ヒト上科

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ヒト上科
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: 霊長目 Primates
亜目 : 直鼻亜目 Haplorrhini
下目 : 真猿型下目 Simiiformes
小目 : 狭鼻小目 Catarrhini
上科 : ヒト上科 Hominoidea
ヒト上科の系統樹

ヒト上科 Hominoidea(-じょうか)は、ヒトの仲間と大型類人猿をくくるサル目(霊長目)の分類群である。ヒト上科にはヒト科ヒト科ヒトチンパンジーゴリラオランウータンが含まれる)とテナガザル科が含まれる[1][2]

ヒト上科の下位分類は、従来はヒトと類人猿を科レベルで分けていたが、DNA解析等の知見により、現在ではヒト科に類人猿も含めることが一般的である。

狭鼻猿類であるヒト上科がオナガザル上科から分岐したのは、2800万年から2400万年前頃であると推定されている[3][4]。5種のヒト上科(テナガザル、オランウータン、チンパンジー、ゴリラ、ヒト)の肝臓から尿酸オキシダーゼ活性は検出されなかったが、ヒト上科以外の旧世界のサルと新世界のサルでは尿酸オキシダーゼ活性が検出された。ヒト上科の共通の祖先が旧世界のサルから分枝した際に、尿酸オキシダーゼ活性が消失したものと推定される[5]。尿酸オキシダーゼ活性の消失の意味付けは、尿酸直鼻猿で合成能が失われたビタミンC抗酸化物質としての部分的な代用となるためである[6]。しかし、ヒトを含むヒト上科では、尿酸オキシダーゼ活性の消失により難溶性物質である尿酸をより無害なアラントインに分解できなくなり、尿酸が体内に蓄積すると結晶化して関節に析出すると痛風発作を誘発することとなる[7]

テナガザルを含めた現生類人猿ではは失われている[8]

下位分類

ヒト上科 (Hominoidea)の新しい分類例

(新しい分類には、いくつか異学説がある)

ヒト上科の従来の分類

脚注

  1. ^ Groves, C. P. (2005). Wilson, D. E.; Reeder, D. M. eds. Mammal Species of the World (3rd ed.). Baltimore: Johns Hopkins University Press. pp. 178–184. OCLC 62265494. ISBN 0-801-88221-4. http://www.departments.bucknell.edu/biology/resources/msw3/browse.asp?id=12100751 
  2. ^ M. Goodman, D. A. Tagle, D. H. Fitch, W. Bailey, J. Czelusniak, B. F. Koop, P. Benson, J. L. Slightom (1990). “Primate evolution at the DNA level and a classification of hominoids”. Journal of Molecular Evolution 30 (3): 260–266. doi:10.1007/BF02099995. PMID 2109087. 
  3. ^ サルとヒトとの進化の分岐、定説より最近か ミシガン大 AFPBB News 2010年07月16日
  4. ^ Nature2010年7月15日号
  5. ^ Friedman TB, Polanco GE, Appold JC, Mayle JE (1985). “On the loss of uricolytic activity during primate evolution--I. Silencing of urate oxidase in a hominoid ancestor”. Comp. Biochem. Physiol., B 81 (3): 653?9. PMID 3928241. 
  6. ^ Peter Proctor Similar Functions of Uric Acid and Ascorbate in ManSimilar Functions of Uric Acid and Ascorbate in Man Nature vol 228, 1970, p868.
  7. ^ 高木和貴、上田孝典「尿酸分解酵素PEG化ウリカーゼの適応と意義」『高尿酸血症と痛風』18(2),2010,pp41-46
  8. ^ 國松豊、「ヒト科の出現」『地學雜誌』 2002年 111巻 6号 p.798-815, doi:10.5026/jgeography.111.6_79, 東京地学協会

関連項目