Su-7 (航空機)

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Flag of the Soviet Union (1923-1955).svg Su-7 / Су-7

ポーランド空軍のSu-7BKŁ

ポーランド空軍のSu-7BKŁ

Su-7(スホーイ7、スホイ7;ロシア語:Су-7スー・スィェーミ)は、ソ連スホーイ設計局が開発した後退翼ターボジェット機。北大西洋条約機構(NATO)が用いたNATOコードネームでは「フィッター」(Fitter)と呼ばれた。

概要[編集]

開発[編集]

当初Su-7は小型の前線戦闘機MiG-21Fに対し大型の前線戦闘機として開発され、1955年に初飛行を行った。しかしながら、次の生産型Su-7B以降戦闘爆撃機として開発を進めることになり、改良型のSu-7BMを経て最終的なSu-7BKLとその輸出型Su-7BMKとに発展した。また、複座型はSu-7U/UM/UMK/UKLが生産され、Su-17M等の練習機としても使用された。なお、防空軍向けに開発されたSu-9迎撃戦闘機は、Su-7の後退翼の代りにMiG-21のような三角翼を備えた姉妹機である。

運用[編集]

ポーランド空軍ではソ連空軍と同じSu-7BKLが運用されていたが、これは雪上用橇を装備する同機がポーランドでの運用に適していたことに加え、同国空軍が極秘裏に攻撃の任務を分担させられていたことに由来する。ポーランド空軍のSu-7BKLは、戦時には西ドイツに対し核攻撃を行うことになっていたとされる。なお、ポーランドではこの他にSu-7BMも運用していた。チェコスロヴァキアでも同様の状況であった。

ソ連では、Su-17シリーズやMiG-27シリーズの配備に伴い第一線を退いたのちも、Su-7の主に複座型が各種試験に使用されていた。ソ連・ロシア機の標準装備となったK-36射出座席もこの機体で運用試験が行われていた。その後、ロシアではソ連崩壊後もSu-7が同様の目的で運用され続けた。ウクライナトルクメニスタンでもSu-7が保有されたが、こちらは運用の詳細は不明。その他の独立国家共同体諸国での運用の有無も明らかでない。Su-7の運用はソ連崩壊時にはすでに試験目的など「裏方」のものになっていたため、第一線機と違いその実態は不明な点が多い。海外の運用国でもすでにSu-7シリーズは退役して久しいが、その中ではエジプトでは実戦への投入後も長らく運用が続けられていた。イラクアフガニスタンの機体は、戦乱により恐らく全機が使用不能状態となった。インドでは、国産の戦闘爆撃機HF-24マルートと共に第一線での運用が続けられたが、後継機のMiG-23BNやMiG-27MLが配備されると退役した。アルジェリアイエメンの機体の末路は明らかでない。

評価[編集]

Su-7の長所は超低空における高速力であり、第二次印パ戦争第四次中東戦争ではある程度の戦果も挙げたが、航続距離の短さと長すぎる滑走距離という欠点があり、また兵器搭載量も不十分であった。さらに、中東戦争では小型で比較的機動性に富むMiG-17に対し、大型で鈍重なSu-7BMKはより標的となりやすい機体であると言われた。しかしながら、この欠点は地上目標への攻撃プラットホームとしての観点からすれば安定性に富んだ優れた機体であるという長所となる。

その後[編集]

1966年、スホーイ設計局では航続距離と滑走距離の問題の改善のため、Su-7BMの主翼を半可変翼化したSu-7IK(S-22I)を開発し、この研究機を踏襲した戦闘爆撃機Su-17(当初の名称はSu-7IG)を開発した。これは新型のMiG-23/27戦闘爆撃機への国内対抗機として開発が続けられ、その後それらよりあとの1990年まで生産が続けられた。Su-17シリーズは2005年現在でもポーランドペルー等で多くが使用されている。Su-7シリーズそれ自体は既に退役して久しいが、直系の子孫であるSu-17シリーズを含めれば、この飛行機は初飛行以来50年以上の現役を誇っているとも言えよう。

スペック(Su-7BKL)[編集]

Szuhoj Szu-7.svg
  • 初飛行:1962年
  • 翼幅:9.31 m
  • 全長:16.80 m
  • 全高:4.99 m
  • 翼面積:34.00 m²
  • 空虚重量:8,890 kg
  • 通常離陸重量:13,570 kg
  • 最大離陸重量:15,210 kg
  • 発動機:リューリカ設計局製 AL-7F1-100ターボジェットエンジン ×1
  • 出力:9,600 kg/s
  • 出力:8,370 kg/s
  • 最高速度:2,150 km/h
  • 巡航速度:790 km
  • 実用航続距離:1,650 km
  • 最大上昇力:9,600 m/min
  • 実用飛行上限高度:17,600 m
  • 乗員:1 名
  • 固定武装:30 mm機関砲 NR-30 ×2(弾数70発)

運用国[編集]

外部リンク[編集]

※画像リンク

  • マルトィーノフスキイにおけるソ連空軍第642連隊のSu-7B
ВВС СССР Су-7Б #34
  • ロシアのチュカーロフスキイ飛行場近くで記念碑となっているSu-7BM
Су-7 в п. Чкаловский
ВВС СССР Су-7БКЛ #27, 2004

関連項目[編集]

ソ連・ロシアの小型・中型爆撃機

同時代の攻撃機・戦闘爆撃機