「アンダースロー」の版間の差分
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2007年6月19日 (火) 03:18時点における版
アンダースローとは、野球の投手の投法のひとつ。横投げのこと。日本語の野球用語としてはサイドスロー(横手投げ)と区別するため下手投げと呼ばれる。投球の際に身体が沈むこと、または球が下から上に上がってくることから、サブマリン投法とも呼ばれる。「アンダースロー」とは和製英語であり、正しくはsubmarine、underhanded pitch。
解説
投手の手からボールが離れる(リリース)ときに、ボールを持っている腕が水平面を下回る角度であれば、アンダースローと呼ばれる。基本的に直球にスピードは出ないが、低いリリースポイントから浮き上がるようにして打者方向に向かってくるため、打者は球速以上の威力を感じ、非常に打ちにくくなる。またそのフォームからフォークボールなどは投げにくい(フォークは抜いて投げる変化球のため、アンダースローで投げるとすっぽ抜けることが多い)。そのためシンカーやカーブを習得することが多い。
肩や肘の負担が大きく、また強靭な足腰を必要とする。そのためか、この投法を用いる投手には高いスタミナを持つ所謂「先発完投型」が多い。さらに体を曲げるフォームのため投げ始めの頃には肋骨にひびが入ったり折ることもあるという。プロ野球選手では渡辺俊介も経験したと言う。また、ランナーを背負った際のクイックモーションが難しく、そのため盗塁されることを嫌う現代野球では重用されない傾向にある。
アンダースローを長く続けている投手はオーバースローが出来なくなる。その為、アンダースローは「ピッチングの終着駅」と言われている。また、左投げの投手はほとんど存在しない。
この投法を用いる投手がほとんどいないため、打者にとっては打ちにくい投法であると言われる。また、アンダースロー投手自身も打席に立ってこの投法を味わう機会はほとんどないため(試合ということならば両チームのピッチャーがアンダースローということになる)、自分がどんな球を投げているのかいまいちピンとこない、ということが多い。
この投法をする投手は与死球が多いことがあるが、これは球の出所が判りにくい為に打者による回避動作が遅れるためである。アメリカ・メジャーリーグ、インディアンスのレイ・チャップマンはヤンキースのカール・メイズから受けた死球のため命を落としている。
アンダースロー投手
過去の主なアンダースロー投手
米国
日本
- 古川正男(大阪→後楽園・イーグルス)
- 木下勇(大阪→南海・近畿日本→大陽→西鉄)
- 吉田将大(阪神タイガース)
- 亀田忠(イーグルス・黒鷲)
- 武末悉昌(南海→西鉄→高橋)
- 干場一夫(大阪)
- 秋山登(大洋)
- 石川緑(中日→阪神→東映)
- 皆川睦雄(南海)
- 杉浦忠(南海)
- 弘瀬昌彦(大阪→広島→阪急)
- 小川健太郎(東映→中日)
- 山田久志(阪急)
- 足立光宏(阪急)
- 大町定夫(阪神)
- 高田博久(日本ハム→大洋)
- 松沼博久(西武)
- 小林繁(巨人→阪神)
- 仁科時成(ロッテ)
- 深沢恵雄(ロッテ→阪神)
- 金城基泰(広島→南海→巨人→青宝〔韓国〕→三星〔韓国〕)
- 高橋直樹(東映・日拓・日本ハム→広島→西武→巨人)
- 佐々木修(近鉄)
- 葛西稔(阪神)
- 宇高伸次(近鉄→横浜)
- 村西哲幸(横浜)
- 平本学(東京ヤクルト)
台湾
中国
日本プロ球界現役のアンダースロー投手
関連項目
関連書
- 渡辺俊介『アンダースロー論』 光文社 2006年 ISBN 4334033717