安心院盆地

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安心院盆地(あじむぼんち)は、大分県宇佐市(旧安心院町)にある盆地

概要[編集]

大分県北部の宇佐平野からやや南方に入った山間部に位置している。西側に深見川、東側に津房川がそれぞれ流れており、2本の川は盆地の北端で合流した後さらに北流し、他の川と合わさり駅館川となって周防灘に注ぐ。小説家の司馬遼太郎が、「盆地の景色としては日本一」と絶賛した風光明媚な盆地である。

昼と夜の寒暖の差が激しく、由布院盆地などと同様に放射冷却による朝霧が有名である。また、気候を活かしたブドウの生産が盛んで、『いいちこ』で有名な三和酒類はこの地に安心院葡萄酒工房というワイナリーを構えており、安心院ワインが名産となっている。

安心院という地名の由来については種々の説があるが、一説にはが生えていたことから芦生(あしぶ)の里といったのが後に「安心」に転じ、中世に宇佐神宮荘園となって倉院が置かれたことから「院」をつけて「安心院」と書かれるようになったという。この盆地の成因については、かつて湖であったという説があり、この説によれば、地名の由来の芦生は、湖が干上がって干潟となり芦が生えていた様を表しているとされる。

安心院盆地は安心院町の地形的特徴として広く認識されており、この地で毎年夏に開かれる盆踊り花火大会などの祭りは安心院盆地祭りと名付けられている。

関連項目[編集]