アイアンマン・マッチ

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アイアンマン・マッチIron Man Match、鉄人戦)は、プロレスの試合形式の一種。

概要[編集]

設定された制限時間内(多くの場合60分もしくは30分)に、3カウント、ギブアップ、反則、リングアウトでどれだけ勝利数を稼げるかを競い、時間切れの時点で勝利数が上回っていたら勝利という過酷な試合形式。裁定に関しては通常の試合形式と同様。時間切れの地点で同点だった場合は、そのまま時間無制限1本勝負のサドンデスによる延長戦に突入する。

非常に高いレベルでの技術と体力を必要とするため、WWF時代を通じてWWEでも数年に一度しか行われない試合形式である。初めてこの形式で行われた試合は1992年WCWでのリッキー・スティムボートリック・ルード戦で、1996年WrestleMania XIIブレット・ハートショーン・マイケルズWWF世界ヘビー級選手権試合で初めて60分間で行われ、そのときは60分に達しても両者ひとつもポイントが取れないという予測しがたい展開となり、結局サドンデスでマイケルズが勝利した。その後もWWEでの60分制アイアンマン・マッチは4試合しか行われていない。事実上、WWEにおいては究極の試合形式と言っても過言ではない。

日本国内では、ハヤブサ冬木弘道がシングルマッチで、金村キンタロー黒田哲広はタッグ形式でこのルールの試合を行った事がある。女子ではチェリー宮崎有妃が初めてこのルールで対戦しており、後にさくらえみ松本都も同様に対戦している。

サブミッション(関節技、絞め技)のみがポイントとなる形式は、アルティメット・サブミッション・マッチUltimate Submission Match)と呼ばれる。

なお、DDTアイアンマンヘビーメタル級王座WWEハードコア王座をモチーフとしたもので、アイアンマン・マッチの王座という訳ではない。

主なアイアンマン・マッチ[編集]

60分制[編集]

WWF王座
ブレット・ハート(0-1)ショーン・マイケルズ
両者無得点で時間切れのため、サドンデス方式延長戦による
ショーン・マイケルズがWWF王座を獲得
WWF王座
ザ・ロック(5-6)トリプルH
トリプルHがWWF王座を獲得
WWE王座
カート・アングル(4-5)ブロック・レスナー
ブロック・レスナーがWWE王座を獲得
世界ヘビー級王座
クリス・ベノワ(4-3)トリプルH●
クリス・ベノワが世界ヘビー級王座を防衛
WWE王座
ランディ・オートン(5-6)ジョン・シナ
ジョン・シナがWWE王座を獲得
トリプルH(0-0)カーティス・アクセル
試合開始直後にビンス・マクマホンが没収試合を宣告・試合中止に
AEW世界王座
MJF(4-3)ブライアン・ダニエルソン
60分で決着つかず、延長戦でMJFが防衛

変則制[編集]

リッキー・スティムボート(4-3)リック・ルード
クリス・ベノワ(4-3)カート・アングル
両者同点で時間切れのため、サドンデス方式延長戦による
WWEタッグ王座
MNM(2-1)ハードコア・ホーリーチャーリー・ハース
MNMがWWEタッグ王座を防衛
  • 2005年10月3日 WWE RAW Homecoming 30分制 
WWE王座第一挑戦者決定戦
カート・アングル(2-2)ショーン・マイケルズ
延長戦は行われず
NXT女子王座戦
サーシャ・バンクス(2-3)ベイリー
ベイリーが王座防衛
WWEロウ女子王座
シャーロット・フレアー(3-2)サーシャ・バンクス
シャーロットが王座防衛
WWE ロウ タッグチーム王座
シェイマス&セザーロ(4-3)ハーディー・ボーイズ
シェイマス&セザーロが王座防衛