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'''杉山 正明'''(すぎやま まさあき、[[1952年]][[3月1日]] - )は、静岡県生まれの[[日本]]の[[歴史学者]]。[[京都大学]]文学研究科[[名誉教授]]。主要研究テーマは[[モンゴル]]時代史、[[中央ユーラシア]]史。日本におけるモンゴル史研究の第一人者である。

== 来歴・人物 ==
1952年、[[静岡県]][[沼津市]]に生まれる。[[静岡県立沼津東高等学校]]を経て[[1974年]][[京都大学]][[文学部]]卒業。[[1979年]]同[[大学院]]文学研究科博士課程単位取得退学、[[京都大学人文科学研究所]]助手となる。[[1988年]][[京都女子大学]]文学部専任講師、[[1989年]]助教授を経て、[[1992年]]から京都大学文学部助教授、[[1995年]]から教授、のちに京都大学[[大学院]]文学研究科教授<ref>京都大学大学院[http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/oriental_history/oh-kyoin/ 「教員紹介」]、2016年5月4日閲覧。</ref>。2017年定年退任、名誉教授。

== 研究・活動 ==
[[モンゴル帝国]]史、特に[[東アジア]]を支配した初期のモンゴル帝国や[[元 (王朝)|元]]の研究にあたり、それまで日本のモンゴル史研究が[[中国]][[史料]]の『[[元史]]』等に偏重していたと批判し、『[[集史]]』等の[[ペルシア語]]史料や[[パスパ文字]]碑文等の[[モンゴル語]]史料をも積極的に利用して多角的に読み直すことによりモンゴル帝国史に新たな視点を見出している。

1990年前後から、研究論文だけでなく、一般の読者向けに自身や日本の研究者の最新の研究成果を活用してモンゴル帝国史を説く概説書を数多く著すほか、複数の中国通史の概説書においてモンゴル帝国・元のパートを執筆しており、{{誰範囲2|date=2018年1月17日 (水) 10:48 (UTC)|日本におけるモンゴル帝国史研究の第一人者と目されている}}。 また、[[2001年]]に放送された、[[日本放送協会|NHK]]の[[大河ドラマ]]である『[[北条時宗]]』においては、[[時代考証]]を担当している。

{{要出典範囲|date=2018年1月17日 (水) 10:48 (UTC)|特に啓蒙書などの叙述において、モンゴル帝国主体からの視点によって中国史料やヨーロッパにおける叙述の視点の偏り、それを「鵜呑み」にしてきた旧来の欧米や日本の歴史学界におけるモンゴルへの視座を否定的にとらえ、モンゴル帝国の残虐性を糾弾する先人を批判し、モンゴル帝国の持っていた先進性を評価する。また、モンゴル帝国の時代における世界の各地域を、グローバルなモンゴル・中央ユーラシア世界と内向きな中国・日本・ヨーロッパ等という対立的な見方においてとらえ、本来の研究領域である東アジア世界の叙述において、[[南宋]]・[[明]]などのモンゴル帝国に敵対した中国王朝の為政者や、[[耶律楚材]]などのモンゴル帝国に仕えた中国系官僚の役割をモンゴルのグローバルな視点から読み直す叙述を盛んに行っている}}。

{{要出典範囲|date=2018年1月17日 (水) 10:48 (UTC)|また、[[文天祥]]に対しては概ね「みずからの名声を異様なほどに意識して、あくまで斬死を熱望し、見事に後世の称賛を受けることに成功した」と評価している}}。

== 主な受賞・受章歴==
* [[1995年]] 『クビライの挑戦 モンゴル海上帝国への道』で[[サントリー学芸賞]][思想・歴史部門]を受賞<ref>サントリー学芸賞[http://www.suntory.co.jp/sfnd/prize_ssah/genre/04.html 「思想・歴史部門」]、2016年5月4日閲覧。</ref>。
* [[2003年]] それまでの業績に対し、司馬遼太郎記念財団が第6回[[司馬遼太郎賞]]を贈られた<ref>司馬遼太郎記念財団[http://www.shibazaidan.or.jp/shibasho/archive/ 司馬遼太郎賞・これまでの受賞作品・受賞者]</ref>。
* [[2006年]](平成18年)4月29日 [[紫綬褒章]]を受章<ref>京都大学[http://www.kyoto-u.ac.jp/static/ja/profile/intro/honor/award_b/purple_ribbon/2006_4su.htm 「杉山正明文学研究科教授が紫綬褒章を受章」]、2006年4月29日。</ref>。
* [[2007年]]6月 『モンゴル帝国と大元ウルス』で第97回[[日本学士院賞]]を受賞<ref>京都大学[http://www.kyoto-u.ac.jp/static/ja/profile/intro/honor/award_b/academy_award/2007_sugiyama.htm 「杉山正明教授が恩賜賞・日本学士院賞を受賞」]、2007年6月11日。</ref>。

