}</ref>。内容物が[[インスタントラーメン]]のものを'''カップラーメン'''、[[そば]]、[[うどん]]のものを'''カップそば'''、'''カップうどん'''、[[焼き肉]]のものを'''[[カップ焼き肉]]'''とも言う。


日本全国で発売されている一部の商品では、東日本と西日本など地域別毎でそれぞれ味付けを変えているケースもある([[どん兵衛]]や[[マルちゃん赤いたぬきと緑のきつね|赤いたぬきと緑のきつね]]等)。また、地域限定発売の商品もある。
日本全国で発売されている一部の商品では、東日本と西日本など地域別毎でそれぞれ味付けを変えているケースもある([[どん兵衛]]や[[マルちゃん赤いたぬきと緑のきつね|赤いきつねと緑のたぬき]]等)。また、地域限定発売の商品もある。


=== 非常用食糧 ===
=== 非常用食糧 ===

2008年8月26日 (火) 03:29時点における版

カップ麺(東洋水産『麺づくり』)

カップ麺(カップめん)とは、乾燥麺や生タイプ麺[1]等の即席麺類のうち、食器として使用できる容器(カップ状の耐熱耐水容器等)に入れたもので、かやくを添付したものをいう。

概説

熱湯を注ぐだけで調理が可能で鍋が要らずお湯さえあればどこでも食べられるのが特徴。規約上の正式名は「即席カップめん」である[1]。内容物がインスタントラーメンのものをカップラーメンそばうどんのものをカップそばカップうどん焼き肉のものをカップ焼き肉とも言う。

日本全国で発売されている一部の商品では、東日本と西日本など地域別毎でそれぞれ味付けを変えているケースもある(どん兵衛赤いきつねと緑のたぬき等)。また、地域限定発売の商品もある。

非常用食糧

電気・ガス・水道などライフラインが影響を受ける非常事態では、お湯の確保が困難な場合が多く、その場合はカップ麺は役に立たない。災害直後は、火気使用はガス爆発を起こす危険も高く、集団避難生活では火気が使えないために容器一杯の熱湯を得るのも難しいケースもある。

中期以降でも、少なくともインスタントラーメンよりは調理は簡便ではあるが、これの調理に必要な水や燃料・簡易焜炉(カセットガスコンロなど)といった他の備えも必要である。

歴史

日清食品1971年9月18日に発売(事前に行われた試験販売を除く)した「カップヌードル」が最初の製品である。欧米に即席ラーメンのセールスに行った際、ラーメン用のどんぶりが無かったため、紙コップにチキンラーメンを割り入れて湯を注ぎフォークで試食する姿からの発想だった。今では主食として広く親しまれているが、当初は間食としての普及を視野に入れて開発されたという経緯がある。通常の袋麺(約90~100g)よりも麺の容量が少ない(約80g)のはその名残りである。

このカップ麺が日本人に受け入れられ、普及したきっかけは、あさま山荘事件の際、警官隊が寒さの中これを食べている姿がテレビでたびたび放映されたためではないかと言われている。

現在ではラーメンのほかそばうどんやきそばスパゲッティそうめん冷麺春雨フォーなどもあり、麺類全般が製品化されている。また、カップラーメンは海外での生産・販売も行われている。主な生産および消費地は東アジア地域である。日本のメーカーの現地生産も行われている。

容器

容器は通常、発泡スチロールが使われる。保温性がよく、持ったときに熱くないという理由からである。紙製の容器の場合、容器外側を段ボール状にして、この点を克服している。代表的なものが『サッポロ一番 カップスター[2]である。最近のものはカップを二重構造にするだけで段の無い容器になっている。近年では紙製でも発泡スチロールのように紙に空間を持たせたものも存在する(日清カップヌードル系列のものに多い)。紙の容器に比べ発泡スチロールのほうが多彩な形状のものを作ることが可能である。初期のものはすべて発泡スチロールだが、日清食品が特許を持っていたため、後発メーカーは主に紙容器のものを作った。

