SB2U (航空機)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

SB2U ヴィンディケイター

SB2U-3

SB2U-3

SB2U ヴィンディケイター (Chance Vought SB2U Vindicator:擁護者の意) はヴォート社が開発した艦上爆撃機である。折りたたみ式の主翼や引き込み脚を持つ、当時としては近代的な急降下爆撃機であった。

概要[編集]

空母サラトガ艦上のSB2U-1 海軍第3爆撃航空隊(VB-3)の所属機

海軍による募集の際、既に開発が大幅に進んでいたカーチスXSBC-3以外では、グレートレークスXB2G、グラマンXSBFは開発断念、ブリュースターのXSBAは生産性の高い海軍工廠へと移転生産によりSBNと改称されたが生産に遅れが出てしまい、ノースロップのXBTは少数生産ののち、改良のためダグラスによる移転生産によりSBDに改称されるといった具合で、計画通りに製造が行われたのは、このSB2Uのみであった。 開発は1934年6月より開始され、1934年10月11日に、XSB2Uとして、アメリカ海軍より試作機の発注が行われた。初飛行は1936年1月4日

1937年12月より部隊に配属が開始され、ダグラス社製SBD ドーントレスが配備されるまでの主力艦上爆撃機として使用された。またフランスにも輸出され、第二次世界大戦初期の独仏戦に使用されたが、大した活躍もないまま敗戦を迎えることとなった。

太平洋戦線ではミッドウェー海戦にミッドウェー基地航空隊として参加しており、1機が(被弾により帰投できなくなったため)重巡洋艦三隈に体当たり攻撃を仕掛けたことで知られる。

尚、フランスへの輸出分の内、フランス降伏によって発注分が宙に浮いてしまった機体は、イギリスが引き取りチェサピーク (Chesapeake) の名前で標的曳航や訓練に使用した。

諸元[編集]

SB2U-1 三面図
SB2U-3 三面図
制式名称 SB2U-1 SB2U-2
試作名称 XSB2U
全幅 12.80m
全長 10.36m
全高 3.12m
翼面積 28.33m2 28.34m2
翼面荷重 101kg/m2 102kg/m2
自重 2,121kg 2,138kg
正規全備重量 2,868kg 2,893kg
発動機 P&W R-1535-96
ツインワスプ・ジュニア
(離昇825馬力)1基
巡航速度 365km
最高速度 402km/h(高度2,895m) 404km/h(高度2,895m)
着艦速度 106km/h
上昇力 5,000mまで10分36秒
実用上昇限度 8,350m 8,382m
航続距離 1,128km(500ポンド(226.8kg)爆弾搭載時) 1,014km(500ポンド(226.8kg)爆弾搭載時)
武装 7.7mmコルト・ブローニングM2機関銃
右主翼 1挺・後席旋回 1挺
爆装 500ポンド爆弾
もしくは1000ポンド爆弾1発
乗員 2名
生産数 54機 58機

各種形式[編集]

XSB2U-1
試作機。R-1535-78エンジン(750馬力)を装備。1機製造。
SB2U-1
SB2U-1 VB-3 CV-3 1938.jpg
初期生産型。R-1535-78エンジン(825馬力)を装備。54機製造。
SB2U-2
機内備品を改良した型。58機生産。社内名称V-156
XSB2U-3
SB2U-3 on floats NAN7-62.jpg
フロートを着けて水上機化を可能にした型。1機製造。
SB2U-3
Vought SB2U-3 Vindicator VS-1 1-S-16 (16140609435).jpg
R-1535-102エンジン(825馬力)を装備。主翼内燃料タンクをインテグラル化し機銃を12.7mmに換装した改良型。57機製造。
V-156F-3
SB2U-2のフランス海軍向け改良型。エンジンを強化・ダイブブレーキの改良・機銃をフランス製に変更など。84機発注。うち34機受領。
V-156-B1
V-156Fのうち、フランスが降伏したために受け取られなかったものを、イギリスが受領したもの。エンジンをR-1535-SB4-Gエンジン(750馬力)へと換装し、防弾板と2門の機銃が追加されている。イギリス軍名称 チェサピーク Mk.I。50機受領。
V-167
R-1830エンジンへと換装したV-156の改良型。試験機1機のみ製造。

現存する機体[編集]

型名 機体写真 所在地 保存施設 公開状況 状態 [注釈 1]番号 備考
SB2U-2 SB2U-2 NMNA.jpg アメリカ合衆国フロリダ州ペンサコーラ 国立海軍航空博物館 公開 静態展示 1383 国立海軍航空博物館公式サイト

脚注[編集]

[ヘルプ]

注釈[編集]

  1. ^ アメリカ合衆国海軍省航空局のこと。

出典[編集]

関連項目[編集]

外部リンク[編集]