== 著書 ==
=== 単著 ===
* 『大モンゴルの世界 陸と海の巨大帝国』([[角川書店]][角川選書]、1992年6月)
** 改訂版『大モンゴルの世界 陸と海の巨大帝国』([[角川ソフィア文庫]]、2014年12月)、ISBN 4-04-409218-4
* 『[[クビライ]]の挑戦 モンゴル海上帝国への道』([[朝日新聞社]][[[朝日選書]]]、1995年4月)
** 『クビライの挑戦 モンゴルによる世界史の大転回』([[講談社学術文庫]]、2010年8月)、ISBN 4-06-292009-3
* 『[[モンゴル帝国]]の興亡(上) 軍事拡大の時代』(講談社現代新書、1996年5月) ISBN 4-06-149306-X
* 『[[モンゴル]]帝国の興亡(下) 世界経営の時代』([[講談社現代新書]]、1996年6月) ISBN 4-06-149307-8
* 『[[耶律楚材]]とその時代』(白帝社[中国歴史人物選書8]、1996年7月) ISBN 4-89174-235-6
* 『[[遊牧民]]から見た世界史―民族も国境もこえて』([[日本経済新聞社]]、1997年10月)
** 『遊牧民から見た世界史』(日経ビジネス人文庫、2003年1月、増補版2011年7月)、ISBN 4-532-19599-3
* 『世界史を変貌させたモンゴル―時代史のデッサン』(角川書店[[[角川学芸出版|角川叢書]]]、2000年12月) ISBN 4-04-702104-0
* 『逆説の[[ユーラシア]]史―モンゴルからのまなざし』([[日本経済新聞]]社、2002年9月) ISBN 4-532-16424-9
** 改題『モンゴルが世界史を覆す』([[日本経済新聞出版社|日経ビジネス人文庫]]、2006年3月)、ISBN 4-532-19325-7
* 『モンゴル帝国と[[大元]]ウルス』([[京都大学学術出版会]]、2004年2月) ISBN 4-87698-522-7
* 『疾駆する草原の征服者―[[遼]][[西夏]]金元』([[講談社]]<[[中国の歴史 (講談社)|中国の歴史]]8>、2005年10月) ISBN 4-06-274058-3。[[礪波護]]ほかと編集委員
* 『[[モンゴル帝国]]の長いその後』(講談社<興亡の世界史9>、2008年2月)、ISBN 4-06-280709-2。[[青柳正規]]・[[福井憲彦]]・[[陣内秀信]]と編集委員 
**『モンゴル帝国と長いその後』(講談社学術文庫「興亡の世界史」、2016年4月)
* 『ユーラシアの東西』(日本経済新聞出版社、2010年12月)、主に講演録 
* 『京都御所西 一松町物語』(日本経済新聞出版社、2011年11月)、地元京都の随想
* 『海の国の記憶五島列島 時空をこえた旅へ』(歴史屋のたわごと1:平凡社、2015年1月)
* 『[[幸田露伴|露伴]]の『[[運命 (幸田露伴)|運命]]』とその彼方 ユーラシアの視点から』(歴史屋のたわごと2:平凡社、2015年1月)

* 『「[[東方見聞録]]」――ヨーロッパ世界の想像力』 [[岩波書店]]〈書物誕生〉、※未刊

=== 共著 ===
* 『大[[モンゴル]]の時代 世界の歴史9』(北川誠一共著、[[中央公論社]]、1997年8月。ISBN 4124034091)
**[[中央公論新社]]、[[中公文庫]]〈世界の歴史9〉(2008年8月。ISBN 978-4122050440)
* 『モンゴル帝国 [[NHKスペシャル]] 文明の道5』([[日本放送出版協会]]、2004年2月 ISBN 978-4140807798)

=== 訳書・監修 ===
* 『モンゴル帝国の歴史』 デイヴィド・モーガン著/David Morgan、<br> 大島淳子共訳、角川書店[角川選書234] (1993年2月 ISBN 4047032344)
* 『チンギスカンとモンゴル帝国』 ジャン=ポール・ルー著/Jean-Paul Rour<br> 監修、[[創元社]]<[[「知の再発見」双書]]111> (2003年10月 ISBN 4422211714)
* 『流沙の記憶をさぐる―シルクロードと中国古代文明』 林梅村著 <br> 監修、[[日本放送出版協会]] (2005年3月 ISBN 4140810297)