1998年に当時の環境庁(現環境省)より提出されたSPEED'98リスト(「内分泌攪乱化学物質問題への環境庁の対応方針について」)により、高熱の熱湯を注ぐことで発泡スチロール製の容器から環境ホルモン(スチレンダイマー、スチレントリマー)が溶出し、スープや麺と一緒に摂取することで人体への影響があるとマスメディアからの批判を浴び、各メーカーが緊急に紙容器に切り替えるなど大きな問題となった。後に同説はカップ麺業界等により再調査され、2000年に旧通産省・旧環境庁が「内分泌攪乱作用があるとの証拠は見いだせない」「作用を否定する報告が大半」と発表したが、2006年に東京都健康安全研究センターは動物実験により、生物への影響が確認されたと発表した。しかし、これは通常の10倍以上を摂取する状況下での結果であり、実際の人体への影響がどの程度かは不明である。なお発泡スチロール(ポリスチレン)は前述のとおり、環境ホルモンと関連する物質の疑いが2000年11月に晴れたとされ、同リストより除外されている。しかし、2004年には当時流行した健康食品のしそ油(荏胡麻油)が、このスチロール製カップを溶かすとして話題となり、国民生活センターが調査を行った所、このしそ油をカップに入れ、100度の熱湯を注いだ際に一定の溶解が見られたため、消費者に注意を呼びかけている[3]

これらの容器は、洗った後に埋め立てゴミとして家庭から排出されるが、一部自治体では洗ってない物は燃えるゴミとして排出してもよい地域もある。地域によって排出基準が違う(→ごみ問題)。

乾燥麺タイプは直接容器に麺が入っているケースが殆どであるが、生タイプ麺はすべてその麺を真空パック包装した上で容器に入れた状態となっている。

調理

汁を用いる製品の多くは熱湯を注いで3分、一部の製品は1~2分ないし、4~5分で調理が完了する。生タイプ麺は調理時間がやや短めの傾向である。一時期乾燥麺タイプで調理時間が1分の製品も各社から発売されたが、食べ終わる前に麺がのびてしまう等の問題が在ったため多くは短命に終わったが、一部、焼きそばタイプでは、まだ存在している。汁を用いない焼きソバ、また本物を求めた生タイプ麺などの製品では茹で汁を使用しないものもあり、これらの場合は湯切の作業が必要となる。

なお湯は基本的にほぼ摂氏100度の物を使う事を前提としているため、ポット等の湯では再沸騰機能を用いても、美味しく出来ない場合がある。また熱湯を使うため火傷に対する警戒も必要で、これにまつわる事故事例も多い。各メーカーでは注意を呼びかけると共に、児童などがこれを食べる場合には保護者が管理するよう求めている。

添え付けのスープや具材はフリーズドライ製法を用い乾燥させたものが主流だが、袋入りのインスタントラーメンと同様、高価格の製品にはスープ・具が別添のものも存在する。それらの製品では袋を取り出し、麺の上に置いてから湯を注ぐなど、製品ごとに様々な違いも見られるため、湯を注ぐ前にパッケージに記載された説明書きなどを読んでおく事が勧められる。中にはレトルト食品の具材が付属していて、その具材を湯煎する事を勧める製品も存在する。 なお、カップ麺はJAS規格によって「標準」と「上級」に分類されている。麺の重量に対して具材(かやく)が6%以上のものが標準、15%以上のものが上級、カップ焼きそばやスパゲティの場合、4%以上が標準、10%以上が上級[4]となっている。

また、電子レンジ調理専用の商品も少数存在する(日清食品「U.F.O./どん兵衛 NEXT GENERATION」シリーズ等)。それ以外のものは電子レンジ調理不可のケースが日本では多いが、米国で販売されているものは "microwavable"(電子レンジ調理可能)と明記されたものが多く存在する。

主なカップ麺メーカー

市場

商品別での販売量(日本国内、個数)の順位としては、

つまり、初期に登場したブランド・味が今でも良く売れている(2006年の1~10月について。流通システム開発センターの調査。2006年11月20日フジテレビとくダネ!」放送)。

脚注

関連項目

外部リンク