重要産業統制法

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重要産業ノ統制ニ関スル法律
日本国政府国章(準)
日本の法令
通称・略称 重要産業統制法
法令番号 昭和6年3月31日法律第40号
効力 失効
種類 産業法
主な内容 カルテルトラストの強化
関連法令 重要産業団体令
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重要産業統制法(じゅうようさんぎょうとうせいほう)は、重要な産業の公正な利益を保護し国民経済の健全な発達を図る目的で1931年昭和6年)に制定された日本の法律である。この法から統制という言葉が初めて法律語として作られた[1]。正式名称は「重要産業ノ統制ニ関スル法律」(昭和6年3月31日法律第40号)。

概要[編集]

同業者間の生産または販売の統制協定の締結を保護助成するもの、すなわちカルテルトラストの結成を奨励するものであり、はじめは実施後5年間有効とされ、後に施行後10年間効力を有するものとされた。この重要産業統制法を基本法として1934年の石油業法を皮切りに、重工業分野に業法が制定され、1941年8月30日重要産業団体令で12部門の統制会が設けられた。素材産業と重工業分野が、補助金や資金手当て、輸入割当などで優先的に配分を受け、生産力増強が促進された。

解説[編集]

主要な規定は、第1条の同業者の2分の1以上が加盟した統制協定が成立し、または変更したときは、一定期間内に主務大臣に届出ることを要するが、ここで「重要なる産業」の種類指定の権限が主務大臣に与えられた。主務大臣である商工大臣は昭和6年、下記の24種事業を指定した。ここで統制協定とは、生産制限または操業短縮、生産分野、注文割当、販売価格その他に影響を及ぼすべき取引条件、販路、販売数量、共同販売等にかんする協定をいう。第2条の非加盟者の強制加入にかんする規定で、主務大臣は加盟者の3分の2以上の申請があるときは非加盟同業者に対し、協定の全部または一部に依るべきことを命令することができる。第3条のカルテルの独占的弊害を防止する手段として協定が公益に反し、または関係諸産業の公正な利益を害するときは協定の変更、または取消を命じることができる。第4条では主務大臣の監督権、第5条では統制委員会、第6条では罰則が規定された。

24種事業とその統制団体は、

  • 綿糸紡績業 - 大日本紡績聯合会
  • 絹糸紡績業 - 絹紡工業会
  • 人造絹糸製造業 - 日本人絹聯合会
  • 洋紙製造業 - 日本製紙聯合会
  • 板紙製造業 - 日本板紙同業会、茶板紙統制会
  • カーバイト製造業 全国炭化石灰共販組合
  • 晒粉製造業 - 晒粉聯合会
  • 硫酸製造業 - 東部硫酸販売株式会社、西部硫酸販売株式会社
  • 酸素製造業 - 酸素全国聯合会
  • 硬化油製造業 - 日本硬化油同業会、硬化油販売株式会社
  • 洋灰製造業 - セメント聯合会
  • 小麦粉製造業 - 製粉共販組合
  • 二硫化炭素 - 硫黄同業会
  • 精糖製造業 - 砂糖供給組合
  • 銑鉄製造業 - 銑鉄共同販売株式会社
  • 合金鉄製造業 - 合金鉄共同組合
  • 棒鋼製造業 - 条鋼分野協定会、鋼材聯合会、関東鋼材販売組合
  • 山形鋼製造業 - 中型山形鋼共同販売組合、小型山形鋼共同販売組合
  • 鋼板製造業 - 日本厚板共同販売組合、中板共同販売組合、日本黒鈑共販組合
  • 線材製造業 - 日本線材共同販売組合
  • 銅・真鍮の圧延板製造業 - 仲銅協会
  • 揮発油製造業または販売業 - 6社協定
  • 麦酒製造業 - 麦酒共同販売業
  • 石炭鉱業または販売業 - 石炭鉱業聯合会、昭和石炭株式会社

脚注[編集]

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  1. ^ 岸信介矢吹一夫伊藤隆著、『岸信介の回想』 文藝春秋 1981年 p.13

参考文献[編集]