ヤマシャクヤク
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ヤマシャクヤク | ||||||||||||||||||||||||
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ヤマシャクヤクの花
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保全状況評価[1] | ||||||||||||||||||||||||
準絶滅危惧(環境省レッドリスト) | ||||||||||||||||||||||||
分類(APG III) | ||||||||||||||||||||||||
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学名 | ||||||||||||||||||||||||
Paeonia japonica (Makino) Miyade et Takeda[2] | ||||||||||||||||||||||||
和名 | ||||||||||||||||||||||||
ヤマシャクヤク |
ヤマシャクヤク(山芍薬、学名:Paeonia japonica)は、ボタン科ボタン属に分類される多年草の1種。
概要
[編集]茎の高さは、30-40 cm[3]。
葉は3-4枚で互生し、小葉は楕円形-倒卵形。
茎の先端に直径4-5 cmの花を1個つけ、上を向いて開く。緑色の葉形の萼片があり、ふつうは3枚。バナナに似た形状の3本の雌しべの周りには先端が黄色の雄しべが多数付く[4]。花弁は白色で5-7枚、開花時期は4-6月[3]。花が開いているのは3-4日程度[4]。秋に実が熟すと結実しない赤色と結実した黒色の種子ができる[5]。
和名の由来は、山地帯に生え全体がシャクヤクに似ていることによる[6]。山野草として栽培され、苗が販売されている[2]。
分布
[編集]朝鮮半島[2]と日本の北海道・本州・四国・九州の落葉広葉樹林下などの山地帯に生える。石灰岩の地を好む傾向がある[1]。
近縁種
[編集]- ケヤマシャクヤク(Paeonia japonica f. pilosa)
- ベニバナヤマシャクヤク(Paeonia obovata Maxim.)
- ケナシベニバナヤマシャクヤク(Paeonia obovata f. glabra)
種の保全状況評価
[編集]環境省のレッドリストの準絶滅危惧(NT)に指定されている[1]。2007年に、以前の危急種(絶滅危惧II類)から変更された[1]。総個体数は約20,000、平均減少率は約40%、減少の主要因が園芸用の採集、森林の伐採、林道工事であると推定されている[1]。
日本の以下の都道府県でレッドリストの指定を受けている[8]。
- 絶滅(EX) - 東京都、千葉県
- 絶滅寸前または絶滅危惧種(絶滅危惧I類、CRまたはEN) - 宮城県、群馬県、大阪府、和歌山県、佐賀県、鹿児島県
- 絶滅危惧種(EN) - 福岡県、長崎県
- 危急種(VU) - 青森県、岩手県、山形県、福島県、茨城県、群馬県、埼玉県、新潟県、富山県、福井県、山梨県、長野県、愛知県、三重県、奈良県、岡山県、山口県、香川県
- 準絶滅危惧(NT) - 北海道、秋田県、岐阜県、静岡県、滋賀県、鳥取県、広島県、徳島県、熊本県、大分県、宮崎県
環境省により、上信越高原国立公園・中部山岳国立公園・南アルプス国立公園・秩父多摩甲斐国立公園・八ヶ岳中信高原国定公園などで自然公園指定植物となっている[9]。
関連画像
[編集]-
ヤマシャクヤクの蕾
-
花弁が散った後のヤマシャクヤクの実
-
赤い花をつけるベニバナヤマシャクヤク
脚注
[編集]- ^ a b c d e f “植物絶滅危惧種情報検索”. 生物多様性情報システム. 2011年9月12日閲覧。
- ^ a b c “ヤマシャクヤク”. 岐阜県. 2011年9月12日閲覧。
- ^ a b 林弥栄『日本の野草』山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2009年10月、504頁。ISBN 9784635090421。
- ^ a b ピッキオ『花のおもしろフィールド図鑑 春』実業之日本社、2001年3月、174頁。ISBN 4408394718。
- ^ “植物図鑑(ヤマシャクヤク)”. 筑波実験植物園. 2011年9月12日閲覧。
- ^ 金丸勝実『鈴鹿・伊吹山』山と溪谷社〈花の山旅〉、2001年6月、28頁。ISBN 4635014134。
- ^ “バニバナヤマシャクヤク” (PDF). 愛知県. 2011年9月12日閲覧。
- ^ “日本のレッドデータ検索システム(ヤマシャクヤク)”. エンビジョン環境保全事務局. 2012年5月24日閲覧。
- ^ “国立・国定公園特別地域内指定植物(ヤマシャクヤク)” (PDF). 環境省自然環境局. pp. 3. 2011年9月12日閲覧。