青柳正規
あおやぎ まさのり 青柳 正規 | |
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文化功労者顕彰に際して公表された肖像写真 | |
生誕 |
1944年11月21日(79歳) 関東州大連市 |
国籍 | 日本 |
研究分野 | 歴史学(西洋史,西洋美術史,西洋古典考古学)、美学 |
研究機関 | 東京大学、筑波大学、国立西洋美術館、文化庁、山梨県立美術館、奈良県立橿原考古学研究所、石川県立美術館 |
出身校 | 東京大学 |
博士課程 指導教員 | 文学博士 |
主な業績 | 古代ローマ時代の建築や美術の研究 |
主な受賞歴 | マルコ・ポーロ賞(1991年)毎日出版文化賞(1993年)NHK放送文化賞(2011年) |
プロジェクト:人物伝 |
青柳 正規(あおやぎ まさのり[1]、1944年11月21日 - )は、日本の歴史学者・考古学者(西洋美術史・西洋古典考古学)。勲等は瑞宝重光章。学位は博士(文学)(東京大学・1992年)。山梨県立美術館館長、学校法人多摩美術大学理事長、奈良県立橿原考古学研究所所長、石川県立美術館館長、公益財団法人せたがや文化財団理事長、東京大学名誉教授、日本学士院会員、文化功労者。
経歴
[編集]生い立ち
[編集]1944年、関東州・大連生まれ。1963年に東京都立新宿高等学校を卒業[2]。東京大学文学部美術史学科で学び、1967年に卒業した。同大学大学院へ進み、1969年に修士課程を修了。博士課程在学中にローマ大学へ3年間留学。帰国後、1972年に博士課程を退学した。イタリアでは、ポンペイ遺跡の発掘に参加した。
研究者として
[編集]1972年、東京大学文学部助手に採用された。1979年、筑波大学専任講師となった。1985年、東京大学文学部考古学研究室助教授となり、1991年より教授(文化交流)。1992年、「古代都市ローマ」で文学博士号を取得。1993年4月から1996年3月には、東京大学総合研究資料館長、文学部長、東京大学副学長もつとめた。2005年、東京大学を定年退官し、名誉教授となった。大学在任中には、客員として京都造形芸術大学客員教授もつとめた。
2005年4月より国立西洋美術館館長に就任。2007年には日本学士院会員に選出され、日本学術会議会員。2008年からは同館理事長。2010年1月の講書始の儀では、「ローマ帝国の物流システム」を講義した。2013年から2017年10月まで、国際学士院連合副会長。
文化庁長官就任以降
[編集]2013年、文部科学省文化庁長官となり、2016年までつとめた。民間出身の文化庁長官は5人目であった。2017年山梨県立美術館長。2019年からは学校法人多摩美術大学理事長、橿原考古学研究所所長。2020年9月、石川県立美術館長。2021年6月公益財団法人せたがや文化財団理事長[3]。
受賞・栄典
[編集]- 1977年:地中海学会賞(『エウローパの舟の家』)
- 1984年:ポルト・エンペドクレ賞(イタリア)
- 1991年:マルコ・ポーロ賞、浜田青陵賞(『古代都市ローマ』)
- 1993年:毎日出版文化賞(『皇帝たちの都ローマ』)
- 2002年:イタリア共和国功労勲章
- 2006年:紫綬褒章[4]
- 2008年:Sebetia Ter国際賞(イタリア)[5]
- 2011年:NHK放送文化賞
- 2017年4月:瑞宝重光章
- 2017年7月:Torquato Tasso賞(イタリア)[6]
- 2019年10月:イタリア・ポンペイ市名誉市民[7]
- 2021年10月:"Amedeo Maiuri"賞(イタリア,Premio Internazionale di Archeologia) [8]
- 2021年11月:文化功労者[9]
研究内容・業績
[編集]著作
[編集]単著
[編集]- 『エウローパの舟の家』(東京大学文学部ポンペイ遺跡発掘調査報告:東京大学文学部) 1977年
- 『古代都市ローマ』(中央公論美術出版) 1990年
- 『岩波 日本美術の流れ1 6世紀までの美術』(岩波書店) 1991年
- 『皇帝たちの都ローマ - 都市に刻まれた権力者像』(中公新書) 1992年。ちくま学芸文庫(陣内秀信解説)、2024年
- 『トリマルキオの饗宴 - 逸楽と飽食のローマ文化』(中公新書) 1997年
