長崎電気軌道1300形電車
長崎電気軌道1300形電車 | |
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1300形1305号 | |
基本情報 | |
運用者 | 長崎電気軌道 |
製造所 | アルナ工機(車体のみ)[1][2] |
製造年 | 1987 - 1989年[2] |
製造数 | 5両[1] |
運用開始 | 1987年9月10日[3] |
主要諸元 | |
軌間 | 1,435 mm |
電気方式 | 直流 600 V(架空電車線方式) |
車両定員 | 53名(座席28名)[2] |
自重 | 15.3 t[2] |
最大寸法 (長・幅・高) | 11,700×2,250×3,830 mm[2] |
台車 | 日立製作所[1] KL-11[2] |
車輪径 | 660 mm[2] |
主電動機 |
直流直巻電動機 日立製作所[1] SS-50[2] |
主電動機出力 | 38 kW[2] |
搭載数 | 2[2] |
駆動方式 | 吊り掛け駆動 |
歯車比 | 59:14[4] |
制御方式 | 直接制御[2] |
制御装置 | DRBC447[2] |
制動装置 | 直通空気、電気[4] |
長崎電気軌道1300形電車(ながさきでんききどう1300がたでんしゃ)は、1987年(昭和62年)に登場した長崎電気軌道の路面電車車両である。
概要
[編集]非冷房で残る老朽車の置き換えを目的として[5]、1987年から1989年(平成元年)にかけて5両(1301 - 1305)が製造された[6]。製造コスト抑制のため、予備品や中古品の機器類とアルナ工機で新造した車体を組み合わせた車体新造車である[5]。
車体の基本構造は、1982年(昭和57年)入線の1200形に準ずるものの、1200形では固定式だった運転席両側の小窓と側窓上段が開閉可能となり、窓のサッシも金色の塗装が施された[5]。その他にも、車体番号表記の位置変更・大型化や、ローマ字入りの方向幕、2000形と同タイプの新型Z型パンタグラフ(PT-100型)の採用など、1200形から多岐に渡る改良が施された[5][7]。客室内も1200形と比較して吊り手が中扉周辺に増設され、座席のモケットにも着席表示を意識した色分けがなされている[5][7]
主電動機等の電装品にはコストダウンのため予備品や中古品が活用されている[5]。このうち、台車は1985年(昭和60年)10月に廃車となった西鉄北九州線300形の廃車発生品でコイルばねのKL-11型(日立製)を装着している[5]。 本形式の入線により、非冷房車の600形1両(602)と1050形2両が廃車となった[8]。
運用と現状
[編集]1987年9月に一次車(1301・1302)、1988年5月に二次車(1303・1304)、1989年6月に三次車(1305)に入線し、一般の営業運転に投入されている[3]。2018年(平成30年)4月現在、5両(1301-1305)が在籍する[9]。全車が長崎電気軌道のカラー電車Bタイプとして全面広告の対象となっている[10]。
車歴表
[編集]車両番号 | 入籍年月日 | 営業運転開始日 |
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1301 | 1987年9月9日[1] | 1987年9月11日[3] |
1302 | ||
1303 | 1988年5月21日[1] | 1988年5月21日[3] |
1304 | ||
1305 | 1989年6月6日[1] | 1989年6月8日[3] |
脚注
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g 100年史, p. 151.
- ^ a b c d e f g h i j k l 100年史, p. 152-153.
- ^ a b c d e 100年史, p. 196.
- ^ a b 100年史, p. 161.
- ^ a b c d e f g 崎戸 1987, p. 122.
- ^ 100年史, p. 142.
- ^ a b 崎戸 1989, p. 113.
- ^ 崎戸 1989, p. 110.
- ^ “会社概要” (PDF). 長崎電気軌道株式会社 (2018年). 2018年9月3日閲覧。
- ^ “路面電車広告メディアガイド”. 長崎電気軌道. 2018年8月17日閲覧。
参考文献・資料
[編集]- 『長崎の路面電車』長崎出版文化協会、1987年。
- 『鉄道ピクトリアル』通巻509号「<特集>九州・四国・北海道地方のローカル私鉄」鉄道図書刊行会、1989年。
- 崎戸秀樹「長崎電気軌道」 pp. 107-114
- 『長崎「電車」が走る街今昔』JTBパブリッシング、2005年。ISBN 4533059872。
- 『長崎電気軌道100年史』2016年。
外部リンク
[編集]- 長崎電気軌道公式ウェブサイト