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国際連合総会決議3236

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
国際連合総会
決議3236 (XXIX)
日付: 1974年11月22日
形式: 総会決議
会合: 2282回
コード: A/RES/3236 (XXIX)
文書: 英語

投票: 賛成: 89 反対: 8 棄権: 37
主な内容: パレスチナ問題
投票結果: 承認

国際連合総会決議3236(こくさいれんごうそうかいけつぎ3236)は、1974年11月22日に採択された第29回国際連合総会での決議。この決議において、パレスチナ人民族自決の権利が認められ、パレスチナ解放機構国連の関係が公式化し、「パレスチナ問題」が国連の議題に加えられた[1]。英語の決議名はUnited Nations General Assembly Resolution 3236 (XXIX)(略称はUNGA Res. 3236)。

翌年の第30回国際連合総会では、これらパレスチナ人民の不可譲の権利の行使を履行するための計画を作成する226国からなる「パレスチナ人民の不可譲の権利に関する委員会」が設置された(総会決議3376(XXX))[1]

決議の内容[編集]

総会は、

パレスチナ問題を審議し、

パレスチナ人民の代表であるパレスチナ解放機構の発言を聴取し、

また、本件討議中に行なわれた他の発言をも聴取し、

パレスチナ問題の公正な解決がまだ達成されていないことを深く憂慮し、

かつパレスチナ問題が依然として国際の平和と安全を危うくしていることを認め、

パレスチナ人民が国連憲章にもとづき自決の権利があることを認識し、

パレスチナ人がその不可譲の権利,とくにその自決権の享受を妨げられていることに重大な憂慮を表明し、

憲章の目的と原則に従い、

パレスチナ人民の自決権を確認する関係総会決議を想起し、

  1. 以下の事項を含む、パレスチナにおけるパレスチナ人民の不可譲の権利を再確認する。
    1. 外部からの干渉のない自決の権利
    2. 民族独立と主権の権利
  2. 追放され奪われた郷里と財産に復帰するパレスチナ人の不可譲の権利を再確認し、かつ彼等の復帰を要請する。
  3. パレスチナ人民.のこれら不可譲の権利の十分な尊重と実現は、パレスチナの間題の解決のため不可欠であることを強調する。
  4. パレスチナ人民が中東の公正かつ永続的平和達成のため、主要当事者であることを承認する。
  5. 更に国違憲章の目的と原則にもとづくあらゆる手段により、その諸権利を回復するパレスチナ人民の権利を承認する。
  6. 全ての国家と国際機関に対して、国連憲章にもとづき、諸権利を回復するパレスチナ人民の闘争に支持を与えるよう訴える。
  7. 事務総長に対し、パレスチナ間題に関する全ての事項についてパレスチナ解放機構と接触を確立するよう要請する。
  8. 事務総長に対し、本決議の履行について第30回総会に報告するよう要請する。
  9. 「パレスチナ問題」を第30回会期の仮議題に含めることを決定する。
— 国際連合総会、第29会総会、総会決議3236(XXIX)[1]

投票内約[編集]

国連加盟国の内、賛成が89票、反対が8票、棄権が37票となった。 各国の投票は以下の通りである[2]

