コーンスターチ
100 gあたりの栄養価 | |
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エネルギー | 1,481 kJ (354 kcal) |
86.3 g | |
0.7 g | |
0.1 g | |
ミネラル | |
ナトリウム |
(0%) 1 mg |
カリウム |
(0%) 5 mg |
カルシウム |
(0%) 3 mg |
マグネシウム |
(1%) 4 mg |
リン |
(2%) 13 mg |
鉄分 |
(2%) 0.3 mg |
亜鉛 |
(1%) 0.1 mg |
銅 |
(2%) 0.04 mg |
他の成分 | |
水分 | 12.8 g |
ビオチン(B7) | 0.1 µg |
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%はアメリカ合衆国における 成人栄養摂取目標 (RDI) の割合。 |
コーンスターチ (英: corn starch、Maize starch) は、トウモロコシから処理され作られたデンプン。全世界で生産される約8割のデンプンがコーンスターチである[2]。
概要
原料
トウモロコシは、種子の胚乳に含まれる角質デンプンの分布や特性によっていくつかの品種に分けられるが、コーンスターチの原料となるものは、食用として一般に広く認知されているスイートコーン(甘味種)や ポップコーン(爆裂種)などは用いず、デントコーン(馬歯種)やワキシーコーン(糯種)といった品種が使われる。デント種やワキシー種は、その用途によって使い分ける。(トウモロコシ澱粉、ワキシーコーンスターチ、ハイアミロースコーンスターチを参照。)
日本において、原料のトウモロコシは、全量が米国、中国、ブラジル、アルゼンチンなど、世界からの輸入である。そのため、日本産のデンプン(馬鈴薯デンプン、甘藷デンプン)の原料となる農作物の農家の保護のため、高い関税を掛けられているが、「抱き合わせ制度」によって、これらのコーンスターチ製造企業では、関税を免除される代わりに、日本産のデンプンを購入することになるなど、農業政策とも関わりがある。
製造方法
トウモロコシを工業的に処理する方法は、ウェットミリング(加湿製粉)とドライミリング(乾燥製粉)と呼ばれる粉砕方法の違いによって2つに大別される。
コーンスターチの製造方法は ウェットミリングが採られることが多く、最終的には主製品であるコーンスターチと、副産物としてコーングルテンフィード、コーングルテンミール、コーンオイル、コーンスティープリカーなどができる。原料のトウモロコシのほとんど全てが何らかの製品となり、廃棄は非常に少ない。
ドライミリングの場合は、最近のエネルギー政策で注目されているエタノールも製造できる。
名称と区分
日本でのコーンスターチはアメリカ英語のコーンスターチと同様であり、トウモロコシのデンプンのことを指す。
イギリス英語のコーンフラワー(corn flour)は、アメリカ英語のコーンスターチである。
メイズフラワー(Maize flour)またはメイズスターチ(Maize starch)ともいう。
香港とマカオでは粟粉と呼ぶ。日本の片栗粉とはまったく異なる。
用途
コーンスターチの用途は様々であるが、主要なものとしては次のようになる。
- 食品用
- 化粧用
- 製薬用
- 工業用
- 糖化製品原資
食品用
プリンなどの食品の凝固剤としてもよく使われる。スーパーで売られているプリンの素にもコーンスターチがよく使われている。牛乳、砂糖、コーンスターチ、香料などを混ぜて蒸し器にかければ簡単にプリンを作ることができる。
コーンスターチは、フランス料理や中華料理でとろみを出すためによく使われる。中華料理のあんかけには、コーンスターチに醤油と砂糖を混ぜたものが使われる。
ビールや発泡酒で副原料にも使われている[2]。原材料名の「スターチ」は、コーンスターチが使用されている。
ほとんどコーンスターチのみで作る安価な乙類焼酎を製品化した事例もある。
化粧用
ファンデーションやおしろい、ベビーパウダーなどの化粧品の基礎成分として利用されている。
工業用
コーンスターチは食品以外にもさまざまな用途に使われる。2004年にパイオニアはコーンスターチの一種でBlu-ray Discを作ったと発表した[3]。
紙製品(製紙・段ボール)の加工・製造の際の糊料としても使われる[2]。
医療用ゴム手袋にはゴムを滑りやすくして装着しやすいようパウダーとして使われる。
コーンスターチメーカーにとっては、食品会社や製薬会社などと共に、製紙会社も重要な顧客先となっている。
その他
演出用として、時代劇などでコーンスターチが使用されることもある。一例を挙げると、近年では、2010年に放送されたNHK大河ドラマ「龍馬伝」、2012年放送のNHK大河ドラマ「平清盛」で、衣装の着物の埃や濁った空気などの臨場感を表現するために使われている。
食用コーンスターチでできたカラーパウダーが各種のイベントで使用されることもある。しかし、2015年6月27日夜、台湾・新北市の遊園地「八仙水上楽園」で開かれたイベント会場で音楽に合わせて踊る参加者に向けてカラーパウダーをまいていたところ、粉塵爆発が発生して516人が負傷する事故(八仙水上楽園爆発事故)が発生した[4]。
主なメーカー
日本
日本では、食品用・工業用が10数社により製造されている。
コーンスターチと景気の動向
- 日本におけるコーンスターチ製造会社の業績を左右するものとしては、次のような性質が特徴として見て取れることが知られている。
関連項目
- デンプン
- 粳(うるち)
- 糯(もち)
- 化工澱粉
- 片栗粉
- 異性化糖
- コーンシロップ
- コーン油
- サラダ油
- 日本スターチ・糖化工業会
- 非ニュートン流体
- 物質の状態
- 懸濁液
- 粉体工学
- 粉粒体
- 粉粒体運搬車
- 安息角
- ばら積み貨物
脚注
注釈・出典
- ^ 文部科学省、「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」
- ^ a b c “植物から作られるでん粉”. 独立行政法人農畜産業振興機構. 2019年12月6日閲覧。
- ^ 2004年11月2日付日本経済新聞夕刊
- ^ “遊園地で500人超負傷=日本人女性2人けが-台湾”. 時事通信. (2015年6月28日) 2015年6月28日閲覧。
外部リンク
- 日本スターチ・糖化工業会(日本語)