=== 編著 ===
* 『大地の肖像─絵図・地図が語る世界』(藤井譲治・[[金田章裕]]共編、京都大学学術出版会、2007年3月 ISBN 9784876987122)
* 『中国歴史研究入門』(礪波護・[[岸本美緒]]共編、[[名古屋大学出版会]]、2006年1月 ISBN 9784815805272)

== 脚注 ==
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== 関連項目 ==
* [[森安孝夫]]

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[[Category:日本の歴史学者]]
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2018年9月15日 (土) 15:46時点における版

杉山 正明(すぎやま まさあき、1952年3月1日 - )は、静岡県生まれの日本歴史学者京都大学文学研究科名誉教授。主要研究テーマはモンゴル時代史、中央ユーラシア史。日本におけるモンゴル史研究の第一人者である。

来歴・人物

1952年、静岡県沼津市に生まれる。静岡県立沼津東高等学校を経て1974年京都大学文学部卒業。1979年大学院文学研究科博士課程単位取得退学、京都大学人文科学研究所助手となる。1988年京都女子大学文学部専任講師、1989年助教授を経て、1992年から京都大学文学部助教授、1995年から教授、のちに京都大学大学院文学研究科教授[1]。2017年定年退任、名誉教授。

研究・活動

モンゴル帝国史、特に東アジアを支配した初期のモンゴル帝国やの研究にあたり、それまで日本のモンゴル史研究が中国史料の『元史』等に偏重していたと批判し、『集史』等のペルシア語史料やパスパ文字碑文等のモンゴル語史料をも積極的に利用して多角的に読み直すことによりモンゴル帝国史に新たな視点を見出している。

1990年前後から、研究論文だけでなく、一般の読者向けに自身や日本の研究者の最新の研究成果を活用してモンゴル帝国史を説く概説書を数多く著すほか、複数の中国通史の概説書においてモンゴル帝国・元のパートを執筆しており、日本におけるモンゴル帝国史研究の第一人者と目されている[誰によって?]。 また、2001年に放送された、NHK大河ドラマである『北条時宗』においては、時代考証を担当している。

特に啓蒙書などの叙述において、モンゴル帝国主体からの視点によって中国史料やヨーロッパにおける叙述の視点の偏り、それを「鵜呑み」にしてきた旧来の欧米や日本の歴史学界におけるモンゴルへの視座を否定的にとらえ、モンゴル帝国の残虐性を糾弾する先人を批判し、モンゴル帝国の持っていた先進性を評価する。また、モンゴル帝国の時代における世界の各地域を、グローバルなモンゴル・中央ユーラシア世界と内向きな中国・日本・ヨーロッパ等という対立的な見方においてとらえ、本来の研究領域である東アジア世界の叙述において、南宋などのモンゴル帝国に敵対した中国王朝の為政者や、耶律楚材などのモンゴル帝国に仕えた中国系官僚の役割をモンゴルのグローバルな視点から読み直す叙述を盛んに行っている[要出典]

また、文天祥に対しては概ね「みずからの名声を異様なほどに意識して、あくまで斬死を熱望し、見事に後世の称賛を受けることに成功した」と評価している[要出典]

主な受賞・受章歴

著書

単著

共著

訳書・監修

  • 『モンゴル帝国の歴史』 デイヴィド・モーガン著/David Morgan、
     大島淳子共訳、角川書店[角川選書234] (1993年2月 ISBN 4047032344
  • 『チンギスカンとモンゴル帝国』 ジャン=ポール・ルー著/Jean-Paul Rour
     監修、創元社「知の再発見」双書111> (2003年10月 ISBN 4422211714
  • 『流沙の記憶をさぐる―シルクロードと中国古代文明』 林梅村著 
     監修、日本放送出版協会 (2005年3月 ISBN 4140810297

編著

脚注

  1. ^ 京都大学大学院「教員紹介」、2016年5月4日閲覧。
  2. ^ サントリー学芸賞「思想・歴史部門」、2016年5月4日閲覧。
  3. ^ 司馬遼太郎記念財団司馬遼太郎賞・これまでの受賞作品・受賞者
  4. ^ 京都大学「杉山正明文学研究科教授が紫綬褒章を受章」、2006年4月29日。
  5. ^ 京都大学「杉山正明教授が恩賜賞・日本学士院賞を受賞」、2007年6月11日。

関連項目