投票

国名 全投票数内の割合
賛成 89 アフガニスタンの旗 アフガニスタン, アルバニアの旗 アルバニア, アルジェリアの旗 アルジェリア, アルゼンチンの旗 アルゼンチン, バーレーンの旗 バーレーン, バングラデシュの旗 バングラデシュ, ブータンの旗 ブータン, ボツワナの旗 ボツワナ, ブルガリアの旗 ブルガリア, ビルマ連邦社会主義共和国の旗 ビルマ連邦社会主義共和国, ブルンジの旗 ブルンジ, 白ロシア・ソビエト社会主義共和国の旗 白ロシア・ソビエト社会主義共和国,カメルーンの旗 カメルーン, 中央アフリカ共和国の旗 中央アフリカ共和国, チャドの旗 チャド, 中華人民共和国の旗 中華人民共和国, コンゴ共和国の旗 コンゴ共和国, キューバの旗 キューバ, キプロスの旗 キプロス, チェコの旗 チェコ, ダホメ共和国の旗 ダホメ, 南イエメンの旗 南イエメン, エジプトの旗 エジプト, 赤道ギニアの旗 赤道ギニア, エチオピアの旗 エチオピア, ガボンの旗 ガボン, ガンビアの旗 ガンビア, 東ドイツの旗 東ドイツ, ガーナの旗 ガーナ, ギニアの旗 ギニア, ギニアビサウの旗 ギニアビサウ, ガイアナの旗 ガイアナ, ハンガリーの旗 ハンガリー, インドの旗 インド, インドネシアの旗 インドネシア, イランの旗 イラン, イラクの旗 イラク, コートジボワールの旗 コートジボワール, ジャマイカの旗 ジャマイカ, ヨルダンの旗 ヨルダン, ケニアの旗 ケニア,クメール共和国の旗 クメール共和国, クウェートの旗 クウェート,  レバノンの旗 レバノン, レソトの旗 レソト, リベリアの旗 リベリア, リビアの旗 リビア, マダガスカルの旗 マダガスカル, マレーシアの旗 マレーシア, マリ共和国の旗 マリ共和国, マルタの旗 マルタ, モーリタニアの旗 モーリタニア, モーリシャスの旗 モーリシャス, モンゴルの旗 モンゴル, モロッコの旗 モロッコ, ニジェールの旗 ニジェール, ナイジェリアの旗 ナイジェリア, オマーンの旗 オマーン, パキスタンの旗 パキスタン, ペルーの旗 ペルー, フィリピンの旗 フィリピン, ポーランドの旗 ポーランド, ポルトガルの旗 ポルトガル, カタールの旗 カタール, ルーマニアの旗 ルーマニア, ルワンダの旗 ルワンダ, サウジアラビアの旗 サウジアラビア, セネガルの旗 セネガル, シエラレオネの旗 シエラレオネ, ソマリアの旗 ソマリア, スペインの旗 スペイン, スリランカの旗 スリランカ, スーダンの旗 スーダン, シリアの旗 シリア, タイ王国の旗 タイ, トーゴの旗 トーゴ, トリニダード・トバゴの旗 トリニダード・トバゴ, チュニジアの旗 チュニジア, トルコの旗 トルコ, ウガンダの旗 ウガンダ, ウクライナ・ソビエト社会主義共和国の旗 ウクライナ・ソビエト社会主義共和国, ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦, アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦, タンザニアの旗 タンザニア, オートボルタの旗 オートボルタ, 北イエメンの旗 イエメン・アラブ共和国, ユーゴスラビアの旗 ユーゴスラビア, ザイールの旗 ザイール, ザンビアの旗 ザンビア 66.4%
反対 8 ボリビアの旗 ボリビア, チリの旗 チリ, コスタリカの旗 コスタリカ, アイスランドの旗 アイスランド, イスラエルの旗 イスラエル, ニカラグアの旗 ニカラグア, ノルウェーの旗 ノルウェー, アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 6.0%
棄権 37 オーストラリアの旗 オーストラリア, オーストリアの旗 オーストリア, バハマの旗 バハマ, バルバドスの旗 バルバドス, ベルギーの旗 ベルギー, カナダの旗 カナダ, コロンビアの旗 コロンビア, デンマークの旗 デンマーク, エクアドルの旗 エクアドル, エルサルバドルの旗 エルサルバドル, フィジーの旗 フィジー, フィンランドの旗 フィンランド, フランスの旗 フランス, 西ドイツの旗 西ドイツ, ギリシャの旗 ギリシャ, グレナダの旗 グレナダ, グアテマラの旗 グアテマラ, ハイチの旗 ハイチ, ホンジュラスの旗 ホンジュラス, アイルランドの旗 アイルランド, イタリアの旗 イタリア, 日本の旗 日本, ラオスの旗 ラオス, ルクセンブルクの旗 ルクセンブルク, マラウイの旗 マラウイ, メキシコの旗 メキシコ, ネパールの旗 ネパール, オランダの旗 オランダ, ニュージーランドの旗 ニュージーランド, パナマの旗 パナマ, パラグアイの旗 パラグアイ, シンガポールの旗 シンガポール, エスワティニの旗 エスワティニ, スウェーデンの旗 スウェーデン, イギリスの旗 イギリス, ウルグアイの旗 ウルグアイ, ベネズエラの旗 ベネズエラ 27.6%

出典[編集]

  1. ^ a b c 家正治「パレスチナ人民の自決権とオスロ合意(上)」『神戸外大論叢』第49巻第5号、神戸市外国語大学研究会、1998年10月、3-16頁、CRID 1050282814073108992ISSN 02897954 
  2. ^ قرار رقم 3236 (29)، 22 تشرين الثاني 1974”. Palestinian return centre. 2016年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年10月5日閲覧。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]