西鉄300形電車 (軌道)

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301(1979年8月)

西鉄300形電車(にしてつ300がたでんしゃ)は、かつて西日本鉄道福岡市内線および北九州線で使用されていた路面電車車両の一形式である。

北方線で使用された2軸単車(301~317)については、小倉電気軌道の電車を参照のこと。

概要[編集]

福岡市内線で使用していた木造ボギー車100形の代替を目的として1963年から九州車輌で5両が製造された。車体と台車は新製したが、製造費用低減のため100形の機器を流用している。手続き上は100形の改造という扱いになっており、旧番号→新番号の対応は108・154・155・124・132→301 - 305となっている。[1]

ボギー車であるが車体形状は1000形連接車に準じており、前面中央部の窓を広幅の窓とし、側面は両端の扉の間に上段をHゴム支持固定窓、下段を上昇窓としたいわゆる「バス窓」を7枚配し、屋根は張り上げ屋根としている。台車は日立製作所の鋳鋼枠軸バネ式KL-11とし、電動機は100形のものを流用している。

1963年に2両、1964年に3両が改造されたが、実際には大半の部品の新製を余儀なくされたことから費用低減効果が薄いと判断され、改造は5両で打ち切られた。落成後、福岡市内線でのワンマン運転開始に伴い、1967年から1970年にかけてワンマン化が実施され、後扉隣の窓の上段をつぶして側面方向幕と外部放送用マイクを新設している。

1975年に福岡市内線の一部廃止により北九州線に転用された。北九州線では電動機を45kWのものに交換し、前面右側窓上部にワイパーを新設するなどの改造を実施したのち1977年から使用開始された。その後は他形式と同様に塗色変更が実施されたが、1985年の北九州線一部廃止の際に5両とも廃車となった。

廃車後、台車は長崎電気軌道1300形に流用された。

主要諸元[編集]

※廃車時点のもの

  • 車体構造:全金属製
  • 最大寸法(長さ×幅×高さ)11000mm×2400mm×4100mm
  • 自重:15.3t
  • 定員:80人(座席24人)
  • 主電動機:TDK-524-2C(45kW)×2
  • 駆動方式:吊掛式
  • 歯車比:1:3.11(19:59)
  • 制御方式:直接制御式

その他[編集]

戦後の一時期、輸送力増強のため北九州線100形120 - 122を福岡市内線に転属させ、300形301 - 303として使用した時期があるので、本形式は福岡市内線の300形としては2代目にあたる。また本形式が北九州線に転入する以前、北方線に300形という形式の車両が存在したので、北九州線の300形としても2代目にあたる。

脚注[編集]

  1. ^ さらに元をたどると2両が1形、3両が35形の改造である。

参考文献[編集]

  • ネコ・パブリッシング 『復刻版 私鉄の車両9 西日本鉄道』(飯島巌) ISBN 4873662923
  • 『鉄道ピクトリアル』2011年4月臨時増刊号(鉄道図書刊行会)