- 新版『逸楽と飽食の古代ローマ 『トリマルキオの饗宴』を読む』(講談社学術文庫) 2012年 - 電子書籍化
- 『ローマ帝国』(岩波ジュニア新書) 2004年 - 電子書籍化
- 『知識ゼロからの美術館入門』(幻冬舎) 2008年
- 『人類文明の黎明と暮れ方』(講談社、興亡の世界史00) 2009年。新版・講談社学術文庫「興亡の世界史」 2018年 - 電子書籍化
- 『文化立国論 日本のソフトパワーの底力』(ちくま新書) 2015年 - 電子書籍化
共著・監修
[編集]- 『NHK大英博物館3 ギリシャ・パルテノンの栄光』(責任編集、NHK取材班編、日本放送出版協会) 1990年12月
- 『ポンペイの壁画 - ヴェスヴィオ山噴火で埋没した地域の壁画集成』(岩波書店) 1991年3月
- 『新編名宝日本の美術33 原始美術』(小学館) 1992年
- 『東アジアの形態世界』(西野嘉章共編、東京大学出版会) 1994年10月
- 『東京大学コレクション 「描かれたギリシア神話 - 写真絵巻』(平山東子共著、小川忠博写真、講談社) 1998年
- 『世界美術大全集西洋編 1 先史美術と中南米美術』(大貫良夫と責任編集、小学館) 1995年12月
- 『世界美術大全集西洋編5 古代地中海とローマ』(責任編集、小学館) 1997年6月
- 『親子で訪ねる美術館』(大原美術館監修、クレオ) 1999年
- 『ポンペイに学べ』(糸井重里との対話、朝日出版社) 2001年
- 『環流する文化と美』(ロナルド・トビ共編、角川書店飛鳥企画) 2002年3月
- 『日本海学の新世紀 イタリアの歓び 美の巡礼 中南部編』(中村好文共著、新潮社、とんぼの本) 2003年
- 『NHKスペシャル ローマ帝国』全3巻(NHK「ローマ帝国」プロジェクト共著、日本放送出版協会) 2004年
- 『世界のart図鑑』(ポプラ社) 2010年
- 『人類はどこへ行くのか 興亡の世界史20』(講談社) 2009年、のち文庫版(講談社学術文庫「興亡の世界史」) 2019年 [10]
翻訳
[編集]- 『トルコの装飾タイル』(ギョニュル・オネイ、並河萬里写真、平凡社) 1975年
- 『隊商都市』(ミカエル・ロストフツェフ、新潮社、新潮選書) 1978年10月、ちくま学芸文庫 2018年7月
- 『エトルリアの壁画』(M・パロッティーノほか、岡村崔写真、共訳、岩波書店) 1985年4月
- 『ケンブリッジ西洋美術の流れ1 ギリシア・ローマの美術』(スーザン・ウッドフォード、羽田康一共訳、岩波書店) 1989年
- 『クリスマス物語』(メトロポリタン美術館編、クレオ) 1991年10月
- 『ポンペイの壁画 ヴェスヴィオ山噴火で埋没した地域の壁画集成』(ジュゼッピーナ・チェルッリ・イレッリほか編、鈴木昭夫ほか写真、篠塚千恵子共訳、岩波書店、1991年3月)上・下、2001年10月(全1巻)
- 『古代ローマ 人類初の世界文明』(アンナ・マリア・リベラティ, ファビオ・ブルボン、監訳、新潮社) 1997年4月
- 『都市ローマ』(ピエール・グリマル、F・クイリチ写真、野中夏実共訳、岩波書店) 1998年4月
脚注
[編集]- ^ 会員個人情報日本学士院
- ^ “【同窓生シリーズ】青柳正規 WEB版”. 都立新宿高校PTA. 2023年4月8日閲覧。
- ^ せたがや文化財団
- ^ “平成18年秋の褒章受章者 東京都” (PDF). 内閣府. p. 2 (2006年11月3日). 2007年2月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月13日閲覧。
- ^ Sebetia Ter国際賞
- ^ Torquato Tasso賞
- ^ イタリアポンペイ市名誉市民
- ^ "Amedeo Maiuri"賞
- ^ “長嶋茂雄さんら9人文化勲章 功労者に加山雄三さんら”. 時事ドットコム (2021年10月26日). 2021年10月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年3月5日閲覧。
- ^ 編集委員、座談会に参加
参考
[編集]- 『駒場1991』『駒場2001』東大教養学部
外部リンク
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