西鉄321形電車

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西鉄321形電車(にしてつ321がたでんしゃ)は、西日本鉄道(西鉄)で使用されていた路面電車車両の一形式である。北九州線の支線である1067mm軌間の北方線用に2両が製造された。

概要[編集]

1948年(昭和23年)に日本鉄道自動車(現・東洋工機)で321・322の2両が製造された。北方線では初のボギー車で、西鉄成立後の同線では初の新製車でもあるが、山陽電気軌道500形の注文流れを引き取ったものといわれている。山陽電気軌道は軌間が北方線と同じ1067mmであり、車両限界も北方線とほぼ同一であった。

車体は全長約11mで張り上げ屋根、前面3枚窓の半鋼製車体で、側面両端部に引き戸を設け、扉間に上段固定下段上昇式窓を9枚配した形状であったが、1956年(昭和31年)までに更新され、扉を折り戸に変更し、前照灯が前面上部から前面窓下に移設され、方向幕は前面上部両端2か所設置であったのが前面上部中央部1か所に変更されている。また当初は集電装置がトロリーポールであったが、のちにビューゲル、さらにZ形パンタグラフに変更されている。深い張り上げ屋根のため従来の単車に比べ車高が高く見えたという。電動機出力は37.3kWであった。

のちに製造された323形331形とともに北方線が廃止になるまで使用され、1980年(昭和55年)の同線廃止により廃車となった。322は331形とともに北九州市小倉北区中井海岸の埋立地に運ばれ解体された。321は沖縄県宜野湾市に寄贈され、同市市役所に保存された。沖縄県では唯一の私鉄車両の保存例であったが、すでに解体され現存しない。

参考文献[編集]

  • ネコ・パブリッシング 『復刻版 私鉄の車両9 西日本鉄道』(飯島巌) ISBN 4873662923
  • JTBキャンブックス『福岡・北九州 市内電車が走った街 今昔』(奈良崎博保)ISBN 4533042074