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横浜スカイウォーク

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
全景
みなとみらい方面の眺望

横浜スカイウォーク(よこはまスカイウォーク)は、横浜ベイブリッジ下層部の展望施設[1]1989年平成元年)9月27日から2010年(平成22年)9月26日まで営業を継続していた[1]。2022年6月25日にリニューアルオープンすることになり、横浜港新本牧ふ頭整備事業のPR施設の役割も加わった[2]

概要

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横浜ベイブリッジの下層部、大黒埠頭側から約320mに亘って設置された歩行者専用の展望施設である。横浜の市道であり、路線名は「横浜市道スカイウォーク」。一般には単に「スカイウォーク」と呼ばれる。自動車専用道路に併設された日本最初の歩行者専用道路であるが[1]、途中で途切れているため、これを使ってベイブリッジを渡り切ることはできない。

競合となる高層建築物ができて展望施設としての魅力が低下したことや、近隣に建設予定だったショッピングセンターが白紙になったことから[3]1990年度に約79万人だった利用者数は[4]2003年度以降は4〜5万人程度にまで減少していた[4]1993年以降、年間5000万〜1億5000万円程度の赤字となり、開業21年目の2010年9月26日を最後に一旦閉鎖され[注 1]通行不能となったが、橋脚と一体構造の為に撤去はできず、安全点検の為のメンテナンスは続けられており、またバス停留所の名前として、閉鎖後も「スカイウォーク」の名前が使用されていた。

一方、桁下高55mの横浜ベイブリッジをくぐることのできない大型客船が横浜港に寄港する際は大黒埠頭に停泊するが、遊覧船を使った海上見学会には毎回応募が殺到し、増加する見学者への対応が求められていた。横浜市は客船を間近で見ることのできる施設として、2019年春の同埠頭旅客(CIQ)施設完成[注 2]に合わせ、当施設の営業再開に向けた検討に入った[6]。市は平成30(2018)年度に1億9300万円を投じて補修を行い[7]、2019年4月から日程を限定した無料開放を開始した[8]

2019年4月より、大黒埠頭に客船が停泊あるいはベイブリッジの下部を客船が通過する土日祝のみ、当施設(外港〈同埠頭〉側の通路)を無料開放している[8](※停泊時でも平日は開放しない。また、ゴールデンウィークやイベント開催日など駐車場を一般開放しない日もあり、その場合はイベントに参加するか市営バスなど公共交通を利用する必要がある。当施設の開放日などの詳細情報は横浜市港湾局のサイト[9]を参照のこと)。

2020年に入ってからは新型コロナウイルス感染症の影響から無料開放が見送られ[10]、その後工事に入った。

2022年6月25日から約3年ぶりに開放されることになり、展望台のスカイラウンジでは新本牧ふ頭整備事業の展示も行われることになり、同整備事業のPR施設の役割も担うことになった[2]。リニューアル後、基本営業日は土曜日、日曜日、祝日となり、開放時間は11:00~18:00となる[11]

施設詳細

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スカイタワー

「スカイタワー」、「スカイプロムナード」、「スカイラウンジ」の3つから構成される。順路が決まっており、スカイタワー4階→スカイプロムナード(北側)→スカイラウンジ→スカイプロムナード(南側)→スカイタワー3階の順に訪れる。

スカイタワー

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横浜港の大黒埠頭にあるガラス張りのタワーである。2階のチケットカウンターで入場券を購入したあとエレベーターで4階に上り「スカイプロムナード」に入る。中央監視室を始めとする様々な防災設備が配置されている。

スカイタワーには、横浜海上保安部が設置した、横浜港の内外を往来する船を監視するためのレーダーが設置されている。また、NHK横浜放送局テレビ神奈川情報カメラを設置し、周辺の風景の映像を放送で使用している。なお、テレビ神奈川についてはスカイウォーク閉鎖後に同所にあった情報カメラを撤去し、横浜港大さん橋に移設している。

  • 床面積 : 2112.47m2
  • タワー高さ : 60m
  • エレベーター : 25人乗り2基

スカイプロムナード

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スカイプロムナード

ベイブリッジ下層の両横に取り付けられた空中散策路であり、行き帰り各1本ずつの通路が国道357号を挟むように設置されており、スカイタワーとスカイラウンジを結んでいる。外との仕切りは金網であるため、潮風を受けながら散策できる。国道357号の開通は2004年4月24日であり、以降は自動車の走行音が響くようになった。途中に休憩所が片道6カ所、計12カ所あり、無料望遠鏡が設置してある。途中にある3つの階段には、いずれも身障者用リフトがある。

