赤い旅団

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赤い旅団
Le Brigate Rosse
Flag of Brigate Rosse.svg
略称 BR
設立年 1969年
設立者 レナト・クルチョ
種類 テロ組織
地位 非合法
目的 イタリアでの革命とイタリアの西欧同盟からの離脱
本部 ミラノ
位置 イタリア
メンバー 500人以上(最盛期)
重要人物 マリーナ・ペトレラ

赤い旅団(あかいりょだん、:Le Brigate Rosse)は、イタリア極左テロ組織1969年に結成され[1]、イタリアでの革命とイタリアの西欧同盟からの離脱を主張して1970年代初頭から活動を開始。数多くの誘拐殺人事件を起こし、ジャーナリスト警察官裁判官実業家政治家などを殺害した。

歴史[編集]

創設[編集]

1969年トレント大学の左翼学生レナト・クルチョにより創設されたとみられ[1]、当初の主な活動はミラノトリノでの極右勢力に反対する労働組合の支援であった。構成員は労働者と学生で、工場の設備を破壊し、工場の事務所や組合の本部に入り込んだ。

若年層の高い失業率や挙国一致体制への不満などを背景に勢力拡大を狙うが、労働者からの支持が得られず次第に過激な武力闘争に傾斜してゆく。1972年に最初の誘拐事件を起こした。ある工場長を数度にわたり拘束し最終的には解放した。

モーロ元首相誘拐事件[編集]

アルド・モーロ誘拐時に撮影された写真

1978年に起きたアルド・モーロ元首相誘拐暗殺事件によって世界的にその名が知られることとなった。赤い旅団からの要求に対して、モーロ元首相と当時対立関係にあったジュリオ・アンドレオッティ首相率いる当時の内閣が要求を拒否したためにモーロは殺害され、5月9日にローマ市内に停めた車の中で死体となって発見された。

なお、アンドレオッティのモーロ元首相誘拐事件への関与を暴こうとした雑誌編集者で、「ロッジP2」会員のミーノ・ペコレッリの殺害をマフィアに依頼したとして、アンドレオッティは2002年11月に殺人罪で懲役24年の有罪判決を受けた。しかし、翌年10月には逆転無罪の判決を得ている。

壊滅[編集]

「保守派」として知られるアンドレオッティ首相のモーロ元首相誘拐事件への関与が示すように、赤い旅団は1970年代後半に入ると、イタリア政界の保守派や「カモッラ」などのマフィアとの関係を深めて行き、「金のために動く腐敗した殺し屋集団」と揶揄されるようになっていった。それに合わせて政治家や企業経営者へのテロや誘拐、暗殺は行わなくなり、その代わりに警官や地方官僚などへそのターゲットを変えてゆくことになった。

また、モーロ元首相誘拐事件をきっかけに、イタリア政府が対テロ組織NOCS(Nucleo Operativo Centrale di Sicurezza、通称レザーヘッド)を編成し、赤い旅団への圧力を強めて行った。それらもあってか、赤い旅団は形勢がさらに不利となる。

1981年12月にはNATOの幕僚副長だったアメリカ陸軍のジェームス・ドジャー准将を誘拐するが、その42日後の1982年1月にはアジトを特定されNOCSが突入。准将を奪還された。その後も、1980年代半ばには組織の分裂や活動家の逮捕が相次いだ。1988年以降、赤い旅団は壊滅したと思われた。

近年[編集]

1999年アントニオ・バッソリーノ労働大臣顧問のローマ大学教授マッシモ・ダントーナ殺害事件で赤い旅団から犯行声明が出された。また、2002年にも労働大臣顧問マルコ・ビアージ教授が暗殺されている。2003年に多くの幹部が逮捕されて以降目立った活動はしていない。1999年以降に活動している赤い旅団は「新赤い旅団」と呼び区別することもある。

最近[いつ?]フランスで逮捕された元メンバーのマリーナ・ペトレラのイタリアへの引渡しが、フランスのニコラ・サルコジ大統領の妻でイタリア人のカーラ・ブルーニと姉のヴァレリア・ブルーニ=テデスキによる口添えにより阻止されたが、この行為がイタリア国内の被害者の遺族たちの怒りを招き、大きな外交問題になっている。[2]

赤い旅団が関連するフィクション等[編集]

映画[編集]

アニメ[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b 赤い旅団 (BR,RB)”. 国際テロ組織 世界のテロ組織等の概要・動向. 公安調査庁. 2018年2月10日閲覧。
  2. ^ http://www.independent.co.uk/news/world/europe/carla-the-red-brigades-and-the-battle-for-sarkozyrsquos-ear-959966.html Carla, the Red Brigades and the battle for Sarkozy’s ear - Europe, World - The Independent マリーナ・ペトレラ氏の引渡し問題について

関連項目[編集]

外部リンク[編集]