科学戦争

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科学戦争またはサイエンス・ウォーズ(Science wars)とは、科学論と知的探求の本質をめぐる、科学的実在論者と反ポストモダニストの間の知的交流。1990年代に米国を中心に学術誌や主要誌で繰り広げられた。

科学的実在論者(ノーマン・レビット Norman Levitt、ポール・R・グロス Paul R. Gross、ジャン・ブリクモンアラン・ソーカルなど)は、科学的知識の実在性を擁護し、ポストモダニストが科学的客観性、科学的方法、経験主義、科学知識を事実上拒否したと非難している。ポストモダニストは、科学的パラダイムに関するトーマス・クーンの考えを、科学理論は社会的構築物であると解釈した。また、ポール・ファイヤアーベントなどの哲学者は、他の非実在論的な知識生産が、人々の個人的・精神的需要に応えるのに適していると論じている。

「ポストモダニズム」(ポスト構造主義を参照)に関連する理論の多くは自然科学に介入しなかったが、科学的実在論者はその一般的な影響に狙いを定めた。科学的実在論者は、客観性と実在性の否定に相当する学問の大部分が、20世紀を代表するポスト構造主義の哲学者(ジャック・デリダジル・ドゥルーズジャン=フランソワ・リオタールなど)の影響を受けており、彼らの研究は理解不能、あるいは無意味だと論じている。この傾向は、カルチュラル・スタディーズフェミニスト・スタディーズ比較文学メディア・スタディーズ、そして特に科学技術論(Science and technology studies)など、幅広い分野に影響を及ぼしている。

歴史的背景[編集]

参考文献[編集]

  • Ashman, Keith M. and Barringer, Philip S. (ed.) (2001). After the science wars, Routledge, London, UK. ISBN 0-415-21209-X
  • Gross, Paul R. and Levitt, Norman (1994). Higher Superstition: The Academic Left and Its Quarrels With Science, Johns Hopkins University Press, Baltimore, USA. ISBN 0-8018-4766-4
  • Sokal, Alan D. (1996). Transgressing the Boundaries: Towards a Transformative Hermeneutics of Quantum Gravity, Social Text 46/47, 217–252.
  • Callon, Michel (1999). Whose Impostures? Physicists at War with the Third Person, Social Studies of Science 29(2), 261–86.
  • Parsons, Keith (ed.) (2003). The Science Wars: Debating Scientific Knowledge and Technology, Prometheus Books, Amherst, NY USA. ISBN 1-57392-994-8
  • Labinger, Jay A. and Collins, Harry (eds.) (2001). The One Culture?: A Conversation About Science, University of Chicago Press, Chicago. ISBN 0-226-46723-6
  • Brown, James R. (2001). Who Rules in Science? An Opinionated Guide to the Wars, Harvard University Press, Cambridge, MA USA.

関連項目[編集]

外部リンク[編集]