  • 遊歩道:幅2.5m 片道約320m
  • 海面からの高さ:50 - 60m(平均勾配3.3%)
  • 身障者用斜路リフト:3基

スカイラウンジ

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スカイラウンジ

ベイブリッジの大黒埠頭側の主塔下部に設けられたドーム型の展望施設。2階建て構造になっており、2階がスカイプロムナードへの出入り口、1階が展望スペースである。横浜港みなとみらい東京湾のほか、クルーズ客船や海上保安庁の巡視艇を見ることができる。

2006年4月からジャズバンドによるコンサートが開始され、2007年4月からは音楽ジャンルを広げて「スカイウォークライブ」の名称で行われるようになり、最終日まで続けられた。売店「ベイブリッジ・スカイクラブ」が営業していたが、2010年3月31日を最後に閉店し、以降は自動販売機による飲料販売のみとなった。

2022年6月25日の横浜スカイウォークのリニューアルオープン後は、新本牧ふ頭のPRの役割が新たに加わったことから、スカイラウンジでは新本牧ふ頭の紹介、建設技術や環境への取り組みなどの映像の上映や模型の展示が行われる[2]

  • ドーム直径:32m
  • 有効床面積:470m2
  • 海面からの高さ:約50m
  • 身障者用エレベーター:1基(11人乗り)

開放日

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2022年6月25日のリニューアル後、基本営業日は土曜日、日曜日、祝日となり、開放時間は11:00~18:00となる[11]

2022年6月25日のリニューアル後の情報

開放日
  • 基本営業日は土曜日、日曜日、祝日[11]。開放時間は11:00~18:00[11]
  • ただし、平日開放日(開放時間11:00~18:00)が設けられる月もある[12]
入場料金

歴史

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交通

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下記はいずれも2010年9月の閉鎖時点における情報である。

脚注

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注釈

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  1. ^ 最終日には約3,600人が入場した。
  2. ^ 2019年4月にはクイーン・エリザベスが寄港した[5]

出典

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  1. ^ a b c d e 横浜ベイブリッジスカイウォーク- 横浜市道路局 - ウェイバックマシン(2011年11月4日アーカイブ分)
  2. ^ a b c 横浜スカイウォーク、3年ぶり開放へ 25日新装オープン”. 神奈川新聞 (2022年6月16日). 2022年6月16日閲覧。
  3. ^ ”横浜「スカイウォーク」競合施設相次ぎ客足低迷(メガロポリス異聞)”、『日本経済新聞』2004年6月25日地方経済面、東京、15ページ。
  4. ^ a b ”スカイウォーク」閉鎖へ 赤字続き 市、今秋にも=神奈川”、『読売新聞』2010年1月25日東京朝刊、横浜、29ページ。
  5. ^ クイーン・エリザベス、横浜港に3年ぶり寄港」『日本経済新聞』2019年4月19日。2020年6月25日閲覧。
  6. ^ “豪華客船観覧へ再開検討 横浜ベイブリッジの展望施設”. 神奈川新聞カナロコ. (2018年1月3日). http://www.kanaloco.jp/article/301692 2018年4月11日閲覧。 
  7. ^ 平成30年度一般会計決算の概要 参考資料』(プレスリリース)横浜市、2019年7月25日https://www.city.yokohama.lg.jp/city-info/zaisei/jokyo/ketu/h30ketu.files/p4-17.sankou.pdf2020年6月25日閲覧 
  8. ^ a b c 横浜スカイウォークがついに復活!大黒ふ頭に客船が着岸する土日祝限定で無料開放!”. はまれぽ.com (2019年3月25日). 2019年3月30日閲覧。
  9. ^ 横浜市港湾局
  10. ^ 港湾局みなと賑わい振興部整備推進課 (2020年4月1日). “横浜ベイブリッジスカイウォーク”. 横浜市. 2020年4月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月21日閲覧。
  11. ^ a b c d e f 横浜ベイブリッジスカイウォーク【2022年6月25日オープン】”. 横浜市港湾局政策調整部新本牧事業推進課 (2022年6月13日). 2022年6月16日閲覧。
  12. ^ スカイウォーク開放予定日(2022年6月、7月、8月)”. 横浜市港湾局政策調整部新本牧事業推進課. 2022年6月16日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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座標: 北緯35度27分31.9秒 東経139度40分34.6秒 / 北緯35.458861度 東経139.676278度 / 35.458861; 139.676278 (横浜スカイウォークスカイタワー)